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さまざまな分野に押し寄せる物価高騰の波。消費者に身近なスーパーマーケットは、どう乗りきろうとしているのか。現場の奮闘を追いました。
6割近くの商品が値上げに コスト見直し徹底
栃木県を中心に21店舗を展開するスーパーマーケット「かましん」。かつてない値上げの波に見舞われています。
値上げ対象となるのは生鮮食品から加工品、日用品まで取り扱い商品の6割近くに及び、多くは5~10%の値上げを余儀なくされています。従業員の1人は「異常だと思う」と話します。
従業員 吉田拓矢さん
「去年1年分の値上げが2か月ぐらいで同じ数来てしまっている状況。(商品数で)10倍近くの値上げになると思われる」
値上げを最小限にとどめられないか、現場では早速、見直しが行われました。
生鮮食品などを入れるトレーはこれまでのものよりも薄くします。強度は劣るものの1円程度安くなります。
商品の品質に関わらない部分でのコストを見直すことで、値上げの幅を少しでも抑える考えです。
従業員 布瀬茂樹さん
「安かろう悪かろうではお客様にそっぽを向かれてしまう。最低限の品質を保ったままやっていきたい」
299円弁当 どう価格を維持するか?
首都圏を中心に134店舗を展開する大手スーパー「オーケー」では今、看板商品の価格が危ぶまれています。売れ筋の299円の弁当です。
例えば、から揚げが4個入った弁当。価格を保ったまま、から揚げの品質を守るにはどうすればいいか、スーパーでは食品メーカーや卸業者らと対応策を話し合いました。
話し合いでは、弁当に入っているパスタ(30グラムで約10円)を抜く案が検討されました。これで「から揚げ1個分」に相当しますが、価格を保つためには「あと0.5個分くらい減らさないとだめ」との指摘が。1円単位のコストカットは限界に近づいています。
話し合いの結果、から揚げ弁当は小麦が原料のパスタをなくし、副菜も変更。メインのから揚げは4個のままを維持することになりました。
こうして299円の価格をなんとか維持することができました。
オーケー 二宮涼太郎社長
「お客様の日常生活はこれからもずっと続くので、今まで以上にいろんな商品の見直し、知恵を絞りながらスピードアップして対応していく必要がある」
本当ならこうした労力は新たな商品の開発など付加価値を生む作業に注力したいところですが、まずは目の前のコスト上昇に対応しなければならないということのようです。
【2022年4月7日放送】