【33人 全選手紹介】ラグビーW杯 日本代表 特徴・経歴は?

9月8日に開幕するラグビーワールドカップフランス大会に臨む日本代表のメンバー33人が決定しました。15日の30人発表のあと、18日にフォワードの4人を追加した一方、ジェームス・ムーア選手がコンディション不良のため離脱し、33人の登録メンバーが決まりました。

選ばれた選手はどんな経歴?プレースタイルの特徴は?
すべての選手を1人ずつ詳しく紹介します。

(年齢/キャップ数は2023年8月15日現在)

《FW(フォワード)》

稲垣啓太(いながき・けいた)【プロップ】

稲垣啓太選手は、新潟県出身の33歳。新潟工業から関東学院大を経て、現在は、埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションはスクラム最前列のプロップで、リーグワンのベストフィフティーンに選ばれるなど日本トップクラスの実力を持っています。豊富な運動量が持ち味で、攻守で力を発揮します。また「笑わない男」としても知られる人気の選手です。ワールドカップには前回まで2大会連続で出場していて、2015年のイングランド大会では南アフリカ戦の勝利に貢献したほか、前回の日本大会では日本を史上初のベスト8に導く活躍を見せました。
【キャップ数:48】

稲垣選手は「光栄です。それとともに責任と使命をより強く感じます。自分のやるべきことを理解し、それを実行していく。そしてチームに貢献したい。応援していただけるように結果を出していきたいと思います」と協会を通じてコメントを出しました。

クレイグ・ミラー【プロップ】

クレイグ・ミラー選手はニュージーランド出身の32歳。2018年から日本のチームでプレーし、現在はリーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションはプロップで、スクラムの強さとボールを前に運ぶ能力に優れています。2019年のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦で日本代表初キャップを獲得すると去年秋のテストマッチにも出場しています。先発でも途中出場でも存在感を示す国際経験豊かなベテランです。
【キャップ数:12】

初選出のクレイグ・ミラー選手は「日本代表メンバーに選ばれたことをとても誇りに思い、興奮しています。日本代表として世界の強豪チームと戦うというすばらしい機会に挑戦できることを楽しみにしています」とコメントしています。

シオネ・ハラシリ【プロップ】

シオネ・ハラシリ選手はトンガ出身の23歳。16歳で来日し、高校卒業後は日大に進み、現在は、リーグワンの横浜キヤノンイーグルスに所属しています。ポジションはプロップで、もともとはナンバーエイトとしてプレーしていたことから機動力と圧倒的な突破力で存在感を示しています。愛称は「ジェイ」で日本代表としての出場はまだありませんが、期待の若手の1人として活躍が注目されます。
【キャップ数:0】

初選出のシオネ・ハラシリ選手は「ジャパンのメンバーに選ばれて大変光栄です。日本代表としての誇りを持ってプレーします。I LOVE JAPAN」というコメントを出しました。

具智元(ぐ・じうぉん)【プロップ】

具智元選手は韓国出身の29歳。中学生の時に日本にラグビー留学し、その後、大分県の日本文理大附属高校から拓殖大に進みました。現在は、リーグワンのコベルコ神戸スティーラーズに所属しています。ポジションは、フォワード最前列を担うプロップで、安定したスクラムが持ち味です。ワールドカップは前回大会に続く2回目の代表入りで、前回大会はスクラムの要として日本のベスト8進出に貢献しました。具選手は、2019年に日本国籍を取得しています。
【キャップ数:24】

具選手は「メンバーに選んでいただき、本当にうれしいです。2019年はラグビー人生で一番うれしい経験だったので、今大会も自分の良さを出してチームに貢献できるように頑張ります」と協会を通じてコメントを出しました。

垣永真之介(かきなが・しんのすけ)【プロップ】

垣永真之介選手は、福岡県出身の31歳。東福岡高校から早稲田大に進み、現在は東京サントリーサンゴリアスに所属しています。ポジションはスクラム最前列のプロップで、フォワード一体となって相手を押すプレーで力を発揮します。また、力強くボールを持ち運ぶプレーや激しいタックルなど、攻守ともに豊富な運動量も持ち味です。昨シーズンはリーグワンの試合からアピールに成功し、6月から始まった合宿でもスクラムなどで安定したプレーを続けて、初めてのワールドカップメンバー入りを果たしました。
【キャップ数:12】

初選出の垣永選手は「日本代表メンバーに選出されて大変光栄にうれしく思います。チームの勝利に貢献できるよう全力で頑張ります。応援よろしくお願いします」とコメントしています。

ヴァル アサエリ愛(あい)【プロップ】

ヴァル アサエリ愛選手は、トンガ出身の34歳。高校時代に来日し、現在はリーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションはプロップで、スクラムでの強さや局面を打開する突破力にたけています。妻はタレントの萩本欽一さんのめいでプロテニスプレーヤーとして活躍した愛里さんで、日本国籍を取得した際に自身の名前に「愛」の文字を入れました。2017年に日本代表初キャップを獲得し、2019年のワールドカップ日本大会では途中出場が中心でしたが、日本のベスト8進出に貢献しました。
【キャップ数:25】

ヴァル アサエリ愛選手は「感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。今大会で2度目の出場となりますが、今までで一番良い結果が出せるように、自分の力を100%出し切って、日本代表に貢献できるように一生懸命頑張ります。応援よろしくお願いします」とコメントしています。

堀江翔太(ほりえ・しょうた)【フッカー】

堀江翔太選手は、大阪府出身の37歳。今回選出された日本代表では最年長です。大阪の島本高校から帝京大に進み、現在は、埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションはスクラム最前列の真ん中に位置するフッカーです。力強いスクラムだけでなく、パスやラン、それにキックといったプレーも高いレベルでこなせる器用さが持ち味です。プレー以外では、トレードマークのドレッドヘアでも人気を集めています。ワールドカップには前回まで3大会連続で出場し、日本の躍進を支えてきました。
【キャップ数:71】

堀江選手は「大変光栄に思います。年齢的にも最後のラグビーワールドカップになるかもしれないので、悔いなくすべてを出し切りたいと思います」というコメントを出しました。

坂手淳史(さかて・あつし)【フッカー】

坂手淳史選手は京都府出身の30歳。京都成章高校から帝京大に進み、現在は、リーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションはフォワード最前列のフッカーで、体を張った力強いタックルやラインアウトでの正確なスローイングといった堅実なプレーが光ります。高校、大学、社会人といずれもキャプテンを務め、大学や社会人ではチームを日本一に導くなどリーダーシップが高く評価されています。日本代表でも去年、キャプテンを務めて、ワールドカップ前年のチームをまとめてきました。
【キャップ数:36】

坂手選手は「うれしく、光栄に思う。責任を持って戦いに行きたい。みんなに夢を持ってもらえるようなプレーをしたい」と意気込みを語りました。そのうえで「このチームは優勝を目標に掲げてやってきた。みんなで1試合1試合成長して自分たちの目標に近づいていきたい」と話していました。

堀越康介(ほりこし・こうすけ)【フッカー】

堀越康介選手は群馬県出身の28歳。神奈川県の桐蔭学園から帝京大に進み、大学ではキャプテンとしてチームを大学日本一に導きました。現在は、東京サントリーサンゴリアスに所属しています。ポジションは、フォワード最前列の真ん中に位置するフッカーです。スクラムやラインアウトなどセットプレーの要で、みずからボールを持って前に出るプレーも得意としています。ワールドカップの代表メンバーに選ばれるのは初めてです。
【キャップ数:7】

初選出の堀越選手は「大変光栄に思います。憧れの舞台に立てるうれしさとともに、チームの目標に向かい、責任を果たしていきたいと思います。応援よろしくお願いします」と協会を通じてコメントを出しました。

サウマキ アマナキ【ロック】

サウマキ アマナキ選手はトンガ出身の26歳。現在は、リーグワンのコベルコ神戸スティーラーズに所属しています。ポジションはロックで、タックルの強さと総合力の高さが持ち味です。去年6月に初めて日本代表候補に選ばれましたが、ケガの影響もあり、出場機会に恵まれませんでした。もともとはウイングを務めていて、ロックとしてプレーし始めたのは去年からと、新たなポジションで才能が開花した成長著しい注目の選手です。
【キャップ数:0】

初選出となるサウマキ アマナキ選手は「このチームに選ばれたことをとてもうれしく思いますし、幸運に感じています。チームのため、日本のためにベストを尽くします。ファンの皆さん、皆さんの応援が必要です。一緒に頑張りましょう」と協会を通じてコメントを出しました。

ワーナー・ディアンズ【ロック】

ワーナー・ディアンズ選手はニュージーランド出身で、チーム最年少の21歳。現在は、リーグワンの東芝ブレイブルーパス東京に所属しています。ポジションはロックで、身長2メートルを超える体から繰り出されるタックルの強さと、俊敏なフットワークが持ち味です。NECグリーンロケッツ東葛の前身にあたるチームでコーチをしていた父親の影響で14歳の時に来日すると千葉県の流通経済大柏高校で活躍し、高校卒業後に日本代表に選ばれました。去年の秋に出場したニュージーランド代表とのテストマッチでは、トライを決めるなど攻守両面でチームへの貢献が期待されます。
【キャップ数:7】

21歳でメンバー最年少となるワーナー・ディアンズ選手は「ワールドカップは夢の舞台なのでうれしい。お父さん、お母さんが喜んでくれた。友達にもこれから伝えたい」と語りました。そして「けがの不安は少しあるが、試合で自分のパフォーマンスを出せば 問題ないと思う。自分の身長を生かして空中戦で勝ちたい。チームとしては、まずはベスト8までいって、そこから1試合1試合勝って優勝する」と力強く話しました。

足首を痛めていたディアンズ選手は、日本時間27日未明に行われる大会前最後のテストマッチ、イタリア戦への出場は難しい見通しで、来月10日、ワールドカップの1次リーグ初戦、チリ戦での復帰を目指すことになります。

ヘル ウヴェ【ロック】

ヘル ウヴェ選手はトンガ出身の33歳。来日後、拓殖大でキャプテンを務めるなど活躍し、現在は、リーグワンのクボタスピアーズ船橋・東京ベイに所属しています。ポジションはロックで、みずからボールを持って前に出る突破力と世界レベルのフィジカルの強さが持ち味です。2016年に日本国籍を取得し、2019年、ワールドカップ日本大会に日本代表として出場しました。その後、代表での出場はありませんでしたが、ことし7月のテストマッチで4年ぶりに出場すると、タックルや突破力で存在感を示しました。
【キャップ数:18】

ヘル ウヴェ選手は「日本代表メンバーに選ばれたことに興奮し、とても光栄に思っています。日本代表として2度目のワールドカップに出場することは目標でもあったのでより特別に感じています。お世話になったすべての方々に感謝し、ベストを尽くします。応援よろしくお願いします。頑張ろう日本」とコメントしています。

ジャック・コーネルセン【ロック/フランカー】

ジャック・コーネルセン選手はオーストラリア出身の28歳。現在は、リーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションはロックとフランカーで、身長2メートル近い高さを生かした空中戦の強さと複数のポジションをこなせる総合力の高さが持ち味です。オーストラリア代表で活躍した父親に憧れ、11歳からラグビーを始めました。真面目な性格で、黒子役に徹するプレーを随所に見せ、チームメイトからの信頼も厚い選手です。
【キャップ数:15】

初選出のジャック・コーネルセン選手は「代表チームに選出されたことに、とても感謝しています。世界の強豪に挑戦できることを楽しみにしています。引き続き応援よろしくお願いします」と協会を通じてコメントを出しました。

ベン・ガンター【フランカー】

ベン・ガンター選手は、タイ出身の25歳。現在は、リーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションは、フォワード第3列でスクラムの両端に位置するフランカーで、タックルやボールを奪いにいくプレー「ジャッカル」を得意としています。おととし10月のオーストラリア戦で日本代表として初キャップを獲得し、去年夏の日本代表の試合でも先発出場して「ジャッカル」で注目を集めました。
【キャップ数:7】

初選出のベン・ガンター選手は「日本代表に選ばれたことは光栄であり、夢のようです。日本代表であることをとても誇りに思いますし、ラグビーワールドカップでプレーする機会があれば、自分の持っている力をすべて出し切りたいと思います。けがに悩まされたタフな1年を支えてくれた皆さんのサポートがなければこの場に立つことができませんでした。特に日本の皆さんに心から感謝します」とコメントしています。

姫野和樹(ひめの・かずき)【フランカー】

姫野和樹選手は、愛知県出身の29歳。愛知県の春日丘高校(現・中部大春日丘)から帝京大を経て現在はリーグワンのトヨタヴェルブリッツに所属しています。今大会は日本代表のキャプテンを務めます。ポジションはフォワード第3列でスクラムの両端に位置するフランカーです。フィジカルの強さを生かしたパワフルなプレーが持ち味で、2019年のワールドカップ日本大会では、ボールを奪いにいくプレー「ジャッカル」を次々と成功させて日本代表初のベスト8進出に貢献しました。おととしは世界最高峰のリーグ、スーパーラグビーのニュージーランドのチームでプレーするなど海外での経験を積み、今大会もフォワードの中心選手として活躍が期待されています。
【キャップ数:28】

キャプテンを務めることになった姫野選手は記者会見で「自分のリーダーシップが日本代表に必要だと感じたし、ヘッドコーチにもそこを期待していると言われた。持っている情熱や愛情、リーダーシップでチームを引っ張っていきたい。覚悟を持ってやっていく」と意気込みを語っていました。ワールドカップに向けては「目標は優勝だ。ワールドカップは最高の舞台で自分の夢を叶える場所だと思う。日本にはラグビーが必要だと思ってもらいたい。選出されなかった選手の思いやファンの方々の思いなど、たくさんの期待を感じながら、期待されていることを楽しんでプレーしたい」と話していました。

福井翔大(ふくい・しょうた)【フランカー】

福井翔大選手は福岡県出身の23歳。強豪の東福岡高校で頭角を現し、高校2年生でフォワードの主力としてチームの全国優勝に大きく貢献しました。卒業後は大学に進学せず、プロ契約で直接、埼玉パナソニックワイルドナイツに入りました。ポジションはフォワード第3列のフランカーで、バックス並みの走力に加えて密集での力強さが増し、ワールドカップを前にしたこの夏の強化試合ではニュージーランド代表のセカンドチームを相手にボールを奪いにいく「ジャッカル」をたびたび成功させました。ワールドカップの代表に選ばれるのは今回が初めてです。
【キャップ数:1】

初選出の福井選手は「ずっと夢見てきた舞台に立てる機会をいただけて本当に幸せです。絶対に勝ちます。少しでもチームのために貢献できるよう頑張ります。応援よろしくお願いします」というコメントを出しました。

リーチ マイケル【フランカー】

リーチ マイケル選手はニュージーランド出身の34歳。15歳のときに留学生として来日し、札幌山の手高校でラグビーに取り組み、東海大に進みました。現在は、リーグワンの東芝ブレイブルーパス東京に所属しています。ポジションは、フォワード第3列のフランカーで攻守にわたって体を張って前に出るプレーが持ち味です。前々回のイングランド大会と前回の日本大会では代表のキャプテンを務め、英語と日本語で外国出身選手が多い日本代表をまとめ日本の躍進に大きく貢献しました。ワールドカップの代表メンバー入りは4大会連続で、日本代表のキャップ数は現役最多です。
【キャップ数:79】

リーチ マイケル選手は記者会見で「不調でここまで復活すると思っていなかった。手術後、ラグビーをやめようと思っていた。ここまで頑張ってこれたのは奇跡だと思う」と話しました。そのうえで「ワールドカップで勝つのは、すごい楽しいです。強豪国に勝つのが楽しく、そのプロセスも楽しいので、経験を伝えていきたい。弱い時の日本代表と優勝を狙える日本代表の両方を経験してきた。今大会は強いことを証明していきたい」と意気込んでいました。

ピーター・ラブスカフニ【フランカー】

ピーター・ラブスカフニ選手は南アフリカ出身の34歳。クボタスピアーズ船橋・東京ベイに所属しています。ポジションはフォワード第3列のフランカーです。世界最高峰のリーグ、スーパーラグビーの南アフリカのチームで力を伸ばし、2016年から日本でプレーしています。相手をしとめる強いタックルや相手のボールを奪いにいく「ジャッカル」と呼ばれるプレーが持ち味で、密集で献身的に体を張る選手です。ワールドカップの代表に選ばれるのは前回大会に続いて2回目で、リーダーシップも高く評価されています。昨シーズンのリーグワンはけがのため思うようにプレーできず、ワールドカップでの活躍が期待されます。
【キャップ数:16】

ピーター・ラブスカフニ選手は「このグループの一員となり、日本を代表できることは名誉であり、光栄なことです。本当に興奮し、この機会に感謝しています。これからの旅が楽しみです」とコメントしています。

《BK(バックス)》

齋藤直人(さいとう・なおと)【スクラムハーフ】

齋藤直人選手は神奈川県出身の25歳。神奈川県の桐蔭学園から早稲田大に進み、大学ではキャプテンとしてチームを11大会ぶりの優勝に導きました。現在はリーグワンの東京サントリーサンゴリアスに所属しています。ポジションはフォワードとバックスをつなぐスクラムハーフで、攻撃の起点になります。豊富な運動量とスピード、正確で速いパスなどスクラムハーフとして高いスキルを持ち、勝負どころでテンポよくパスを繰り出して攻撃のリズムを作ります。「常にラグビーのことを考えている」と語る研究熱心な選手で、ワールドカップの代表に選ばれるのは今大会が初めてです。
【キャップ数:14】

初選出の齋藤選手は「幼いころからの憧れの舞台でプレーできることが非常に楽しみです。これまで支えて下さった方々への感謝の気持ちを忘れず、全力で頑張ります」と協会を通じてコメントを出しました。

流大(ながれ・ゆたか)【スクラムハーフ】

流大選手は福岡県出身の30歳。熊本の荒尾高校(現・岱志)から帝京大を経て現在はリーグワンの東京サントリーサンゴリアスに所属しています。今大会は日本代表の副キャプテンを務めます。ポジションは、フォワードとバックスをつなぎ、攻撃の起点となるスクラムハーフです。素早いパスさばきなどのスキルに加え、経験に裏打ちされた的確な判断力で試合の流れを読むのにたけています。日本代表のキャップ数は30を超え、2019年のワールドカップ日本大会では5試合すべてに先発出場し、日本代表初のベスト8進出に大きく貢献しました。日本代表の首脳陣からも、そのリーダーシップを高く評価されています。
【キャップ数:33】

副キャプテンを務めることになった流選手は「キャプテンの姫野が引っ張っていくと思うので、それを自分がサポートしていきたい。姫野は責任感がめちゃくちゃ強いと思うので、お互い自分らしくリーダーシップを発揮していきたい」と話していました。そのうえで「今大会で日本代表でプレーするのは最後だと決めている。国民を代表する気持ちでフランスに行くし、恐れる気持ちはない。日本のラグビー、日本は強いというのをみせていきたい」と意気込んでいました。

福田健太(ふくだ・けんた)【スクラムハーフ】

福田健太選手は、埼玉県出身の26歳。茨城県の茗渓学園から明治大に進み、大学4年時はキャプテンとしてチームを22大会ぶりの大学日本一に導きました。現在はリーグワンのトヨタヴェルブリッツに所属しています。ポジションはフォワードとバックスのつなぎ役となるスクラムハーフで、高いパススキルと強気なプレーでチームをけん引します。昨シーズンのリーグワンではスクラムハーフながら4トライをあげ、トライを取る嗅覚の面でも存在感を示しました。ワールドカップの代表に選ばれるのは今回が初めてです。
【キャップ数:0】

初選出の福田選手は「これまで私を支えて下さった方々への感謝の気持ちを忘れず、試合に出場し結果を残すことで、恩返ししたいと思っています。日本を代表することを誇りに思い、ラグビーワールドカップでの挑戦を楽しみにしています」とコメントしています。

小倉順平(おぐら・じゅんぺい)【スタンドオフ/フルバック】

小倉順平選手は、東京都出身の31歳。神奈川県の桐蔭学園から早稲田大に進み、現在はリーグワンの横浜キヤノンイーグルスに所属しています。ポジションは、バックスのフルバックとスタンドオフを兼ねていて、体は大きくないものの視野が広く、パス、キック、ランとバランスよく高いスキルを持ち合わせています。プレーの流れの中で狙う正確なドロップゴールも魅力のひとつです。2017年、韓国とのテストマッチで先発出場して初キャップを獲得しました。ワールドカップの代表メンバーに選ばれるのは今回が初めてです。
【キャップ数:4】

初選出の小倉選手は「メンバーに選ばれたことを大変光栄に思います。これまで私に関わってくださったすべての方々に感謝しています。ラグビーワールドカップでは、自分のできることを全うし、全力を尽くしたいと思います。応援よろしくお願いします」というコメントを出しました。

李承信(り・すんしん)【スタンドオフ】

李承信選手は兵庫県出身の22歳。大阪朝鮮高級学校の出身で、現在はコベルコ神戸スティーラーズに所属しています。ポジションは司令塔のスタンドオフで、正確なキックや鋭いランが持ち味です。去年6月のテストマッチで代表デビューを果たし、その後も安定したプレーを続けて代表入りにつなげました。ワールドカップ出場は小学6年生の時に亡くなった母の夢でもあり、その思いを背負って臨みます。
【キャップ数:9】

初選出の李選手は「日本代表メンバーに選出されたことを大変光栄に思います。日本代表をさらなる高みへもっていけるよう、尽力していきたいと思います」と協会を通じてコメントを出しました。

松田力也(まつだ・りきや)【スタンドオフ】

松田力也選手は京都府出身の29歳。京都の伏見工業から(現・京都工学院)帝京大を経て、現在は、埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションは司令塔のスタンドオフで、キックやパスなど安定したプレーで試合をコントロールします。リーグワンではキック成功率トップの85.5%をマークするなど、正確な右足のキックも持ち味です。ワールドカップの前年となる去年は、左ひざ前十字じん帯断裂の大けがを負いましたが、必死のリハビリで復帰を果たし、2大会連続となる代表入りを果たしました。
【キャップ数:32】

松田選手は「メンバーに選ばれたことを大変うれしく思います。日本代表として、ワンプレーワンプレー全力で、チームとして最高の結果を勝ち取れるように、自分のすべてを出しきりたいと思います。応援よろしくお願いします」というコメントを出しました。

長田智希(おさだ・ともき)【センター】

長田智希選手は、京都府出身の23歳。大阪の東海大仰星(現・東海大大阪仰星)から早稲田大に進み、現在は、リーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションはバックスの攻守の要となるセンターで、思い切りの良さとスピードを生かした縦の突破が持ち味です。昨シーズン、リーグワンで9トライを挙げるなど活躍し、新人賞を獲得しました。7月に行われたサモア代表とのテストマッチで日本代表として初キャップを獲得し、続くトンガ代表とのテストマッチではセンターで初めて先発出場。80分間フル出場して攻守にわたって堅実なプレーを見せました。ワールドカップの代表に選ばれるのは初めてで、日本代表期待の新戦力です。
【キャップ数:3】

初選出の長田選手は「メンバーに選出していただき、日本代表として戦えることを大変うれしく、光栄に思います。本大会に向けて、個人としてもチームとしても良い準備をして試合に臨みたいと思います。ファンの皆さんを含めて、全員が目指す最高の結果を得られるよう全力を尽くします」と協会を通じてコメントを出しました。

中野将伍(なかの・しょうご)【センター】

中野将伍選手は、福岡県出身の26歳。福岡県の東筑高校から早稲田大に進み、現在は、リーグワンの東京サントリーサンゴリアスに所属しています。ポジションは、バックスの要となるセンターで、身長1メートル86センチ、体重98キロの体格を生かした突破力が強みです。タックルされながらボールをつなぐオフロードパスも得意としていて、攻守にわたって献身的なプレーをします。おととしのポルトガルとのテストマッチで日本代表として初キャップを獲得し、ワールドカップの代表メンバーに選ばれるのは今回が初めてです。
【キャップ数:7】

初選出の中野将伍選手は「日本代表メンバーに選出されたことを大変光栄に思います。日本代表としての誇りを持って全力でプレーします。応援よろしくお願いします」とコメントしています。

中村亮土(なかむら・りょうと)【センター】

中村亮土選手は鹿児島県出身の32歳。鹿児島実業から帝京大に進み、チームが大学選手権で5連覇した時にはキャプテンを務めていました。現在は東京サントリーサンゴリアスに所属しています。ポジションはバックスの攻守の要となるセンターで、ディフェンスでの鋭いタックルが持ち味です。また、パスやキックなど高いスキルも兼ね備えています。初出場となった前回のワールドカップでは自分より体の大きな選手を相手に次々とタックルを決め、日本初のベスト8進出に大きく貢献しました。今大会は、世界の強豪と渡り合うためリーグワンのシーズン中からフィジカル強化を図ってきました。
【キャップ数:34】

中村選手は「日本代表メンバーに選出していただき、この上ない喜びです。それと同時に日本代表としての責任を感じております。大舞台を楽しみながら、これまで以上の結果を残せるようにチームの絆を持って闘います」というコメントを出しました。

ディラン・ライリー【センター】

ディラン・ライリー選手は南アフリカ出身の26歳。現在は、リーグワンの埼玉パナソニックワイルドナイツに所属しています。ポジションはバックスの攻守の要、センターで、突破力とスピードにたけ、ウイングとしてプレーした経験もあります。おととしの秋にオーストラリア戦で初キャップを獲得すると、その後、日本代表の主力選手として定着しました。ワールドカップでもチームをけん引する活躍が期待されます。
【キャップ数:13】

初選出のディラン・ライリー選手は「これまで私に多くのものを与えてくれた国、日本を代表する機会を与えられたことに、とても感謝しています。これからも努力を惜しまず、世界一に挑戦していきます。引き続き応援よろしくお願いします」と協会を通じてコメントを出しました。

ジョネ・ナイカブラ【ウイング】

ジョネ・ナイカブラ選手はフィジー出身の29歳。現在は、リーグワンの東芝ブレイブルーパス東京に所属しています。ポジションはバックスのトライゲッターのウイングで、スピードを生かした得点能力の高さが持ち味です。7人制ラグビーの日本代表としてプレーした経験があり、日本代表では、ことし7月のサモア代表との試合で初キャップを獲得すると、続くトンガ戦で先制トライを決めるなど頭角を表しています。
【キャップ数:3】

初選出のジョネ・ナイカブラ選手は「日本代表の一員として、このような機会を与えられたことをとても光栄に思い、感謝しています。これからも毎試合ベストを尽くします。家族やサポーターの皆さん、これからも応援よろしくお願いします」というコメントを出しました。

シオサイア・フィフィタ【ウイング】

シオサイア・フィフィタ選手はトンガ出身の24歳です。ポジションはバックスのトライゲッター、ウイングで、圧倒的なスピードと突破力が持ち味です。天理大では1年から試合に出場すると、4年の時には、初めての日本一に導きました。おととしの春に日本代表に選ばれ、6月の「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」戦で初キャップを獲得すると日本代表に定着しました。けがの影響でことしの日本代表の強化試合やテストマッチでは出場機会がありませんが、持ち前のスピードを生かした活躍が期待されています。
【キャップ数:12】

初選出のシオサイア・フィフィタ選手は「日本代表に選んでいただき、とてもうれしく、光栄です。チーム関係者・家族など、日頃から応援してくださるすべてのファンの方々に感謝しています。試合までの1日1日を大切にして、ベストを尽くし、チームの勝利に貢献し、勝つための準備をします。熱いご声援お願いします」と協会を通じてコメントを出しました。

セミシ・マシレワ【ウイング】

セミシ・マシレワ選手はフィジー出身の31歳。現在は、リーグワンの花園近鉄ライナーズに所属しています。ポジションはバックスのトライゲッターのウイングで、スピードとキックを含めた得点能力の高さが持ち味です。日本代表では、おととしのアイルランド戦で初キャップを獲得すると、ことしのテストマッチや強化試合ではトライを挙げる活躍を見せ、トライゲッターとしての存在感を示しました。
【キャップ数:4】

初選出のセミシ・マシレワ選手は「本当に光栄に思います。大きな挑戦が待っていますが、最後まで応援よろしくお願いします。ベストを尽くして頑張ります」とコメントしています。

レメキ ロマノ ラヴァ【ウイング】

レメキ ロマノ ラヴァ選手は、ニュージーランド出身の34歳。現在は、リーグワンのNECグリーンロケッツ東葛に所属しています。ポジションは、バックスのトライゲッター、ウイングで、スピードに加え、鋭いステップや力強さを兼ね備えています。2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、7人制の日本代表に選ばれ、強豪、ニュージーランドから勝利するなどベスト4進出の原動力になりました。その後は15人制の代表に専念し、2019年のワールドカップ日本大会ではサモア戦で最優秀選手に選ばれるなど、日本の躍進に貢献しました。
【キャップ数:16】

レメキ ロマノ ラヴァ選手は「日本代表としてワールドカップに出場できることを光栄に思いますし、感謝しています。家族と日本が誇りに思えるようベストを尽くします」と協会を通じてコメントを出しました。

松島幸太朗(まつしま・こうたろう)【フルバック/ウイング】

松島幸太朗選手は南アフリカ出身の30歳。父親はジンバブエ人、母親は日本人で幼い頃から日本で育ちました。高校時代には神奈川県の桐蔭学園で全国優勝を果たし、現在は、東京サントリーサンゴリアスに所属しています。フルバックとウイングの両方を務めることができ、相手を抜き去るスピードとステップワークが持ち味です。ワールドカップにはこれまで2大会連続で出場していて、前回はチーム最多となる5つのトライを奪い、日本初のベスト8進出に大きく貢献しました。2020年から2シーズンは、フランスのプロリーグでレベルアップを図り、今大会もバックスの中心選手として活躍が期待されています。
【キャップ数:50】

松島幸太朗選手は「選出していただき、とてもうれしく思うと同時に責任も出てくるので、緊張感と皆さんの応援を力に変えて力を最大限発揮してきたい」というコメントを出しました。

監督

ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチ

ジェイミー・ジョセフヘッドコーチは、ニュージーランド出身の53歳。「オールブラックス」の愛称で知られるニュージーランド代表のフォワードとして20試合に出場し、1995年のワールドカップでは、チームの準優勝に貢献しました。その後、日本の社会人チーム、サニックスでプレーし、1999年のワールドカップでは日本代表として出場しました。そして、指導者に転じ、世界最高峰のリーグ、スーパーラグビーでニュージーランドのチームを優勝に導いた手腕などが評価され、2016年に日本代表のヘッドコーチに就任しました。2019年のワールドカップ日本大会では「ONE TEAM」のスローガンのもと、日本代表を史上初のベスト8に導きました。そして、今大会に向けて選手の主体性を重視した「Our Team」をスローガンに掲げ、前回大会を上回るベスト4以上を目指してチーム作りを進めてきました。今回のワールドカップを区切りに日本代表のヘッドコーチを退任し、来年から世界最高峰のリーグ、スーパーラグビーに参加するニュージーランドのチームの強化担当に就任する予定です。
【現役時代キャップ数】
▽ニュージーランド代表:20
▽日本代表:9