流行が目まぐるしく変わるアパレル業界は、大量生産・大量廃棄が大きな課題となってきました。長く着続けられるファッションを確立できないか、さまざまな取り組みが始まっています。
捨てられる服を再生して販売 アパレル大手が新業態
アパレル大手が2月、茨城県茨城町にオープンさせた店舗。店内の一角では売れ残った衣服を染め直して販売していて、シャツやデニム、ジャケットなど30点ほどが並んでいます。
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例えば倉庫で眠っていたシャツは黒く染め直されて新たな商品に。本来なら廃棄されていた商品が生まれ変わりました。
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買い物客の一人は「すごくいいと思う。もったいないじゃないですか、服捨てるのも処分するのも」と話しました。
店の運営会社「アドアーリンク」 高橋朗 サーキュラー事業部長
「今まで捨てられていたり燃やされていたものを、もう一度何かの形で提供できないかと考えて、より格好よくなる、楽しくなる商品を目指していきたい」
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「NFT」活用 脱・大量生産のビジネスモデルづくり
最新技術を活用して、デザイナーに長く着続けられる服作りをしてもらおうという試みも始まっています。
経済産業省が3月に東京都内で行った展示会。展示された200万円のジャケットには「NFT」というデジタル証明書がついています。ジャケットはデザイナーが3か月ほどかけて製作し、金やプラチナを織り込んだ刺しゅうは手縫いで仕上げました。
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NFTには取り引きの記録が残ります。所有者が変わっても情報の上書きは困難で、本物であることの証明ができます。
デザイナーの情報も記録され、転売されるたびに毎回、収益の一部がデザイナーに還元される仕組みをつくることができます。この新たな仕組みで、長く着続けてもらえる服を作るモチベーションにつなげようとしています。
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デザイナー 小泉智貴さん
「経済的に保護されることによってデザインとして冒険できることが増える。すごくおもしろいデザインとかデザイナーが増えていくきっかけになるんじゃないか」
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展示会を主催した経済産業省は今後、このNFTを活用した仕組みをより手の届きやすい商品に広げていければ、大量生産に頼らない新たなビジネスモデルづくりにつながると考えています。
経済産業省商務・サービスグループ 畠山陽二郎審議官
「ビジネスのやり方も変えないと変わっていかない。大量生産モデルよりも(収益が)入ってくる形になれば世の中大きく変わると思っていて、日本の新たな成長の種になるとすごくいいなと期待している」
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(経済部 記者 野中夕加)
【2022年3月23日放送】