伊達政宗の仙台藩ゆかりの仙台箪笥 香港市場を開拓した戦略とは

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伊達政宗の仙台藩ゆかりの「仙台箪笥(たんす)」は、江戸時代から作られ始め、地域の伝統工芸品として親しまれてきました。売り上げが年々減る中、新たな市場を求めて香港に進出しました。その戦略とは?

※過去の放送のセレクションをお届けします。

香港店オープンから半年 富裕層に人気の仙台箪笥

アジア有数の大都市・香港の中心街に2021年12月にオープンした店舗。半年間の売り上げは2000万円以上で、数百万円する仙台箪笥も富裕層に売れているといいます。

店員は「日本の家具など、とてもはやっている。私たちの商品にも関心が高い」と話します。

この店を出したのは仙台市の老舗たんす店です。売り上げがピーク時の3分の1ほどに減少する中、東日本大震災で被災しました。7代目の門間一泰さんは廃業も考えましたが踏みとどまりました。

門間一泰さん
「自分がやったうえで(店を)たたんだほうがいい。やらないで後悔するより(海外進出を)やって後悔したほうがいい」

なぜ香港で仙台箪笥が人気になったのか。たんすに使われる金具に理由がありました。金具の模様は、唐獅子や龍、ぼたんなど縁起のいいものばかり。香港には縁起を担ぐ風水の文化があり、受け入れられやすかったと見ています。

たんすに使われる金具は100以上。武士道のイメージも魅力になっているといいます。

さらに美しさと実用性を兼ね備えていることも人気の理由です。うるし塗り独特の光沢と強度があり、100年以上使えるといいます。

モデルルームスタイルで日本の伝統を発信

ただ、香港への進出当初はなかなか売れなかったといいます。

門間さんが試行錯誤の末に取り入れたのが、モデルルームスタイルでの販売です。日本の工芸品を扱う職人に声をかけて、漆器や着物の生地を使った敷物などとあわせて展示しました。日本の伝統を実感してもらうことで販売が伸びていったといいます。

店員
「1つの商品を買って家で飾ってみて、合うと思ったらさらにほかの商品を購入して、どんどん家の家具を日本の家具に買い替えていく」

店は今後、香港に展示する品ぞろえを強化するために、職人やデザイナーとの連携をより深めようとしています。

デザイナー 高嶋真千子さん
「夢のようなお話をいただいたと思っている」

門間さん
「日本の職人の仕事は、私は世界遺産みたいなものだと思っている。次世代を担う若手や技能を世界に発信できたらそれ以上におもしろいことはない」

家具には一つ買うとトータルコーディネートしたくなるというニーズもあるかもしれません。香港の店舗では福島の会津や石川の漆器も人気だということで、今後はシンガポールやタイにも進出を検討しているということです。日本の伝統工芸の可能性に期待したいと思います。
(仙台局 キャスター 岩間瞳)
【2022年8月16日放送、初回放送6月28日】