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蚊に刺されることで感染するマラリア。マラリアで亡くなる人はアフリカを中心に年間約60万人に上り、経済成長の妨げにもなっています。
アフリカでは今、日本の研究機関やスタートアップ企業が、根絶を目指して取り組んでいます。
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治療が遅れるケースも
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西アフリカのガーナ。首都・アクラのある家を訪ねました。7歳の男の子が3週間ほど前にマラリアと診断されたといいます。すぐに薬を飲むことができて熱も下がりましたが、この地区では、治療が遅れ亡くなる子どもも多いといいます。
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この男の子の父親は次のように話しました。
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蚊に刺されることで感染するマラリアは、死者がガーナだけでも子どもを中心に1万人を超えると推定されています。
日本の大学チーム 現地で研究
いまマラリアの対策に日本の研究機関が乗り出しています。現地の施設では、愛媛大学など日本の大学のチームが、感染の拡大を未然に防ぐ方法を研究しています。
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マラリアは主に自覚症状のない感染者から広がるため、そうした人を見分ける有効な検査キットが必要とされています。
この研究チームでは、無症状の患者の血液に含まれる特有の抗体を発見し、検査方法を確立しようとしています。症状のない人も治療に結びつけることで感染の拡大を抑えようというねらいです。
研究チーム 東京医科歯科大学 長岡ひかるさん
「今までのやり方と違う手法でマラリア対策を進めるのはすごくいいことだと思う」
無人機活用し蚊の発生抑える 日本のスタートアップ
先端技術をマラリア対策に生かす日本のスタートアップ企業もあります。創業者の金子洋介さん(38)は、これまでJAXAなどで培ってきた無人機の知識や技術を活用して、マラリアを媒介する蚊の発生を抑えようとしています。
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従来は、作業員が蚊の発生源となりそうな水場を歩いて探しだし、殺虫剤をまいていました。しかし時間もコストもかかるという課題がありました。
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これに対し、この会社の方法は、まず無人機を使って上空から住宅地にある溝や水たまりを撮影します。
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その画像をもとに、AIが蚊の幼虫が発生するリスクがある場所を識別していきます。
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取材した日は、AIがリスクが高いと示した場所に行きました。
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あらかじめ場所を特定することで駆除の効率は大きく高まると考えています。
スタートアップ企業 金子洋介CEO
「AIの精度はもう十分に出ていて、(殺虫剤を)散布すれば、もう(蚊が)減るのはほぼ間違いないと思っているので、しっかりとコミットしたいと思う」
この企業の取り組みはJICA=国際協力機構の支援も受けていて、ガーナだけでなくシエラレオネなど周辺国でも実施されています。
かつて感染症対策で世界に貢献した野口英世のように、日本発の研究や技術でマラリア根絶が実現できるよう、アフリカ諸国も期待しているということです。
(ヨハネスブルク支局長 小林 雄)
【2024年6月6日放送】