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【詳しく】ラグビーW杯 日本代表 姫野 リーチなど30人を発表

来月8日に開幕するラグビーワールドカップフランス大会に臨む日本代表のメンバー30人が15日、発表され、キャプテンは姫野和樹選手が、副キャプテンは流大選手が務めることになりました。ワールドカップの登録メンバーは33人となっていて、残りの3人はけが人の状況を見極めて判断するとしています。

一方、前回のワールドカップ日本大会のベスト8の立役者の1人でフルバックの山中亮平選手などがメンバー外となりました。

記事の後半では、15日に発表されたメンバー30人を紹介しています。
また選ばれた選手のコメントもお伝えしています。

目次

《代表発表 17人が初選出》

日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチや藤井雄一郎ナショナルチームディレクターなどが15日午前10時から都内のホテルで会見し、来月8日に開幕するワールドカップフランス大会に臨むメンバーを発表しました。

ジェイミー・ジョセフHCなどが会見で発表

▽前回まで2大会連続でキャプテンを務めたフランカーのリーチ マイケル選手
▽先月から国内で行われたテストマッチで共同キャプテンとしてチームを引っ張った姫野選手
▽チーム最年長となる37歳のフッカー、堀江翔太選手などが順当に選ばれました。

また▽スクラムハーフの齋藤直人選手
▽22歳のスタンドオフ、李承信選手
▽ことし初キャップを獲得した長田智希選手や福井翔大選手など17人が初めてワールドカップメンバーに選ばれました。

ジェイミー・ジョセフHC

年齢別では
▽最年長が37歳の堀江選手で
▽最年少は22歳のスタンドオフ、李選手です。

日本に加えてニュージーランド、トンガ、オーストラリア、フィジー、タイなど、さまざまな出身地や国籍の選手で構成されています。

主将は姫野和樹 副将は流大

(左)流 副将(右から2人目)姫野 主将

チームのキャプテンは姫野選手、副キャプテンはスクラムハーフの流大選手が務めることが発表されました。

一方、ワールドカップの登録メンバーは33人となっていますが、15日は30人の発表で、残りの3人については今後、けがの状態などを見て選ぶことにしています。

《山中亮平などメンバー外に》

今回の発表でメンバーから外れた主な選手です。
ジョセフ ヘッドコーチは“バックスの15人の選手は確定している”としています。

メンバー外となった山中亮平 選手

▽フルバックの山中亮平選手は、前回のワールドカップ日本大会で5試合すべてに出場し、日本を初のベスト8に導いた立て役者です。左足のロングキックや冷静なプレーはこれまで日本の躍進を支えてきただけに、まさかのメンバー外となりました。

ジョセフヘッドコーチは「彼はすばらしい選手だが、フルバックの1番手は松島選手だ。松島選手がけがをした場合、レメキ選手やマシレワ選手がカバーできる。ほかのポジションをカバーできるかどうかという点で今回は外れた」と説明しました。

一方、フォワードについては今月5日のフィジー戦で危険なタックルをしたとして3試合の出場停止処分となっているフランカーのピーター・ラブスカフニ選手がメンバー外となりました。

このほか
▽2メートルを超える長身のロック、ワーナー・ディアンズ選手
▽同じくロックのヘル ウヴェ選手
▽先月からのテストマッチなどで活躍したロックのアマト・ファカタヴァ選手などもメンバーから外れました。

ジョセフヘッドコーチは、登録メンバーの残りの3枠について、けが人の状況を見て判断していきたいとしています。

《ヘッドコーチ・選手会見》

ジェイミー・ジョセフHC「複数ポジションできることを基準に」

ジェイミー・ジョセフHC

ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、冒頭のあいさつで「きょうはここに来られてうれしい。メンバーを選ぶうえで、ハードワークをしてくれた選手たちに感謝したい。その選手たちがいなければ、いまはない。ことしは大きなチャレンジの年になる。前回のワールドカップからコロナ禍の中でラグビーができない日々もあったが、その中でも強豪チームとの対戦を重ねてきた。きょうは33人の代表メンバーの発表を予定していたが、けが人などもいて判断が難しく30人の発表とさせていただく」と述べました。

またメンバーの選考理由について「1つのポジションより、いくつかできることが大事。フルバックとセンターもできるとか、いくつものポジションをできることを今回の基準では大事にした」と話しました。そのうえで、今大会の目標について「ワールドカップは絶対に勝ちたいと思っている。しっかりと試合に勝って優勝する。前回はベスト8までいったし、ゴールは同じだと思う」と意気込んでいました。

主将 姫野和樹「覚悟を持ってやっていく 目標は優勝」

日本代表のキャプテンを務めることになった姫野和樹選手は記者会見で「自分のリーダーシップが日本代表に必要だと感じたし、ヘッドコーチにもそこを期待していると言われた。持っている情熱や愛情、リーダーシップでチームを引っ張っていきたい。覚悟を持ってやっていく」と意気込みを語っていました。ワールドカップに向けては「目標は優勝だ。ワールドカップは最高の舞台で自分の夢を叶える場所だと思う。日本にはラグビーが必要だと思ってもらいたい。選出されなかった選手の思いやファンの方々の思いなど、たくさんの期待を感じながら、期待されていることを楽しんでプレーしたい」と話していました。

副将 流大「日本代表でのプレーは最後 恐れる気持ちはない」

2大会連続で選ばれ、副キャプテンを務めることになった流大選手は「キャプテンの姫野が引っ張っていくと思うので、それを自分がサポートしていきたい。姫野は責任感がめちゃくちゃ強いと思うので、お互い自分らしくリーダーシップを発揮していきたい」と話していました。そのうえで「今大会で日本代表でプレーするのは最後だと決めている。国民を代表する気持ちでフランスに行くし、恐れる気持ちはない。日本のラグビー、日本は強いというのをみせていきたい」と意気込んでいました。

4大会連続選出 リーチ マイケル「強いことを証明していきたい」

4大会連続で、ワールドカップの日本代表のメンバーに選ばれたリーチ マイケル選手は記者会見で、「不調でここまで復活すると思っていなかった。手術後、ラグビーをやめようと思っていた。ここまで頑張ってこれたのは奇跡だと思う」と話しました。そのうえで「ワールドカップで勝つのは、すごい楽しいです。強豪国に勝つのが楽しく、そのプロセスも楽しいので、経験を伝えていきたい。弱い時の日本代表と優勝を狙える日本代表の両方を経験してきた。今大会は強いことを証明していきたい」と意気込んでいました。

フッカー 坂手淳史「夢を持ってもらえるようなプレーを」

坂手淳史選手は「うれしく、光栄に思う。責任を持って戦いに行きたい。みんなに夢を持ってもらえるようなプレーをしたい」と意気込みを語りました。そのうえで「このチームは優勝を目標に掲げてやってきた。みんなで1試合1試合、成長して自分たちの目標に近づいていきたい」と話していました。

《代表発表 30人のメンバー》

来月8日に開幕するラグビーのワールドカップフランス大会に臨む日本代表のメンバーのうち、15日に発表された30人です。残りの3人のメンバーは後日、発表されることになります。
(数字は年齢/8月15日時点)

◆FW(フォワード)◆

【プロップ】
▽稲垣啓太(33・埼玉パナソニックワイルドナイツ)
▽クレイグ・ミラー(32・埼玉パナソニックワイルドナイツ)
▽シオネ・ハラシリ(23・横浜キヤノンイーグルス)
▽具智元(29・コベルコ神戸スティーラーズ)
▽垣永真之介(31・東京サントリーサンゴリアス)
▽ヴァル アサエリ愛(34・埼玉パナソニックワイルドナイツ)

【フッカー】
▽堀江翔太(37・埼玉パナソニックワイルドナイツ)
▽坂手淳史(30・埼玉パナソニックワイルドナイツ)
▽堀越康介(28・東京サントリーサンゴリアス)

【ロック】
▽ジェームス・ムーア(30・浦安D-Rocks)

【ロック/フランカー】
▽ジャック・コーネルセン(28・埼玉パナソニックワイルドナイツ)

【フランカー】
▽ベン・ガンター(25・埼玉パナソニックワイルドナイツ)
▽姫野和樹(29・トヨタヴェルブリッツ)
▽福井翔大(23・埼玉パナソニックワイルドナイツ)
▽リーチ マイケル(34・東芝ブレイブルーパス東京)

◆BK(バックス)◆

【スクラムハーフ】
▽齋藤直人(25・東京サントリーサンゴリアス)
▽流大選手(30・東京サントリーサンゴリアス)
▽福田健太(26・トヨタヴェルブリッツ)

【スタンドオフ/フルバック】
▽小倉順平(31・横浜キヤノンイーグルス)

【スタンドオフ】
▽李承信(22・コベルコ神戸スティーラーズ)
▽松田力也(29・埼玉パナソニックワイルドナイツ)

【センター】
▽長田智希(23・埼玉パナソニックワイルドナイツ)
▽中野将伍(26・東京サントリーサンゴリアス)
▽中村亮土(32・東京サントリーサンゴリアス)
▽ディラン・ライリー(26・埼玉パナソニックワイルドナイツ)

【ウイング】
▽ジョネ・ナイカブラ(29・東芝ブレイブルーパス東京)
▽シオサイア・フィフィタ(24・花園近鉄ライナーズ)
▽セミシ・マシレワ(31・花園近鉄ライナーズ)
▽レメキ ロマノ ラヴァ(34・NECグリーンロケッツ東葛)

【フルバック/ウイング】
▽松島幸太朗(30・東京サントリーサンゴリアス)

《出身地・国籍 多様なメンバー》

ラグビーは、出身地や国籍に関係なく一定の条件を満たせば代表の資格を得ることができる、いわば多様性のあるスポーツです。

ラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」が定めた代表資格の主な条件です。

▽当該の国で生まれていること
▽両親もしくは祖父母の1人が当該の国で生まれていること
▽プレーする時点の直前まで当該の国に一定期間継続して居住していること

こうした条件を1つでも満たせば、代表の資格を得ることができます。
今回の日本代表も、トンガ、フィジー、ニュージーランド、オーストラリア、タイなど、さまざまな出身地や国籍の選手で構成されています。

日本代表の戦い方も変わり、外国選手を中心にフィジカルで勝負したり、オフロードパスをつないで大胆にトライを奪いにいったりと、手堅い試合運びだけではない新たなスタイルが近年のワールドカップの躍進につながっています。

日本ラグビー協会 土田会長「前回大会以上の成績を」

(左から)藤井ディレクター、ジョセフHC、土田会長

会見の冒頭で日本ラグビー協会の土田雅人会長は「日本代表のプレーは国内だけでなく世界からも注目が集まるようになった。桜のジャージへの誇りを持って世界の頂へと挑戦してくれると思う。前回大会以上の成績を残してくれることを期待して、協会としてもサポートしていきたい」と話していました。

《日本代表 今後の予定》

メンバー発表後、日本代表は、16日から18日まで、都内でワールドカップに向けた国内最後の合宿を行います。

キャプテンを務める姫野和樹 選手

そのあと、すぐにヨーロッパに渡り、日本時間の27日未明に世界ランキング13位のイタリアとテストマッチを行って本番に備えます。近年、力をつけてきているイタリアとの試合では、これまでのテストマッチで出た課題をクリアできているか見極めるとともに、強化してきたフィジカル面が通用するか確かめる場となります。

来月8日に開幕するワールドカップで世界ランキング14位の日本は1次リーグ、プールDに入りました。
▽日本時間の来月10日にトゥールーズで世界22位のチリとの初戦を迎えます。
▽ニースに場所を移して、18日に世界6位で前回大会準優勝の強豪、イングランドと対戦します。
その後、トゥールーズに戻り▽29日には世界12位のサモアと
▽10月8日には1次リーグ最後の試合としてナントで世界7位のアルゼンチンと対戦します。

《日本代表 今後の試合スケジュール》

【テストマッチ】(日本時間)
8/27(日) 日本 × イタリア @イタリア・トレビゾ

【ワールドカップフランス大会・1次リーグ】(日本時間)
▽9/10(日) 日本×チリ @トゥールーズ
▽9/18(月) 日本×イングランド @ニース
▽9/29(金) 日本×サモア @トゥールーズ
▽10/8(日) 日本×アルゼンチン @ナント

《日本代表“Our Team”をスローガンに》

ラグビー日本代表は『勇敢な桜の戦士たち』を意味する「BRAVE BLOSSOMS」(ぶれいぶ・ぶろっさむず)という愛称で呼ばれます。

2015年のワールドカップで南アフリカを破る歴史的な勝利を挙げた際には、海外メディアがこの愛称で日本の活躍をたたえ広く知られるようになりました。前回のワールドカップ日本大会では史上初のベスト8進出を果たし、今大会はそれを上回るベスト4以上を目指しています。選手たちは「優勝を目指す」と話し、今大会を世界最高峰のエベレストの山頂を目指す戦いに例えています。

今回の日本代表は、伝統であるテンポの速いラグビーに加え、相手とぶつかり合うコンタクトエリアでも強豪チームと渡り合うため徹底してタックルを強化してきました。合宿ではラグビーの指導経験がある柔術の専門家をコーチに招き、激しいタックル練習を繰り返しました。選手たちが「過去一番きつい」と話すほどの練習で、身体的な強さが備わっただけでなく、選手の間で厳しい練習を乗り越えた一体感も生まれました。

今大会に向けて日本は一人ひとりに主体的な関わりを求める「OurTeam(あわーちーむ)」をスローガンに掲げています。前回大会で注目を集めた「ONE TEAM(わんちーむ)」進化させ、ひとつにまとまったチームがそれぞれの主体的な取り組みで高めあうチームを目指しています。

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