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中国 4〜6月のGDP伸び率 去年同期比+4.7% 前の3か月から縮小

中国のことし4月から6月までのGDP=国内総生産の伸び率は、去年の同じ時期と比べて実質でプラス4.7%となりました。伸び率は前の3か月から縮小し、景気の回復は力強さを欠く状況となっています。

中国の国家統計局が15日に発表した、ことし4月から6月までのGDPの伸び率は、物価の変動を除いた実質で去年の同じ時期と比べてプラス4.7%となりました。

伸び率は、前の3か月のプラス5.3%から縮小しました。

これは、不動産不況の長期化や厳しい雇用情勢を背景に内需の停滞が続き、個人消費が伸び悩んでいることなどが主な要因で、景気回復は力強さを欠く状況となっています。

中国政府は、不動産市場の改善に向けて売れ残っている住宅を地方政府に買い取らせ、低所得者向けの住宅などとして活用する方針を示したほか、内需拡大に向けて家電製品や自動車などの買い替え促進策を進めていますが、効果は限定的だという指摘も出ています。

景気のけん引役として期待される輸出についても欧米で中国製のEVに関税を上乗せする動きが出るなど、景気の先行きに不透明感が広がっていて、中国政府が効果的な対策をどこまで打ち出せるかが焦点となります。

今回のGDPの発表では、国家統計局が定例の記者会見をせず、ウェブサイトのみで公表する対応を取りました。

理由を明らかにしていませんが、15日から始まる長期的な経済政策の方針などを決める中国共産党の重要会議が関係しているのではないかという見方が出ています。

主要経済指標 不動産市場の低迷が続く

中国の国家統計局がGDP=国内総生産とあわせて発表した、6月分の主要な経済指標では、企業の生産や消費の伸びが鈍化し、不動産市場の低迷が続いていることも改めて示されました。

このうち、6月の工業生産は、去年の同じ月と比べて5.3%のプラスと、伸び率は前の月の5.6%から縮小しました。

また、消費の動向を示す6月の「小売業の売上高」は、去年の同じ月と比べて2.0%のプラスと、こちらも前の月の3.7%から伸びが鈍化しました。

一方、ことし1月から6月までの不動産開発投資は、去年の同じ時期と比べてマイナス10.1%と、引き続き大幅な落ち込みとなりました。

さらに6月の新築の住宅価格指数は、主要な70都市のうち9割以上にあたる64都市で前の月から下落し、都市の規模を問わず不動産価格の低迷が続いています。

中国国家統計局 記者会見せず コメントをウェブ掲載

中国国家統計局は、15日にことし4月から6月までのGDP=国内総生産を発表する際、定例の記者会見を開かず、その代わりとしてウェブサイトに報道官のコメントを掲載しました。

この中で、ことし4月から6月までのGDPの伸び率が前の3か月と比べて縮小したことについて、「外部環境はより複雑で厳しく、不確実になり、国内の構造調整の痛みが表面化し、経済成長に影響を与える要因はこれまで以上に複雑になっている。今期の成長率の低下は異常気象などの短期的な影響も受けており、経済運営における困難と課題の増大も反映されている」としています。

その一方で、「中長期的な観点から見ると、安定した経済運営と長期的な改善という基本は変わっておらず、質の高い発展を目指すという全体的な傾向は変わっていない」としています。

その上で、内需の拡大や不動産市場の改善などに向けてこれまで打ち出してきた政府の措置の効果が出始めているという認識を示しました。
07/15 14:17
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