ラグビー日本代表 ジョセフHC 選考のポイントは【一問一答】

来月8日に開幕するラグビーワールドカップフランス大会に臨む日本代表のメンバーを発表したジェイミー・ジョセフヘッドコーチ。15日の会見での主な一問一答です。

会見では選考基準や、前回大会でベスト8進出の立役者の1人・フルバックの山中亮平 選手がメンバーから外れた理由のほか、残り3人の代表メンバー選考などについて、説明しました。

“1試合ずつしっかり戦い ベスト8に”

Q.ここまでの5試合(強化試合・テストマッチ)で、成績が残せなかったが、どのような準備ができたか?

A.まず準備できた部分としては、高いレベルの中で、自分たちのインテンシティ(強度)やスピードを試すことができたこと。All Blacks XVとの試合は8人ぐらい元オールブラックスの選手がいたと思いますが、そういったチームと戦えたことは自分たちとしてもいい経験になったと思う。準備ができていない部分はもちろんありましたけど、インテンシティの高いところのレベル、スピードのあるラグビーをできた。

試合の中ですべて悪かったというわけではなくて、部分部分で、しっかりと自分たちのできた部分もありましたし、その中でも一貫性を持ってできた部分はあったと思っています。この5試合の中では、けがもありました。こういうことはワールドカップでもあると思います。病気をする選手もいるかもしれませんし、レッドカードやイエローカードも起こりうる可能性があることです。この5試合ででできた経験というのは、自分たちの今後の準備のところではよい経験だったと思っています。

Q.ジョセフHCにとっては日本代表として最後のワールドカップ。目標は?

A.ゴールはどのチームもそうだと思いますけど、しっかり試合に勝って、優勝することだと思っています。前回ベスト8までいきましたし、みんなのゴールは同じだと思っています。ワールドカップではいろんな状況が起こりうると思っていますので、まずは1試合ずつしっかり戦って、ベスト8にいきたいと思っています。

Q.どんなジャパンラグビーを見せたいか?

A.自分じゃなくてもどのコーチがいても、ジャパンラグビーにはしっかりとアイデンティティーがあると思っています。それは素早いラグビー、ボールをしっかりと動かしていく、アタッキングマインドセットを持っているということ。自分としてはそれがジャパンラグビーだと思っています。

これからは対戦する相手が毎週違います。(テストマッチの)イタリア、(1次リーグの)チリ、イングランド、サモアと、相手によっては自分たちの戦い方をある程度、調整していかなければいけない部分もあると思うが、ジャパンラグビーというのは世界の中でもユニークで、それをしっかりやっていくことが重要だと思っています。

Q.キャプテンは決まっているか?

A.姫野がキャプテンで副キャプテンが流になります。

Q.キャプテンの姫野選手に期待することは?

A.彼にはしっかりチームをリードしてもらいたいと思います。彼には自分がすべてをしなきゃいけないという強い気持ち、パッションがすごくあるんですけど、時には他の選手のことも信頼して頼ってもらいたいなと思っています。

選考基準は“いくつかのポジションをカバーできること”

Q.今回のメンバーのグループとしての特徴は。こだわった選考基準は?

A.チームの強みとしてはスピード、スキル、フィットネスをしっかりと使っていくことがジャパンラグビーの一番の強みだと思っています。セレクションの基準は、1つのポジションより、いくつかのポジションをカバーできることが重要だと考えました。

Q.バックスは15人いるが確定か。山中選手が漏れたのは複数ポジションの点か?

メンバー外となった山中亮平 選手

A.そうですね、山中は本当に素晴らしい選手ですし、素晴らしいラグビーをしてくれる選手だと思っています。スペシャリストの15番として、実際のところ、神戸で彼が10番のポジションをカバーするところを見たかったのですが、10番としてプレーしていない現状がありました。

自分としてはフルバックとしてのスペシャリストの1番は、松島を考えています。もし松島にけががあった場合はレメキだったりマシレワがカバーできると思っています。もちろん山中は素晴らしい選手でクオリティーの高い選手ですけど、そういったところで今回、彼が外れることになっています。

Q.山中選手に対してはキャンプ前の段階で、10番と15番の兼務をさせたいというメッセージは出していた。トレーニングで不十分だったのか?

A.選手には競争をしてもらわないといけない。ベストのチームを作らないといけない中で、本当に彼(山中選手)に関しては、自分としても残念ですし、すごくアンラッキーな部分があったと思っています。

ワールドカップで自分たちは強いチームと戦っていかないといけない。イングランド、アルゼンチン、チリとかそういうチームと戦っていかないといけない中で、彼が十分な準備ができなかったことが最終的に彼がここに選ばれていない部分だと思っています。

残り3人“しっかり判断してベストなチームを作る”

Q.残り3人はロックやフォワード第3列で検討していると思うが、理想的なセレクションができなかったら残り3人はどうするのか?

A.そこはまた考えたい。最終的な判断としては(候補の中から)誰かを外すことになると思っています。普通のヨーロッパツアーでは、一緒に連れて行くことができるんですけど、ワールドカップのルールではそういうことがなかなか難しいので、誰を連れて行くか決めるのは自分の仕事だと思っています。そこはしっかり判断してベストなチームを作ることを考えて連れて行きたいと思っています。

ロックについては、アマト(・ファカタヴァ)は本当に素晴らしいクオリティーの高い選手だと思います。ここからは時間がないので、できる限りけがをしっかりと治してもらいたい。ワーナー(・ディアンズ)については、未来、将来性、可能性がたくさんある選手だと思っています。ことしはケガでパフォーマンスがなかなか上がってこなかったり、試合に出られない部分は多少ありましたけど、本当に日本の未来の選手だと思っています。2メートルという身長で、日本語も堪能にしゃべることができる、日本のことを理解している選手で、21歳ということで本当に可能性のある選手と思っています。

ほかにもラピース(=ピーター・ラブスカフニ)とか、経験のある選手もたくさんいますので、そういうところも考えながら決めていきたいと思っています。