プログラミング教材 “身近さ”がカギ

小学校や中学校でプログラミング教育が行われるようになっています。ただ「何を教えたらいいのか」と戸惑う教師も少なくないそうです。そこで企業が身近なプログラミング教材を開発、ビジネスにもつなげようという動きが広がっています。

五感を刺激 親しみやすく

人気のプログラミング教材となっている“図形を描くロボット”。開発したのは掃除機ロボットのメーカー「アイロボットジャパン」です。

この教材は、タブレットでロボットに指示を出すことでプログラミングの基本を学びます。

例えば「正方形を描く」課題では、タブレット上でまず「直進」を選択。次に「90度回転」を選択します。この命令を4回打ち込むと正方形が描けます。

小学校3年生の授業では、ロボットで音と光を出すプログラミングも行われました。五感を刺激する体験を通して、より親しみやすく学べるといいます。

授業が行われた淑徳小学校の新井麻規子教諭は「直感的に操作ができて子どもたちが体感できる。生き生きと取り組んでいる」と話しました。

この教材は、ロボットを動かすソフトは無料でロボットは有料。37都道府県の学校で導入されています。

掃除機ロボットメーカー 新規事業開発室 山田毅室長

「必要ならばロボットを買っていただく。中長期的にこういったビジネスを展開していきたい」

キャラクター操作でプログラミングを身近に

ゲーム会社もプログラミング教材の開発に乗り出しています。「SEGA」は「ぷよ」と呼ばれるキャラクターを消していくゲームを教材にしました。

例えば、まっすぐにしか動かないキャラクターを左右に動かす課題。画面にはゲームを動かすための命令が表示され、その空欄部分に命令を打ち込んでキャラクターを動かします。しかし1文字でも間違うと、ゲームが動かなくなってしまいます。

この教材は全国で10万人以上が利用していて、「プログラミングがより身近になった」という感想が寄せられているということです。

教材を使っている多摩中学校  川上晃男教諭

「(命令を)入れて実行すればすぐ動く。やりがいがとてもあるんじゃないか。夢中になって取り組んでいた」

ゲーム会社 細山田水紀プロデューサー

「知ってもらうことでゲームがたくさん売れたり、親しみを持ってもらうのはありがたい」

おもちゃ・電機メーカーも提供 IT人材育成にも期待

ほかにも、おもちゃメーカーや電機メーカーなどがプログラミング教材を提供しています。

販売につなげたいというビジネス上のねらいはもちろんありますが、子どもたちに会社や製品に興味を持ってもらい、将来の業界を担うIT人材を増やしたいという思いもあるようです。

(経済番組 ディレクター 松村亮)

【2022年2月2日放送】