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X認証マーク “EUの法律に違反” 暫定的見解 ヨーロッパ委員会

大手IT企業への規制を強めているEU=ヨーロッパ連合の執行機関、ヨーロッパ委員会は、旧ツイッターのXの青い認証マークについて、利用者にアカウントの信頼性を誤解させるなどEUの法律に違反しているという暫定的な見解を示しました。Xを所有するイーロン・マスク氏は「法廷での公開のたたかいを楽しみにしている」とXに投稿し、争う構えを見せました。

旧ツイッターの認証マークは著名人などのアカウントが本物だと示すものでしたが、Xになってからの変更で一定の条件を満たした有料サービスの加入者が付与の対象となっています。

この認証マークについてヨーロッパ委員会は12日、大手IT企業に偽の情報や違法コンテンツへの対策を義務づけたEUのデジタルサービス法に違反しているという暫定的な見解を示しました。

ヨーロッパ委員会は「誰でも有料サービスに加入して認証マークを得ることができる」としたうえで「実態は違うのに、マークがついたアカウントは認証されたものだと利用者に誤解させている」などと指摘しています。

また悪意をもった人物が、このマークがついたアカウントを悪用して利用者をだまそうとしている証拠があるとしています。

Xは今後、反論することができますが、最終的に違反が認定されれば、最大で年間売上高の6%という巨額の制裁金が科される可能性があります。

デジタルサービス法に違反しているという暫定的な見解が示されたのは今回が初めてです。

イーロン・マスク氏「法廷で公開のたたかい楽しみ」

XがEUのデジタルサービス法に違反しているという暫定的な見解をヨーロッパ委員会が示したことについて、Xを所有するイーロン・マスク氏は「法廷での公開のたたかいを楽しみにしている。ヨーロッパの人たちは真実を知ることができるだろう」とXに投稿し、争う構えを見せました。

またマスク氏は投稿で「ヨーロッパ委員会はXに違法な密約を提案してきた。もし我々が静かに言論の検閲を行えば罰金は科さないという内容だ。ほかのプラットフォームはその取り引きを受け入れたが、Xは受け入れなかった」と主張しました。

これに対しヨーロッパ委員会側は「誰とであれ、『密約』を交わしたことも交わすことも絶対にない」と否定しています。
07/13 08:58
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