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バイデン大統領 ハリス副大統領をトランプ氏と言い間違え

アメリカのバイデン大統領は選挙戦からの撤退圧力が高まるきっかけとなったテレビ討論会のあと初めて記者会見で質疑に応じ「私が候補者としてもっともふさわしい」と述べて選挙戦を継続する考えをくりかえし強調しました。一方でハリス副大統領をトランプ氏と言い間違える場面もありました。

アメリカのバイデン大統領は、ワシントンで開かれたNATO=北大西洋条約機構の首脳会議の最終日となる11日、記者会見を行い、1時間近くにわたって記者からの質問に答えました。

会見で記者の質問に応じたのは、選挙戦からの撤退圧力が高まるきっかけとなったテレビ討論会のあと初めてです。

バイデン大統領は民主党内からも撤退を求める声が相次いで上がっていることについて問われると「私が大統領選挙の候補者としてもっともふさわしい。私はトランプを一度、打ち負かしたし、再び、打ち負かす」と述べ、選挙戦を継続する考えをくりかえし強調しました。

さらに4年前の大統領選挙でバイデン大統領が、党内の次の世代のリーダーへの橋渡し役になると訴えていたことについて問われると、大統領として引き継いだ経済などの事態の深刻さが事情を変えたと主張し、まだ成し遂げるべき仕事があると訴えました。

一方で、仮にハリス副大統領が大統領候補となった場合の資質について問われた際に「大統領になるのにふさわしくなければトランプ副大統領を副大統領には選んではいない」と述べ、ハリス氏をトランプ氏と言い間違える場面もありました。

これを受けてトランプ氏はさっそくSNSにその部分の動画を掲載したうえで「よくやった、ジョー」と皮肉交じりに投稿しました。バイデン大統領の記者会見は撤退圧力が収まらない中、テレビ各局が中継するなど大きく注目されていて、事態の推移にどのような影響を与えるのか関心が高まっています。

“バイデン陣営 有権者意向の調査乗り出す” 米報道

アメリカのABCテレビなどは、バイデン大統領の陣営が、仮にハリス副大統領とトランプ前大統領との選挙となった場合の有権者の意向について調査に乗り出したと伝えました。

これについて有力紙ニューヨーク・タイムズは調査は、バイデン陣営の分析チームによって今週行われているとしたうえで、目的については「バイデン氏の見込みはわずかだと示すためか、まだ党の力強い看板候補だと証明するためか、いずれにも解釈できる」と伝えています。

今月5日から9日にかけてABCテレビなどが有権者を対象に行った世論調査で、大統領選挙の投票先は、バイデン氏とトランプ氏はいずれも46%で互角だったのに対し、ハリス氏が民主党の候補者になった場合は、ハリス氏が49%、トランプ氏が47%でハリス氏がリードするという結果が出ています。

“民主党議員少なくとも3人が新たに撤退要求” 米メディア

アメリカのメディアによりますと、バイデン大統領の記者会見の直後、民主党の下院議員少なくとも3人が、新たに選挙戦からの撤退を要求しました。

このうちピーターズ議員は声明を出し、バイデン氏の実績をたたえる一方で、「討論会でのパフォーマンスが議員や支持者らに、大統領が選挙戦を勝ち抜くことはできないという懸念を抱かせた。これは一過性のものではなかった」と理由を説明しました。

今回のバイデン大統領の記者会見について、有力紙、ニューヨーク・タイムズは「記者団からの質問に何度も不安定な受け答えをした一方で、外交には精通しているところを示し、討論会のときのような最悪の事態を繰り返すことは回避した」と評価しました。

またCNNテレビは「ホワイトハウスやバイデン陣営の関係者は記者会見は成功だったとしているが、多くの民主党関係者は一度の記者会見で流れが変わるとは思っていない」と伝えました。

バイデン大統領 ゼレンスキー大統領をプーチン大統領と紹介

アメリカの首都ワシントンで開かれたNATO=北大西洋条約機構の首脳会議が終わったあと、参加国の首脳陣が並んでウクライナへの支援を発表する会見が行われました。

この中でバイデン大統領は「プーチン氏の残忍な戦争に対抗し、ウクライナのもとで結束している」と述べ、ウクライナへの連帯を強調しました。

そして、次に登壇するゼレンスキー大統領を紹介する際「決断力と同じくらい勇気のあるウクライナの大統領にマイクを渡したい。プーチン大統領です」と述べ、隣に立つゼレンスキー大統領を誤ってプーチン大統領と紹介しました。

バイデン大統領は間違いにすぐ気付いて訂正し「プーチン氏を打ち負かすことに集中していた」と釈明しました。

バイデン大統領は年齢に対する不安などで選挙戦からの撤退圧力にさらされ、その言動が注目されていて、メディア各社はこの言い間違えを相次いで伝える事態となりました。
07/12 16:49
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