自分に何が足りなくて何が必要なのか常々考えている

今村聖奈

競馬

2022年3月に3月にデビューした競馬界のニューヒロイン、今村聖奈。
中央競馬の女性新人騎手の最多勝利記録を更新するなど目覚ましい活躍を見せている。

滋賀県出身の18歳。父親も騎手だったことから、馬が身近な存在で、小学校を卒業する頃には騎手を目指していた。屈託のない笑顔で競馬への思いを語る。

「これ以上にない天職だと思っています。小さい頃から馬に乗ることが好きで、がむしゃらに今を生きてきたので、本当にこの職業があるのは光栄だと思っています。絶対に誰よりもかっこうよく乗ってやろうと思っています」

重心のぶれない美しい騎乗フォームが持ち味だ。先輩騎手なども馬に負担をかけていないと高く評価する。

だからこそ結果もともなう。デビューから4か月で19勝をあげた。中央競馬の女性騎手は今村で10人目となるが、新人でふた桁勝利をあげたのは初めてだ。
さらに、7月3日には、重賞と呼ばれる大きなレースで初騎乗初優勝を果たした。
それでも気を緩めることはない。

「常に余韻に浸っている場合ではないと思っていて、切り替えて次の1勝に向けて尽くしているつもりです。いまは馬の力で勝たせてもらっていることが多く、馬に教えてもらっている段階ですので、なるべく引き出しを増やしていきたいと思っています」

今村の学びの姿勢は、競走馬の調教施設でも見られる。
年がふたまわり以上離れた先輩騎手などにも臆することなく声をかけて、技術面や戦術面でのアドバイスをもらっている。

「長所はたくさんの人とのコミュニケーションを取れるところだと思います。小さい頃から施設に連れていってもらい、皆さんが私を知ってくれているので本当に聞きやすい環境に恵まれていると思います。自分の全体的なパフォーマンスを磨き上げるためには何が足りなくて何が必要なのか常々考えています」

今村は、レースを終えると、そっと騎乗した馬の顔をなでて、労をねぎらう。
競馬界のニューヒロインは、1頭1頭の競走馬と向き合いながら、たくましく成長している。

「競馬学校で、馬と会話をしなさい。馬の気持ちを読み取りなさいと教わりました。通じ合えるかわからないけど肌で感じることができたらと思っています。馬としゃべれたら『できている?』って聞きたいですね。大きな目標はたてずに、目の前にあるチャンスをものにするのが私の目標です」

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