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女子ゴルフ 古江彩佳が海外メジャー大会で初優勝

女子ゴルフの海外メジャー第4戦は14日、フランスで最終ラウンドが行われ、2位から出た古江彩佳選手がスコアを6つ伸ばし、通算19アンダーで海外メジャー大会初優勝を果たしました。

日本選手の海外メジャー制覇は男女を通じて5人目で、古江選手はおととし7月の大会以来のアメリカツアー2勝目です。

最終R 立て続けに難しいパット決める

最終ラウンドを首位と1打差の13アンダーで出た古江選手は、2番と3番で連続バーディーを奪う好スタートを切り、前半でスコアを2つ伸ばしました。

後半は、12番でボギーをたたきますが、14番から立て続けに難しいパットを決めて3連続バーディーとすると、最終18番のパー5は第2打をピン近くにつけてイーグルで締めくくり、この日、スコアを6つ伸ばして通算19アンダーで海外メジャー大会初優勝を果たしました。

日本選手の海外メジャー制覇は男女を通じて5人目で、古江選手はおととし7月の大会以来のアメリカツアー2勝目です。

このほかの日本勢は岩井明愛選手が通算9アンダーで10位、西郷真央選手が通算4アンダーで35位、パリオリンピック出場が決まっている山下美夢有選手は通算3アンダーで39位などとなりました。

オリンピック出場はならなかった古江選手ですが、自身初の海外メジャー制覇を決めると目には涙が浮かび、出場したほかの日本選手たちの祝福を受けていました。

古江彩佳「ありえないぐらいうれしい」

古江彩佳選手は海外メジャー大会初優勝について「ありえないぐらいうれしい」と笑顔で話しました。

最終ラウンドについては「15番まで我慢のゴルフだったが、しっかり自分を信じて最後までできたので、スコアを伸ばすことができた」と振り返り、最終18番でのイーグルパットの場面は「プレーオフには持ち込みたくなかったので『入れなくてはいけない』と思いながら打った。入ってくれてラッキーだった」と話していました。

「プラチナ世代」古江彩佳のこれまでの実績

古江彩佳選手は兵庫県出身の24歳。有力選手がそろう2000年度生まれの「プラチナ世代」と呼ばれる選手の1人です。

両親の影響で3歳でゴルフを始め、アマチュア時代にはJGA=日本ゴルフ協会のナショナルチームのメンバーとして豊富な国際経験を積みました。

身長1メートル53センチと小柄ながら、正確なショットとパットによる堅実なプレースタイルが持ち味で、国内ツアーでは2019年に史上7人目のアマチュア優勝を果たすと、プロ転向後も6勝を挙げています。

2021年、フランスで行われた海外メジャー大会で4位に入り、その年のアメリカツアーの最終予選会で出場権を獲得すると、翌年から本格的に参戦して7月に初優勝を果たしました。

その後もアメリカツアーで安定した成績を残し続け、出場を目指したパリオリンピックの代表選考レースをリードしましたが、最終盤でかわされ出場権を逃していました。

海外メジャーの壁を破った日本選手の活躍

女子ゴルフの日本選手で初めて海外メジャーを制したのは1977年の全米女子プロ選手権で優勝した樋口久子さんでした。

その後は日本選手として初めてアメリカツアーの賞金女王になった岡本綾子さんが1980年代から90年代にかけてたびたび優勝を争いました。

2000年代に入ると、アメリカツアーで通算9勝した宮里藍さんが全米女子プロ選手権や全英女子オープンで3位に入りましたが、優勝はなりませんでした。

そして樋口さん以来、42年ぶりに海外メジャーの壁を破ったのが2019年の全英女子オープンを制した渋野日向子選手でした。

プロテスト合格後、わずか1年の渋野選手が海外メジャーのしれつな優勝争いのなかでもトレードマークの笑顔を絶やさず、歴史的な快挙を果たした姿は海外メディアから「スマイリング・シンデレラ」と呼ばれました。

2021年の全米女子オープンでは笹生優花選手と畑岡奈紗選手が激しく競り合ったすえ、笹生選手がプレーオフを制して19歳の史上最年少で初優勝し、日本の女子選手では3人目となるメジャー制覇を果たしました。

同じ年には男子で松山英樹選手が「マスターズ・トーナメント」で優勝し、日本の男子選手として初めて海外メジャー大会を制しました。

そしてことし(2024)、先月の全米女子オープンで笹生選手が3年ぶり2回目の優勝を果たし、日本選手では男女を通じて初めて海外メジャー2勝目をあげていました。
07/15 00:13
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