2020年06月16日
(聞き手:勝島杏奈 田嶋あいか)
25歳でキャリアカウンセリング会社を立ち上げた喜多村若菜さん。未婚で子育て経験がない喜多村さんが、子育てとの両立支援を仕事に選んだ理由とは?
喜多村さんは学生の時、どういう就活をしていたんですか?
コンサルや、スタートアップをメインに受けていました。将来的に起業するためのスキルや経験を積みたいと思っていて。
でもスタートアップの中で、「私が解決したい課題はこれだ!」って思える会社がなかなか見つからなかったんです。
なるほど。
それなら大企業に勤めてから起業という選択肢もアリかなと思ったんです。その中でも、将来的に独立したいという志向の方が多い企業がいいなと。
最終的には、自分の将来像に近い方がいた会社に決めました。
学生のときからしっかり将来を考えていらっしゃったんですね。でも、そこまで考えられていない学生が多いと思うのですが・・・。
いや、先々のことは別に考えなくてもいいと思いますよ。
そうなんですか?
目標を設定して、そこに対する最短ルートを探すタイプの方もいますが、今の自分にできることを深堀りして、それを積み重ねていくタイプの方もいるので。
自分に合うやり方を選択するのがいいと思います。
私はどちらかというと、目標がないと難しいタイプでした。あとですね・・・、小さいころから天職は存在すると思っていたんですよ。それを見つけるために大学も1年休学しました。
その1年間は何をされていたんですか?
海外に出て、インターンを経験しました。シンガポールで、日系企業が進出する時に立ち上げのお手伝いをしたり、現地で活躍されている方々にお話を伺ったりして、自分のキャリアを考えるための参考にしていましたね。
その結果、分かったことは、「天職ってない」ってことでした。
え!
ひとりひとりに神様から与えられた天職というのはなくて。逆に、自分の選択を自分が正解に変えていくことが必要だということを知りました。
それがわかっただけでも、休学した1年は十分に価値があったと思います
目標は与えられるものじゃなくて、自分で見つけるものだと。
そうですね。
どうしてキャリアカウンセリングで起業しようと思ったんですか?
学生時代の後輩がきっかけでした。その子は、大学を卒業してすぐに母親になったんですが、新卒で就活せずに子持ちでスタートするのはキャリアとしては難しくて。
アルバイトや派遣でスタートする形になるんですけれど、仕事ができるのに数年の子育てを理由にその先のキャリア成長のきっかけがなくなるのは、すごくもったいないなと思って。
たしかに。
もっとライフステージに合わせた形で、これからの働き方、仕事ができる社会を作りたいと思って起業したいと思いました。
企業に勤めながらでは難しかったんですか?
いろいろな人材紹介サービスはあります。でも、解決できていない課題があるということは、別の新しい価値を提供する必要があると思ったんです。
未婚という立場で、子育て中の方々の状況を理解することに苦労はなかったですか?
確かに。そこで私は、子育て中の方や人事の方200人くらいにインタビューをしたり、働く母親と同じ生活をさせてもらったりしました。
そこまでされたんですね。
退社して子供の迎えに行って、ご飯食べて、寝かしつけて…とか。途中から私自身がもはや母親になったような感覚になりました(笑)
でも多くの人の話を聞くうちに、自分の後輩だけでなくて、その先に、同じ課題に悩む多くの人の姿が見えたので、これは情熱をもってしっかり取り組んでいけるなと思いました。
キャリアサポーターの方々は人材業界の経験者で子育て中の方も多いので、その方々の経験や情報を定期的に共有するようにしています。
若くして起業することに恐怖心はなかったですか?
逆に、例えば年齢を重ねて企業の管理職になってから、その立場を捨てて起業する方が怖くないですか(笑)
若いうちは捨てるものがないので、全力で挑戦できるんですよね。
もしそこで失敗したとしてもキャリアって絶対にリスタートできるので。失敗は早い方がいいですよ。
失敗は早い方がいい…。
そうです。若いからこそ大きくチャレンジして、それを生かして次のチャレンジに繋げていけると思っています。
他にやってみたい仕事はありますか。
ないですね。将来の自分がユーザーだと思って仕事をしているので、今やっていることを解決しないと私も困るんです。
本当に情熱をかけてやるしかないと思っているので、ほかにやりたいことはないですね。
とてもかっこいいですね。
ありがとうございます(笑)
就活生に向けてなにか伝えたいことはありますか?
そうですね。新型コロナの影響でメンバーシップ型と呼ばれていた、日系企業の終身雇用を前提とした働き方から、ジョブ型の働き方にどんどん変化していくと思います。
就職することがゴールではなくて、その先のキャリアを意識しながら働くことを考えて就活するといいと思います。
働き方はどう変わるの?ジョブ型の働き方って?
新型コロナでいろんな業界が影響を受けていますよね。
そうですね。例えば、小売りとかは影響を受けてますね。逆に、リモートに関する業種はすごく伸びてます。
ただ、それだけで就職先を選ぶのはもったいないなと思いますね。この先どんなことが起こるか分からないし。
それよりも次に何か災害みたいなことが起きたときに、生きていけるスキル。他でも活用できるような経験が身につけられるような企業をえらぶのが大事だと思います。
最後に、喜多村さんにとって仕事とは?
「社会に残す爪痕」です。
私、喜多村若菜がいることで、どれだけ社会が良くなったかを考えるようにしています。
ユーザーの方1人1人の人生をより良くして、社会をより良く。それが私にとっての仕事ですね。
私たちも来年社会人なので、爪痕を残せる大人になれるよう頑張ります!
全員リモートワーク!働き方の未来は?
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編集 成田大輔