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西日本中心に大雨 九州北部と山口で線状降水帯のおそれ 警戒を

前線の影響で九州から東北にかけて大気の状態が不安定になり、西日本を中心に雷を伴って激しい雨が降っています。
九州北部と山口県では15日の午前中にかけて線状降水帯が発生して大雨になるおそれがあり、気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の氾濫に厳重に警戒するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、暖かく湿った空気が流れ込んでいる影響で梅雨前線の活動が活発になり、九州から東北にかけての広い範囲で大気の状態が非常に不安定になっています。

午後8時までの1時間には
▽国土交通省が岡山県鏡野町に設置した雨量計で49ミリ、鳥取県が鳥取市に設置した雨量計で41ミリのいずれも激しい雨を観測しました。

九州では14日は発達した雨雲が流れ込み、長崎県五島市では14日朝、線状降水帯が発生したほか、宮崎県では昼すぎに1時間に100ミリを超える猛烈な雨を観測しました。

【動画】熊本 天草 雨水が滝のように

14日午後1時すぎ、熊本県天草市河浦町でNHK職員が撮影した映像です。
市内にある崎津諏訪神社の付近で撮影された映像では、神社の階段を雨水が滝のように流れ落ちているのが確認できます。

今後の見通し

西日本と東日本では15日にかけて大気の不安定な状態が続く見込みで、局地的に雷を伴って激しい雨が降り、西日本では非常に激しい雨が降って大雨となるおそれがあります。

特に福岡県と佐賀県、大分県、熊本県、長崎県、山口県では、15日の午前中にかけて線状降水帯が発生し、非常に激しい雨が降り続いて災害の危険度が急激に高まる可能性があります。

15日夕方までの24時間に降る雨の量はいずれも多いところで、
▽九州北部で200ミリ
▽九州南部と山口県で120ミリ
▽近畿と北陸、それに新潟県で100ミリ
▽山口県を除く中国地方で80ミリと予想されています。

線状降水帯が発生した場合、局地的に雨量がさらに増えるほか、これまでの雨ですでに地盤が緩いんでいるところもあり、土砂災害などの危険性が急激に高まるおそれがあります。

また、土砂災害が起きた愛媛県ではこのあとしばらく局地的に雷雨となる見込みです。

気象庁は土砂災害や低い土地の浸水、川の増水、氾濫に厳重に警戒するとともに、落雷や竜巻などの激しい突風、ひょうにも注意するよう呼びかけています。

周囲の状況を確認しづらい夜間に雨が強まり、災害の危険度が急激に高まるおそれもあります。
最新の気象情報や雨の降り方、自治体からの避難の情報に注意して山の斜面や川などには近づかず、14日夜は安全な場所で過ごすようにしてください。

《被害》


鹿児島 出水 国道脇のり面崩れる 通行止めに

鹿児島国道事務所によりますと、鹿児島県出水市境町の国道3号線で道路脇ののり面が高さ10メートル、幅40メートルにわたって崩れ、午前11時半ごろからおよそ200メートルの区間で上下線とも通行止めになっています。
建物や車の被害はなく、けが人もいないということです。
復旧の見通しは、今のところたっていないということです。

長崎市内の住宅裏で土砂崩れる

警察と消防によりますと、14日午前11時前、長崎市岩瀬道町の住宅の裏の斜面の土砂が崩れたということです。

消防によりますと、土砂崩れは高さおよそ5メートル、幅およそ10メートルの範囲で、けが人はいないということです。

住宅の裏側には斜面から石が落ち、木が倒れてきたということで斜面はブルーシートで覆われていました。

排水溝にも土砂がたまり、深さ10センチほどの水たまりができていました。

この家に住む60代の女性は「ドーンという大きな音がして揺れた。石が崩れてきていて大木が折れて落ちてきている。びっくりした」と話していました。

当時、住宅には親子2人がいましたが、被害はなかったということです。

長崎 五島 道路脇の土砂崩れる

長崎県五島市によりますと、14日午前8時ごろ、五島市平蔵町の市道で道路脇の斜面の土砂が崩れ、土砂や木の枝などが道路に流れ込んだということです。

五島警察署によりますと、現場は片側1車線の道路で、この土砂崩れによるけが人はいないということです。

現場付近の市道は午前8時すぎから片側交互通行が行われていて、市が復旧作業を進めています。
07/14 20:56
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