ひと坪コンビニに商機あり オフィスの片隅に進出

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コンビニ業界は競争が激しく、通りのあちこちに店がひしめく光景は珍しくありません。そうしたなか広島市に本社を置くコンビニチェーンが、これまでの常識を覆す出店戦略で新たな成長を目指しています。

空きスペースに出店 大手と差別化図る

広島市内のオフィスの一角。わずかなスペースに食べ物や飲み物が並んでいて、店員など人はいません。コンビニチェーン「ポプラ」が自社のオフィスの一角につくった実験店舗です。

商品の種類は少ないものの、ちょっとした生活用品や文房具、売れ筋の菓子などをいつでも購入できます。

店舗は無人で、利用者はセルフレジを使って電子マネーなどで決済します。

このコンビニチェーンは、大手との競争が激しい道路に面した店舗よりも、オフィスの中の空きスペースへの出店に可能性を感じているといいます。

営業本部長 山下鉄之さん
「(大手と)同じ戦略では正直厳しい戦いになる。どうにか大手に勝って、お客様のより近くに店をつくれないか、いつも考えている」

出店費用は50分の1

この店舗はオフィス側に導入費用はかかりません。ひと坪以上の空きスペースがあり日々の電気代を負担すれば、社内に小さなコンビニができるというのがポイントです。

コンビニチェーン側にとっては、出店費用がこれまでの50分の1程度に抑えられるといいます。賞味期限が短い弁当やサンドイッチなどの食品は置かず、配送は週1回。それによって人件費と物流コストを抑えます。

営業本部長 山下さん

「無人ということで人件費もかからずに運営できる。3か所スマートセルフ(無人)の店をつくれば、通常の1店舗と同じような本部の収益が上がるような仕組みになっている」

オフィス街のニーズ 足で稼ぐ

“ひと坪コンビニ”はすでに広島市内の4つのオフィスで導入されています。取材した日は、コンビニチェーンが新たな進出先を議論していました。

目を付けたのはJR広島駅南側の一帯です。オフィスビルが集中していて夜間や休日の利用客が見込めず、大手の店舗が少ない地域だといいます。

会議では、担当者がこのエリアについて「今回われわれのスマートセルフのコンビニがぴったり合うんじゃないかなということで調べてきた。(広島)駅前の不便なところをエリアとしてしっかり回っていこうと思う」と報告していました。

早速、営業担当者がこのオフィス街を訪問。複数の企業から具体的な商品の要望も出て手応えを感じているといいます。

営業担当者
「アイスクリームとかヨーグルトを女性の方がぜひ置いてほしいということで、刻一刻と変化するニーズがあるので、そういったものを自分の足で稼ぎながら進めてきたい」

営業本部長 山下さん
「こんなところにも店ができるということを示していきたい」

このコンビニチェーンは、ひと坪コンビニを2年で120店舗まで増やすことを目指しています。競争が激しいコンビニ業界で、大手との差別化を図り生き残る戦略が軌道に乗るか、注目です。
(広島局 記者 松井晋太郎)
【2022年5月17日放送】