3位になるためにこんなに頑張ったことはないよ

ローリー・マキロイ

ゴルフ

ゴルフの海外メジャー大会で4勝をあげているローリー・マキロイ。北アイルランド出身のマキロイは、初出場となる東京オリンピックにイギリスではなくアイルランド代表を選択した。

「昔から僕はアイルランドのために戦ってきた。ゴルフはアイルランドの島全体を代表するスポーツでその代表になることが最も大事だと思った」

蒸し暑い日本の天候の下で4日間にわたって行われた東京オリンピックのゴルフ男子。アイルランド代表のユニフォームを着たマキロイは「サイズが合わない」という理由から4日間、帽子をかぶることはなく、顔を真っ赤にしながらも笑顔でプレーを続けた。

首位に3打差から出た最終ラウンドでは、持ち前のドライバーの飛距離とアイアンの精度を存分に発揮してスコアを伸ばし、3位タイでホールアウト。日本の松山英樹や、アメリカのコリン・モリカワなど、7人のトップ選手による銅メダルをかけたプレーオフにもつれこんだ。

ツアーでは優勝した選手以外が称賛されることのないゴルフで、7人もの選手が3位を争うプレーオフは見たことがない。
そのしれつを極めたプレーオフの3ホール目でマキロイは惜しくも脱落し、銅メダルには手が届かなかった。炎天下のプレーで体力を使い果たしたはずだが、ホールアウトしたあとの表情はすがすがしかった。

「7人でのプレーオフは経験したことがなく面白かった。3位になるためにこんなに頑張ったことはないよ」

高額賞金がかかるツアーを戦うトップ選手たちが“3位”の座をかけて真剣勝負でベストを尽くす。前回のリオデジャネイロ大会でゴルフが112年ぶりにオリンピック競技に戻ってきた意味をあらためて見た気がした。

「お金のためにプレーするのではない、古き良き時代に戻った気分だ」

初めてのオリンピックでその価値の大きさを感じたマキロイは、すでに3年後を見据えていた。

「パリに行って今度こそはメダルをつかもうと決意した。3年後を楽しみにしているし、次こそは最低でも銅メダル、できれば金メダルがいいね」

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