客が料金を決める水族館も?自在な料金設定で集客アップへ

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入場料やサービスの利用料などで、決まった価格を定めない動きが広がっていますなぜ?

平日限定 “入館料を決めるのは客“

静岡市のデパートの中にある水族館は5月、入館料の仕組みを大きく見直しました。平日限定で、客が自由に金額を決めることができます支払いは入館する時ではなく、出口で「あと払い」します

こちらのグループは…
500円を支払った

あるグループは、通常の入館料は大人1400円のところを500円を支払いました。

客の一人は「買い物の途中で子どもが飽きて『遊びに行きたい』と言った時に(水族館を)ちょっと見る」という場合を挙げて、次のように話しました。

来館者約5倍、売り上げ約2.5倍に 新たなサービスも

この水族館は2年前にオープン。デパートの中という立地もあり、平日の客数が伸び悩んでいました。客を呼び込むきっかけをつくりたいと「あと決め価格」を始めました

ことし2月~3月に行ったテストでは、客による「あと決め価格」は500円以下が6割を超えていました。(定価 大人1400円 小学生800円 幼児3歳以上500円)

水族館によると、来館者数は前の年に比べて5倍近く増え、売り上げは約2.5倍になったということです

「あと決め価格」を導入したことで客のニーズを考えるきっかけになり、エサやりといった新たなサービスを始めました。現在は客一人当たりが支払う金額も増えているそうです。

エサやりを体験する客

水族館 真野光晃 館長
われわれも展示をよくして、また次のお客さんが来ていただけるように、そういった循環ができていければいちばんいい

時間帯や曜日、天気で料金が変動するコインランドリー

AIが店ごとの稼働率を予測して、需要が少ない日や時間帯の料金を安くしているコインランドリーチェーンもあります。

例えば7月7日の日曜日は、午前0時~午前5時台の料金が1100円ですが…

平日になる翌日7月8日月曜日は、客が減ることを見越して、同じ時間帯の料金が900円に設定されています。

AIの予測には天気予報の情報も加えられています。取材した時は、7月9日以降曇りが続く予報で、客がそれほど来店しないのではないかという予想になっていました。

客の一人は次のように話しました。

料金情報はアプリで1週間先まで公開されています。

稼働率 前年同月比7.6%上昇

このチェーンでは、稼働率が前の年の同じ月に比べて7.6%上昇して売り上げも伸びているということです

コインランドリー運営会社 大田紀子さん
お客様に『安い時間に使おうかな』と思っていただく。そのことで混雑している時間帯に来たお客様に快適に利用してもらえる。もっとよく使ってもらえるのではないか

利用が少ない時間帯の料金を安くすれば混雑も緩和できて、利用者にとってもメリットがありそうです。

価格の設定は経営の中で最も重要なものだと言えます。適切な価格の見直しが生産性を高めることにもつながっているようです。
【2024年7月16日放送】