2023年5月10日
プーチン大統領 ロシア

【演説全文】プーチン大統領 戦勝記念日の演説 何を語った?

ロシアのプーチン大統領は5月9日、第2次世界大戦の戦勝記念日に合わせて首都、モスクワの赤の広場で演説し、ウクライナへの軍事支援を強める欧米側を非難した上で、ロシアによる軍事侵攻を続ける姿勢を強調しました。

以下、プーチン大統領の演説の全文です。

プーチン大統領の演説全文

親愛なるロシア国民の皆さん、退役軍人の皆さん。兵士や水兵、下士官、准士官の同志たち。士官、将官の同志たち。特別軍事作戦に参加している兵士と指揮官の皆さん。

戦勝記念日のお祝いを申し上げる。

祖国を守ることでみずからの名を高め、不朽のものとしたわれわれの父、祖父、曽祖父に敬意を表し、記念日を祝う。彼らは計り知れない勇気と膨大な犠牲により人類をナチズムから救った。

今日、現代文明は再び重要な転換点を迎えている。

われわれの祖国に対して再び本当の戦争が開始されたが、われわれは国際テロを撃退し、ドンバスの住民も守り、われわれの安全を確保している。

われわれ、ロシアにとって、非友好的であったり敵対的であったりといった人民は、西側にも東側にもいない。この地球上における大多数の人々と同様に、われわれは平和で自由な、安定した未来を望んでいる。

われわれは、優越志向のイデオロギーは本質的に嫌悪すべきものであり、犯罪であり、致命的だと考えている。しかし、世界制覇をねらう欧米のエリートたちは、依然として自分たちは特別だと繰り返し、人々の対立をあおり、社会を分裂させ、流血の衝突やクーデターを引き起こし、憎悪、ルソフォビア(反ロシア感情)、攻撃的なナショナリズムをまき散らし、人間を人間らしくする家庭や伝統の価値観を破壊している。

すべてはその先自分たちの意志や権利、ルール、そして事実上、強奪、暴力、抑圧のシステムを人々に押し付けるためだ。

ナチスの無謀な世界征服の野望が何をもたらしたか、彼らは忘れているようだ。誰がこのぞっとするような絶対悪を打ち破ったのか、誰が祖国のために立ち上がり、ヨーロッパの人々の解放のために命を惜しまなかったのか、彼らは忘れてしまっている。

いくつもの国で、ソビエト軍兵士の記念碑が無慈悲かつ冷酷に破壊され、偉大な司令官の像が取り壊されるのを目にしている。ナチスと共犯者への崇拝が生まれる一方、真の英雄の記憶は消され、傷つけられようとしている。

戦勝世代の偉業と犠牲に対するこのような冒とくもまた犯罪であり、ロシアに対する新たな進軍を冷笑的かつ公然と準備し、このために世界中からネオナチのろくでなしを集めた者たちによる露骨な報復だ。

彼らのねらいは、今に始まったことではないが、わが国の崩壊と破壊を実現し、第2次世界大戦の結果を覆し、世界の安全保障と国際法のシステムを決定的に破壊し、あらゆる主権的な発展の中心地を圧殺することだ。

過剰な野心、傲慢、やりたい放題の状態は、必然的に悲劇を招く。ウクライナの人々が現在直面している破局の理由は、まさにここにある。

彼らは、国家転覆と、それに基づいて作られた欧米の支配者の犯罪政権の人質となり、彼らの残酷で打算的な計画を実行するための交渉の切り札となった。

ロシアのわれわれにとって、祖国防衛者の記憶は神聖なもので、心に刻んでいる。われわれは、ナチズムと勇敢に戦ったレジスタンスの参加者と、アメリカやイギリス、その他の国の連合軍の兵士を正当に評価する。われわれは、日本の軍国主義と戦った中国の戦士たちの偉業を記憶し、敬意を表する。

私は、共通の脅威と戦った頃の連帯とパートナーシップの経験が、われわれのかけがえのない遺産だと確信している。信用や不可分の安全保障、すべての国と人民の独立した自由な発展のための平等な機会という原則に基づく、より公正な多極世界へ向けた不可逆的な動きが勢いを増している今まさに、ゆるぎない支えとなるものだ。

非常に重要なのは、独立国家共同体の首脳らが今日、ここモスクワに集まったことだ。われわれの先祖の偉業に感謝する姿勢が見て取れる。彼らは共に戦い、共に勝利した。ソビエトのすべての人民が共通の勝利に貢献したのだ。

われわれはこのことをいつまでも記憶する。戦争によって命を奪われたすべての人々、息子、娘、父、母、祖父、夫、妻、兄弟、姉妹、親戚、友人をしのんでこうべを垂れる。

黙とうをささげる。

(黙とう)

ありがとう。

ロシアの市民の皆さん。

祖国の運命を左右する戦いは、常に祖国のためのもので、人民のもので、神聖なものだった。われわれは、先祖の遺訓に忠実であり、先祖の軍事、労働、道徳の面での功績の高みにふさわしいとはどういうことか、しっかりと理解している。

われわれは、特別軍事作戦の参加者、最前線で戦っている人たち、砲火の下で前線を支える人たち、負傷者を救助する人たち、皆を誇りに思う。今、皆さんの任務ほど重要なことはない。わが国の安全は、あなたがたに支えられている。われわれの国家と国民の未来は、あなたがたにかかっている。

あなたがたは軍務を立派に全うし、ロシアのために戦っている。あなたがたの後ろには家族、子どもたち、友達がいる。彼らはあなたがたを待っている。あなたがたは彼らの限りない愛情を感じていることだろう。

われらの英雄を支えるため国じゅうが結束している。皆が手伝う用意があり、あなたがたのために祈っている。

同志、友人、親愛なる退役軍人の皆さん。

今日、わが国のすべての家庭で、大祖国戦争の関係者を祝い、親族、英雄をしのび、戦争の記念碑に花を手向けている。

われわれが立つ赤の広場は、ユーリー・ドルゴルーキーやドミトリー・ドンスコイの親兵、ミーニンやポジャルスキーの義勇兵、ピョートル大帝やクトゥーゾフの戦士、そして1941年と1945年のパレードの記憶が残る地だ。

今日ここには、特別軍事作戦の参加者たちがいる。常備兵、部分的な動員の過程で軍の隊列に加わった者、ルハンシクとドネツクの軍団や数多くの義勇兵団の兵士、国家親衛隊や内務省、連邦保安庁、非常事態省、その他の情報機関の職員だ。

戦場でロシアのために戦っている人、今戦場にいる人、皆にあいさつを申し上げる。

大祖国戦争の頃、勇敢な先祖たちは、われわれの結束より固く、強く、信頼のおけるものはないことを証明した。われわれの祖国への愛より強いものは、世界に存在しない。

ロシアのために!勇猛果敢なわが軍のために!勝利のために!万歳!

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