「三種の神器」とは

「三種の神器(じんぎ)」は皇位とともに歴代の天皇に伝わる宝物で、鏡(かがみ)と剣(つるぎ)、曲玉(まがたま)があります。

伊勢神宮内宮 皇居から携えてきた「三種の神器」の剣と曲玉を持った侍従が前後を歩いた(平成31年(2019)4月)

剣と曲玉は合わせて「剣璽(けんじ)」と呼ばれ、天皇の位と一体のものとされ、皇室経済法が定める「皇位とともに伝わるべき由緒ある物」と位置づけられています。

剣は、本体が愛知県の熱田神宮にあり、分身にあたる「形代(かたしろ)」がこれまでは皇居内の上皇ご夫妻のお住まいにある「剣璽の間」という部屋に曲玉とともに置かれていました。

剣と曲玉は皇位継承に伴って天皇陛下とともにお住まいの「赤坂御所」に移され、新たに設けられる「剣璽の間」に置かれるということです。

また、鏡は、本体が三重県の伊勢神宮にあり、皇居の宮中三殿の中央にある「賢所(かしこどころ)」に「形代」がまつられています。

三種の神器は、ふだんは毎年11月23日に行われる宮中祭祀の新嘗祭(にいなめさい)以外で使われることはありません。

ただ、天皇陛下の伊勢神宮の参拝にあたって剣と曲玉は皇居の外に持ち出されることがあり、平成に入ってからはあわせて4回、両陛下の列に加えられました。

三種の神器の剣を持つ侍従の先導で皇居へ向かわれる(平成2年(1990)11月)

▽天皇陛下(今の上皇さま)の即位にあたって平成2年(1990)に参拝した際
▽社殿などをつくり替えてご神体を移す20年に1度の「式年遷宮(しきねんせんぐう)」が行われたあとに参拝した平成6年(1994)と平成26年(2014)
▽平成31年(2019)4月、退位を前に参拝された時に持ち出されました。

東京駅 侍従が黒いケースに入った「三種の神器」の剣を掲げ随行した(平成26年(2014)3月)

「三種の神器」は宮中三殿の建物などとともに相続税の対象から外されるため、上皇さまが、昭和天皇の崩御を受けて即位し、受け継がれた際には課税されませんでした。

今回の皇位継承にあたっては贈与税の課税対象からも外されることが法律で定められていて、今回も課税されることはありません。

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