ワールドカップフランス大会は1次リーグが行われています。世界ランキング13位の日本はここまで1勝1敗としていて、日本時間29日に行われる第3戦で同じく1勝1敗、世界12位のサモアとの試合に臨みます。
ラグビーW杯 日本代表 サモア戦へ メンバー発表 姫野など
ラグビーワールドカップフランス大会の1次リーグに臨んでいる日本代表は、第3戦のサモア戦に向けた23人のメンバーを発表しました。先発にはキャプテンの姫野和樹選手やイングランド戦で活躍したレメキ ロマノ ラヴァ選手などが入りました。
一方、サモアもメンバーを発表し、前のアルゼンチン戦から先発4人を入れ替えてきました。
記事後半では両チームのメンバーを紹介しています。
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日本 イングランド戦から先発2人変更
選手たちは26日、ベースキャンプ地のトゥールーズで実戦形式の練習で汗を流し、その後、サモア戦に向けた23人のメンバーが発表されました。
このうち15人の先発メンバーは、2戦目のイングランド戦から2人が入れ代わり
▽センターにはディラン・ライリー選手が
▽フルバックにはレメキ ロマノ ラヴァ選手が入りました。
▽キャプテンの姫野和樹選手や
▽ベテランのリーチ マイケル選手が順当に先発に名を連ねたほか
▽攻撃の起点となるスクラムハーフには副キャプテンの流大選手
▽司令塔のスタンドオフには松田力也選手が3試合連続で入りました。
このほか控えメンバーにはスタンドオフの李承信選手が今大会初めて入りました。
けが人に代わって新たに招集された山中亮平選手は、今回はメンバーに入りませんでした。
日本が入った1次リーグプールDは混戦となっていて、サモア戦の勝敗が1次リーグ突破を大きく左右するだけに、日本にとっては負けられない試合になります。
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◆日本代表 先発メンバー◆
【FW(フォワード)】
1.稲垣啓太(33)
2.堀江翔太(37)
3.具智元(29)
4.ジャック・コーネルセン(28)
5.アマト・ファカタヴァ(28)
6.リーチ マイケル(34)
7.ピーター・ラブスカフニ(34)
8.姫野和樹(29)※キャプテン※
【BK(バックス)】
9.流大(31)
10.松田力也(29)
11.ジョネ・ナイカブラ(29)
12.中村亮土(32)
13.ディラン・ライリー(26)
14.松島幸太朗(30)
15.レメキ ロマノ ラヴァ(34)
【控えメンバー(8人)】
16.坂手淳史(30)
17.クレイグ・ミラー(32)
18.ヴァル アサエリ愛(34)
19.ワーナー・ディアンズ(21)
20.下川甲嗣(24)
21.齋藤直人(26)
22.李承信(22)
23.長田智希(23)
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《日本代表 選手・HC会見》
ジョセフHC「サモア経験値高い しっかり準備していく」
日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、対戦するサモアについて「経験値が高いチームで、日本代表が勝利した4年前のワールドカップの時よりもレベルは上がっていると思う」と警戒していました。
日本は7月のテストマッチで2点差で敗れていますが、ジョセフヘッドコーチは「負けたもののそこでいろいろ経験することができた。勝つプランを練っているので、どのようなトラブルがあってもそれを乗り越えていきたい。しっかり準備していく」と大一番を前に決意を示しました。
【詳しくはこちら】ジェイミー・ジョセフHCとは
姫野和樹主将「重要なゲーム チームとしての自信感じている」
キャプテンの姫野和樹選手はサモア戦を「重要なゲームになる」と位置づけたうえで「1次リーグが厳しい戦いになることはわかっていたが、チームとしての自信を感じている。個人的にもイングランド戦を終えて緊張がほぐれた部分もあるかもしれない」と充実の表情を見せました。
日本は第2戦のあと、サモアの中5日に対して中10日で試合に臨みますが、姫野選手は「日本にはリフレッシュする時間があり、アドバンテージがある。イングランド戦は残念な気持ちだったが、立ち直るには十分な時間があった」と述べ、サモア戦は万全の状態で臨めると強調しました。
そして「サモアはフィジカルや経験値を生かしてくると思うが自分たちには勝つプランがある。それをしっかり遂行していきたい」と力強く話していました。
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“情熱の男”姫野和樹 ラグビー日本代表キャプテン 素顔に迫る
レメキ ロマノ ラヴァ「サモアの大きなフォワード走らせたい」
フルバックで先発出場するレメキ ロマノ ラヴァ選手はサモアの印象について「フィジカルが強く、試合を見るとスクラムやラインアウトのセットプレーが強い」と話しました。一方で「セットプレー以外の部分を分析している。今は言えないが、試合を見ればわかると思う」と攻略に自信をのぞかせました。
また、レメキ選手はサモアがアルゼンチンに10対19で敗れた試合を分析し「サモアはもっとキックを使えばアルゼンチンに勝てたと思う。自陣からハーフウェイライン付近ではずっとボールを持って運んでいた。フィジカルは強いがフォワードを使いすぎていた。日本としてはそのようなエリアでプレーはしない。アタックをしかけるのは敵陣22メートルラインの中に入ってからで、それ以外は自分たちのフォワードのエネルギーをセーブして、サモアの大きなフォワードを走らせたい」と述べ、キックを有効に使ってゲームをコントロールをするプランの一端を明かしました。
【詳しくはこちら】レメキ ロマノ ラヴァ選手とは
ピーター・ラブスカフニ「一致団結して戦っていきたい」
出場停止処分が明けてイングランド戦から復帰したフランカーのピーター・ラブスカフニ選手は「イングランドとの試合では相手に圧力をかけ続けられなかったが、チームとして教訓が得られた。学んだことをサモア戦に生かしていく」と話していました。
また「前回対戦した7月のテストマッチから日本もサモアもだいぶ変わっている。1次リーグの重要なタイミングで対戦することになるが、一致団結して戦っていきたい。思い通りにいかないこともあると思うが、柔軟に対応していきたい」と話していました。
【詳しくはこちら】ピーター・ラブスカフニ選手とは
アマト・ファカタヴァ「プラン愚直に遂行するのみ」
3試合連続で先発出場するロックのアマト・ファカタヴァ選手は、サモア戦でカギとなるセットプレーについて「選手どうしコミュニケーションをとってしっかり準備できている。スクラムはより綿密にやっていきたい」と話しました。そして「コーチのプランを愚直に遂行するのみだ。サモアに勝つために頑張りたい」と意気込んでいました。
【詳しくはこちら】アマト・ファカタヴァ選手とは
涙のジャージ授与式 ラグビー日本代表 アマト・ファカタヴァ
下川甲嗣「タフなゲームして経験積み上がっている」
控えメンバーに入ったフランカーの下川甲嗣選手はここまでの戦いを振り返り「日本は、国内の5連戦からワールドカップの試合も含めてタフなゲームをしていて、その部分は経験として積み上がっている」とチームの成長を話しました。
サモアとの大一番に向けて「どちらに転ぶかわからないきっ抗した時間帯に自分たちのやりたいラグビーができるように細かい部分にこだわって練習してきた」と話しました。そして、7月のテストマッチで敗れていることを踏まえ「一度負けた相手には絶対に負けられない」と勝利への強い決意を示しました。
【詳しくはこちら】下川甲嗣選手とは
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《サモアとの過去の対戦成績は?》
日本ラグビー協会によりますと、日本はこれまでサモアと17回対戦し、5勝12敗と大きく負け越しています。
しかし日本が躍進した2015年のワールドカップ以降では、2勝1敗と勝ち越しています。
▽2015年W杯:日本 26対5 サモア
▽2019年W杯:日本 38対19 サモア
ただ、今大会の前に行われた2023年7月22日のテストマッチでは、リーチ マイケル選手が前半に危険なタックルで退場処分となり、1人少ない状態での戦いを強いられ22対24で敗れています。
【五郎丸歩さん解説】サモアってどんなチーム?
サモアもメンバーを発表 先発4人変更
サモアも26日、トゥールーズで行われた記者会見で23人のメンバーを発表しました。会見には、バオバサマナイア セイララ・マプスア ヘッドコーチと、日本戦のキャプテンを務めるクリス・ブイ選手が出席しました。
15人の先発メンバーには
▽前回の日本大会では、オーストラリア代表として出場した司令塔・スタンドオフのクリスチャン・リアリーファノ選手や
▽7月の日本とのテストマッチでトライを決めたスクラムハーフのジョナサン・タウマテイネ選手などが順当に選ばれました。
一方、2戦目のアルゼンチン戦から先発メンバー4人が入れ替わっていて
▽元ニュージーランド代表でここまでナンバーエイトで先発出場していたベテランのスティーブン・ルアトゥア選手は控えにまわりました。
また今大会、3つのトライを奪ってサモアの選手がワールドカップで記録した最多トライ数に並び勢いのあるフッカーのサマ・マロロ選手は3戦連続で控えスタートで、試合途中からの出場が予想されます。
《サモア代表 選手・HC会見》
マプスアHC「リーチ 姫野を警戒」
マプスア ヘッドコーチは、メンバー変更の理由について「けが人も少しいるが、主な理由は、日本戦に向けた戦術的な交代だ」と述べたうえで「日本は結束力のあるチームでスピードを持っている。警戒すべきたくさんの選手がいるが、特にリーチ マイケル選手や姫野和樹選手を警戒したい。我々は日本の選手たちをおさえるためにベストを尽くさなければいけない」と意気込みました。
また、試合の鍵になると見られるスクラムについて「日本のスクアムはとても強いが、われわれも日本のスクラムに対抗する練習をしてきているので、この試合のスクラムは良い勝負になるだろう」と話していました。
クリス・ブイ主将「自分たちのゲームプランを確実に」
キャプテンのブイ選手は「日本がどれだけよいチームか我々はわかっている。日本はすごくスクラムがよいし、ボールをたくさん運んでくる。ラインアウトも含めて、圧倒してくる可能性があるので、自分たちのゲームプランを確実にやっていく必要がある」と話していました。
サモア 持ち味のパワーに経験加わり“手強いチームに”
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◆サモア 先発メンバー◆
(※年齢は2023年9月27日現在)
【FW(フォワード)】
1.ジェームス・レイ(29)
2.セイララ・ラム(34)
3.ポール・アロ エミール(31)
4.クリス・ブイ(30)※共同キャプテン※
5.セオ・マクファーランド(27)
6.タレニ ジュニア アガエセ・セウ(29)
7.フリッツ・リー(35)
8.サ ジョーダン・タウフア(31)
【BK(バックス)】
9.ジョナサン・タウマテイネ(27)
10.クリスチャン・リアリーファノ(36)
11.ベン・ラム(32)
12.アライ ダンジェロ・レウイラ(26)
13.トゥムア・マヌ(30)
14.エド・フィドウ(30)
15.ダンカン・パイアアウア(28)
【控えメンバー(8人)】
16.サマ・マロロ(25)
17.ヨルダン・レイ(30)
18.マイケル・アラアラトア(32)
19.スティーブン・ルアトゥア(32)
20.アラマンダ・モトゥガ(29)
21.メラニー・マタバオ(27)
22.ネリア・フォマイ(31)
23.ダニー・トアラ(24)