2021年01月21日
前回は「インターンシップ選考に落ちた企業の本選考は受けるか」というギモンに対して、専門家のみなさんは全員が「インターンシップ選考と本選考は別」、「再チャレンジするべし」との回答でした。では、本選考を受けるまでに何をどう改善すればよいのでしょうか、迷いますよね。
(聞き手:石川将也(3年) 勝島杏奈(4年) 司会:石井隆広NHKアナウンサー)
専門家のみなさんは「インターンシップ選考と本選考は別なので、インターンで落ちても本選考を受けてほしい」とのことでしたが、石川さん、気になるところはありますか?
(インターンシップで落ちた企業も)本選考を頑張って受けてみようと思いました。
ただ、(選考に)落ちたのはES(エントリーシート)や面接のエピソードに原因があると思うんですけど、どこをどう改善すればいいのか具体的にお聞きしたいです。
これは僕自身の苦い経験なんですけど、学生時代頑張ったことが中学校と高校がロックバンド、大学はテニスのサークルなんですよ。
本当は広告業界に就職したかったんですけど、金融業界も受けていて。
でも、金融機関のエピソードでバンドとテニサーか…ちょっと厳しいなと思って。
で、週1でやっていた家庭教師の話で書いたら受かったんですよ。
ただ結果的に、家庭教師の話を膨らまして書いて受かっても結局4年で銀行を辞めたんです。
そうだったんですね。
そういう“受かるために書いたES”っていうのは遅かれ早かれしっぺ返しを食らうものなのかなって、個人的な体験として思っています。
これ、社会に出た人はみんな言うんですけど。「偽りのESで受かっても辞めるよね」みたいな。
すごく同感ですね。なぜ落ちたのかが分からないのだから、対策のしようがないっていうのはとてもわかります。
でも、やれることは、偽りのない自分というものが伝わるように(ESの中身を)ブラッシュアップすることだと思うんです。
伝えたつもりでも読んでいる人がわからない文章とか、中身だったとしたら、そもそも評価ができない。
あとは、自分の失敗・成功からたくさん学んだことをESの中に表現できるようにすることですよね。
2020年12月2日 NHKプラスクロスSHIBUYAで取材、収録。
【4社にお答えいただいた「就活のギモン 2022卒」の内容は、動画版もあります!「就活ゼミ」→「就活ニュース」→「動画」からチェック。就活関連の動画は、NHK公式Youtubeなどでもごらんにいただけます!】
企業に合わせるんじゃなくて自分自身をきちんと見せるってことですね。
寺口さんがおっしゃったように、入社後に本当にそれがハッピーかとか、合っているかとかにつながってくると思います。
ESでよくありがちな話ですけど、こういうことを書いたら企業に注目されるんじゃないかと、自分の経験の中で「すごいもの順」に書く人が多いんですよ。
オファーボックスでも過去のエピソードを書く項目があるんですけど、学生さんが自分の見て欲しい順に3つぐらい書いても、企業からオファーが来たときに注目されたのは1番目じゃなくて3番目だったってことが結構ある。
すごいことを言うんじゃなくて、自分の価値観をいちばんあらわすことを書いたほうがいいんですよ。
それはオリジナリティーということですか?
そうですね。企業の人は一緒に働く仲間を探しているので、その人らしさ・個性がわからないと判断しようがないんですよ。
だから、すごいことじゃなくて、出来事そのものはそんなに大きくなくてもいいんです。なぜ頑張れたのかっていうエピソードを伝えた方が伝わります。
なるほど。
あと、ESを改善するのであれば、身近な大人に見てもらう方が改善しやすいと思います。
学生さん同士だとすごいこと順になりやすい。大人が見る目線と学生が見る目線とやっぱり違いがあるので。
学生から「これが強みです」と言うよりは「私の特徴はこれです」、「僕の特徴はこれです」と示すほうがいいと思うんですよ。
人事の人たちは頭の中で(その学生が)活躍してくれそうないろんなポジションを(話しを聞きながら)判断しているんですよね。「あそこで活躍しているあの人にこういう特徴が似ているな」とか。
人事の目線はそういうところを見ているんですね。
だからそういう特徴を挙げないで、解釈をつけちゃうと逆にちょっとイメージが濁っちゃいます。
どちらかと言うと、自分の特徴をお渡ししてその結果があっていたらラッキー。
落ちたとしても落ちたという感覚よりは、本当にただそのタイミングでその人に合わなかっただけだなって思ったほうが楽です。
去年を思い出すと、どうしても目立とうと思って大きな話をエントリーシートに書いてしまったなと今、思いました。
おっしゃっていたみたいに自分の個性だとか自分らしさをぶつけて、で後はその私が企業でどう生きるのか、どのポジションでどう生きるのかをお任せするっていう考え方もとてもいいなと思いました。
ありがとうございます。
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