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ラグビー日本代表 ジョージアに敗れる ジョーンズHC復帰後連敗

ラグビー日本代表は、ことし2試合目のテストマッチとして13日夜、仙台市でジョージア代表と対戦し、23対25で敗れました。

ことし9年ぶりに日本代表のヘッドコーチに復帰したエディー・ジョーンズ氏にとって、先月のイングランド戦に続きテストマッチ2連敗となりました。

世界ランキング12位の日本は、先月のテストマッチで世界5位のイングランドに17対52で敗れ、13日は仙台市で世界14位のジョージアと対戦しました。

試合会場には1万5903人の観客が詰めかけ、日本は序盤からテンポの速い攻撃を見せて前半3分にウイングのジョネ・ナイカブラ選手が先制のトライを決めました。

しかし、そのあとジョージアにペナルティーゴールを2つ決められて追い上げられ、前半19分フランカーの下川甲嗣選手がイエローカードの反則を取られてその後の判定でレッドカードとなって日本が1人少ない14人となりました。

この反則は、ボールの争奪戦で相手プレーヤーの足を引っ張ったり、体を転がしたりする「クロコダイル・ロール」と呼ばれる行為で、ワールドラグビーがことし新たに施行した反則でした。

日本は、直後のラインアウトからジョージアにモールで逆転のトライを許すなど13対18で試合を折り返しました。

後半に入ると19分にジョージアの選手がハイタックルの反則でイエローカードとなり、10分間の退場処分で両チームともに14人になりました。

日本は豊富な運動量とスピーディーなパス回しで主導権を握り、後半24分にウイングの長田智希選手が逆転のトライを決めました。

しかし、後半32分に日本のサナイラ・ワクァ選手がイエローカードを受けて13人となると、2分後にジョージアにトライとキックを決められて逆転を許し、日本は23対25で敗れました。

日本は長時間、数的不利の状況で粘りを見せましたがあと1歩及ばず、ジョージアにテストマッチで2014年以来10年ぶりに敗れ、通算の対戦成績は日本の5勝2敗となりました。

日本は今月21日に札幌市で世界9位のイタリア代表と対戦する予定です。

ジョーンズHC「選手たちの努力は誇り」

試合後、エディー・ジョーンズヘッドコーチは開口一番「がっかりしました」と日本語で話し「試合のほぼ60分間を14人でプレーすることになり、非常に難しい試合になった。後半のスコアは10対7で上回っていて、選手たちの努力は非常に誇りに思う」と選手たちの健闘をたたえました。

そのうえで「試合の立ち上がりはこれ以上ないできだった。レッドカードで選手たちが落ち着きを失ったことが敗因になったが、われわれにとっては非常にいいレッスンになった」と振り返りました。

また、レッドカードを受けたプレーについて聞かれると「下川甲嗣選手は意図的に汚いプレーをする選手ではなく、2年前ならペナルティーにもならなかったプレーだったかもしれない。ただ、選手を危険から守ることを重視する昨今のレフェリングの中で、今はレッドカードになるということを学ばなければいけない」と話していました。

リーチ マイケル「非常にいい経験」

キャプテンのリーチ マイケル選手は「ジョージアは本当にフィジカルがすごいチーム。イングランド戦を含め、この2試合で自分たちの強みと弱みがはっきり分かったと思うし、若い日本代表にとって財産になる。ただ、結果は悔しいし、もう少しバランスよくやれば勝てる相手だった。ここぞというときに『超速ラグビー』をどれだけできるかだと思う」と話し、手応えを感じつつも競り負けたことを悔やみました。

長時間、14人での戦いを強いられたことについては「とにかくディフェンスもオフェンスもポジティブに。1人少ないからといって何も特別なことをする必要はないとチームに伝えた。チームとしては、この時期に14人、13人でどう戦うかというメンタリティーを学べたのは非常にいい経験になった」と話していました。

リーチ マイケル「ロック」に挑戦 チームに幅

日本は1人少ない時間帯が長かったにもかかわらず、ジョージアに引けを取らない試合運びを見せ、15年ぶりにラグビーの日本代表戦が行われた仙台のファンを沸かせました。

最後は2人少なくなったところで力尽きて敗れ、エディー・ジョーンズヘッドコーチ復帰後のテストマッチ初勝利をあと一歩のところで逃しました。

こうした中、この試合でキャプテンのリーチ マイケル選手が、35歳にしてある“代表デビュー”を飾りました。

それは日本代表として初めて「ロック」のポジションで先発出場したことです。

これまではフランカーやナンバーエイトといったフォワード3列目でプレーしてきたリーチ選手は、チームに幅を持たせようといま、大学以来となる「ロック」に挑戦しています。

宮崎合宿では「すごく楽しい。ロックができればあと5年は日本代表でできる」と目を輝かせていました。

ロックは、スクラムの場面でフランカーの内側に位置し、フロントローと呼ばれるフォワード第1列の3人を後ろから押す役割で、より力強さが求められます。

今回の試合で日本は、フィジカルが強いジョージアを相手に、フォワードが1人少ない状況でペナルティーからスクラムを選択する場面がありました。

急きょスクラムに入ったウイングの長田智希選手は、試合後、「自分はただ組んでいただけで、押している感覚はあまりなかった。前の選手たちが押してくれた。粘りがすごかった」と明かし、日本のスクラムに手応えを感じていました。

日本がホームで行われたテストマッチでジョージアに敗れるのは今回が初めてですが、数的不利の状況が長かったこともあり、試合後のチームに暗いムードはありませんでした。

日本代表として86試合目のテストマッチでロックデビューを飾ったリーチ選手。

敗れたことを悔やみながらも、自身のロックとしてのプレーについて聞かれると「よかったと思う。1列目の選手たちからも悪くなかったとフィードバックをもらった。あとは駆け引きの部分を学んで、もっとアピールしていきたい」と笑顔を見せていました。
07/14 00:35
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