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松山 土砂崩れ 高齢夫婦と息子 3人と連絡取れず 捜索続く

12日、松山市で発生した土砂崩れで、消防や警察は土砂に巻き込まれた住宅に住んでいたとみられ、連絡がとれなくなっている高齢の夫婦と息子の3人の捜索を続けています。松山市では断続的に雨が降っているほか、現場には大量の土砂が流れ込んでいて、捜索が難航しているということです。

12日午前4時前、松山市緑町で頂上に松山城がある山の斜面が幅50メートル、高さ100メートルにわたって崩れ落ち、複数の住宅やマンションに土砂が流れ込みました。

このうち、木造2階建ての住宅に住んでいたとみられる90代の夫と80代の妻、それに40代の息子の3人と連絡がとれなくなっていて、消防や警察が捜索しています。

捜索は消防と警察あわせておよそ130人の態勢で行われていて、発生から1日余りがたった今も続けられていますが、松山市では断続的に雨が降っているほか、現場には大量の土砂や倒木が流れ込んでいて、捜索が難航しているということです。

この土砂崩れを受けて現場周辺の松山市清水地区では、引き続き1万3226世帯、2万2062人に「緊急安全確保」が出されています。

松山市は少しでも安全な場所で命が助かる可能性の高い行動をとるよう呼びかけていて、市によりますと13日午前8時の時点で3か所の避難所にあわせて31世帯57人が避難しています。

松山地方気象台によりますと、県内では午後も断続的に雨が降る見込みで、消防や警察は安全を確保しながら捜索を続けることにしています。

避難の男性「道路のひび見るたびに広がる」

土砂が流れ込んだマンションの10階に住んでいて、避難所になっている公民館に避難してきた80歳の男性は「土砂と一緒に倒れた木がたくさんマンションの方に飛び込んできて泥水がまるで滑り台を滑ってくるように出てきた」と当時の状況について話していました。

また、男性は週に1度ほど松山城そばの亀裂が確認されていた道路を散歩していて、ことし1月ごろには数センチのひびが入っているのを見たということです。

男性は「道路のひびは見るたびに広がっていて、復旧工事が始まった7月はじめには、幅10センチくらいのひびが入っていたほか、段差が10センチくらいできていた。そこに雨水が入ったら崩れるかもしれず危ないと思っていた」と話していました。

「勝山」過去にも土砂災害相次ぐ

今回、土砂崩れが起きた標高132メートルの「勝山」では、これまでも斜面が崩れるなどの土砂災害がたびたび起きていました。

14年前の7月、大雨の影響で松山城の南側の斜面が10メートルほど崩れ、夏目漱石ゆかりの観光名所、「愚陀佛庵」が土砂に押しつぶされて、倒壊しました

また松山城まであがる「登城道」という4本の道のうち西側から登る「古町口登城道」は、6年前の西日本豪雨で土砂崩れが起きて通行止めとなったほか、4年前にも雨で再び土砂崩れが発生して3年余り通行止めとなっていました。

避難者が一時帰宅

土砂崩れの現場近くでは、近所の人たちが避難先の公民館などから荷物を取るために一時、帰宅する姿が見られました。

12日夜、ホテルで過ごしたという60代の男性は「2日分の着替えを取りにいったん自宅に戻りました。今夜のホテルをまた探さないといけないです。今後、避難生活がいつまで続くか分からず、不安です」と話していました。

また近くに住む30代の男性は「マンションの電気や水道、ガスが使えない状態で、生活できる状態になる見通しがたたず、親戚の家に避難することにしました。早く元の生活が送れるようになってほしいです」と話していました。
07/13 13:32
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