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中国とロシア 南シナ海周辺で合同軍事演習 米などけん制か

中国とロシアの海軍が、南シナ海に面した中国南部の海域で15日から合同軍事演習を開始し、ともに対立するアメリカや、中国が南シナ海で領有権を争うフィリピンをけん制するねらいもあるとみられます。

中国国防省によりますと、中国とロシアの海軍は、南シナ海に面した中国南部 広東省湛江の周辺海域で15日から3日間の日程で合同軍事演習を開始しました。

中国海軍のミサイル駆逐艦1隻やフリゲート艦2隻などが演習に参加し、中ロ双方の指揮の一体化を図るということです。

またロシア国防省は15日、演習にはロシア海軍太平洋艦隊のコルベット艦2隻が参加すると発表し、防空訓練や対潜水艦の訓練などを合同で実施するとしています。

中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領はことし5月に北京で首脳会談を行い、両国による合同軍事演習の規模拡大など、軍事的な協力を深めることを盛り込んだ共同声明に署名していました。

今回の演習は、中ロ両国がともに対立し、南シナ海への関与を強めるアメリカや、中国が南シナ海で領有権を争うフィリピンをけん制するねらいもあるとみられます。

林官房長官「警戒監視に万全期す」

林官房長官は、午後の記者会見で「近年、中ロ両国は爆撃機の共同飛行や艦艇の共同航行、各種訓練を実施するなど、軍事面での連携を強化している。今回の演習も連携強化に向けた動きの一環だと考えられる」と指摘しました。

そのうえで「政府としては、こうした中ロ両国の軍事動向について、引き続き重大な関心を持って情報収集・分析に努め、警戒監視に万全を期していく」と述べました。

フィリピン海軍 報道官「活動を監視している」

中国とロシアの海軍が、南シナ海に面した中国南部の海域で合同軍事演習を開始したことについて、南シナ海で中国と領有権を争うフィリピン海軍の報道官は、16日、会見し「演習はフィリピンの排他的経済水域の外側で行われているが、私たちは活動を認識しているし監視している」と述べ、警戒する姿勢を示しました。
07/16 16:37
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