【全記録】全国女子駅伝 宮城が29年ぶり優勝 最終9区で逆転

新春の京都で女性ランナーがたすきをつなぐ全国女子駅伝が14日行われ、宮城がアンカー区間の9区で逆転し、29年ぶり2回目の優勝を果たしました。2位は京都、3位は広島でした。

記事後半では全チームの最終結果、レース経過などについて、詳しくお伝えしています。

最終9区で宮城が逆転し29年ぶり優勝

全国女子駅伝は、京都市内をめぐるマラソンと同じ距離のコースで争われ、中学生から社会人までの9人のランナーがたすきをつなぎました。

石川の五島莉乃選手(右)

1区では、今月1日の能登半島地震の被災地、石川の五島莉乃選手が区間新記録まであと10秒に迫る走りを見せトップでたすきをつなぎました。

続く2区では日本の女子中距離のエース兵庫の田中希実選手が19人を抜いて区間賞を獲得する走りで先頭に立ち、3区以降の選手たちも力走を見せた兵庫がトップをキープしました。レースは中学生区間の8区で宮城の男乕結衣選手が区間トップの走りを見せて、兵庫に9秒差の2位でたすきをつなぎ最終の9区に入りました。

宮城のアンカー小海遥選手は、3キロ手前で兵庫に並ぶと中間点を過ぎたところで抜けだし、そのまま引き離してトップでフィニッシュしました。

宮城は2時間16分30秒のタイムで29年ぶり2回目の優勝を果たしました。
2位は地元・京都、3位は広島でした。

宮城 佐藤広樹監督「全員が役割を果たしてくれた」

優勝した宮城の佐藤広樹監督は「ことしは各世代で力のある選手が集まってくれて優勝を目標にやってきた。序盤はしのいで、中盤から徐々に順位を押し上げて8区と9区は自信のある2人が走った。全員が役割を果たしてくれた」と選手をたたえていました。

宮城 アンカー 小海遥「優勝はみんなの力」

宮城のアンカーの小海遥選手はまず、8区でトップとの差を47秒から9秒まで縮めた男乕結衣選手の走りについて「力があると聞いていたので上げてくるだろうとは思っていたが、こんなに差を詰めるとは思わなかった。『自分も頑張らなければ』という気持ちになった」と力走をたたえました。みずからの走りについては「絶対に優勝できるところで仕掛けていこうと考えていた。探りながら走っていた」と振り返ったうえで「優勝はみんなの力だ。このチームで走らせてもらえてうれしい。これをきっかけにもっと頑張っていきたい」と話していました。

【解説】“1秒の重みを感じて” 宮城が総合力で頂点に

宮城は、主力が急きょ欠場したアクシデントを高校駅伝で悔しさを味わった仙台育英の選手を中心とした総合力で補い29年ぶりの頂点をつかみました。

大会前から優勝候補の一角と位置づけられていた宮城でしたが大会2日前、1区を走る予定だった主力の米澤奈々香選手が急きょ、体調不良となるアクシデントに見舞われました。

それでも、チームは「1人が1秒削れば9秒も前に出ることができる。優勝という目標は変えずに、次にたすきをつなぐまで全員が全力で走り切ろう」と覚悟を決めてレースに臨みました。

この大会、9区間のうち、4人が仙台育英の選手たち。先月行われた全国高校駅伝で1秒の差に泣いていました。高校駅伝で仙台育英は優勝した鹿児島の神村学園に1分20秒差をつけて最終5区にたすきをつなぎましたが、留学生のランナーに最後のトラック勝負で逆転され1秒の差で2位になっていました。

悔しさを胸に臨んだ今大会は同じ、都大路で行われるレース。欠場した米澤選手に代わって1区を任されたのは仙台育英の細川あおい選手。実業団の選手も多くエントリーしたこの区間で細川選手は高校生トップとなる全体9位で着実にたすきをつなぎました。

6区を走ったのは、高校駅伝でアンカーを務め悔し涙を流した橘山莉乃選手。この区間の2位と好走し「この京都で味わった1秒の重みを感じながらあの悔しい思いをエネルギーに変えて最後まで粘り強く走ることができた」と振り返りました。

そして、中学生区間の8区では、男乕結衣選手が「走れなくなった先輩の分も補おうと思って、きつかったけどずっと全力で走った。陸上人生の中で一番の走りができた」と区間賞を獲得する走りでトップに9秒差まで迫る2位でたすきをつなぎました。

アンカー 小海遥 選手

アンカーの小海遥選手は残り5キロで宮城をこのレースで初めてトップに押し上げてそのままフィニッシュ。「優勝はみんなの力」と喜びました。

1秒の重みを感じながら力を発揮した選手たちが、総合力で主力の欠場をカバーし、こんどは、うれし涙を流しました。

【解説】田中希実 中学生以来の区間賞でパリ五輪へはずみ

19人を抜き、一気にトップに立つ圧倒的な走りを見せた兵庫の田中希実選手。思うような結果が出せていなかった全国女子駅伝で中学生以来の区間賞に輝き、夏のパリオリンピックに向け、ことし最初のレースでさい先のよいスタートを切りました。

24歳の田中選手は、3年前の東京オリンピックの女子1500メートルで8位に入り、この種目で日本選手初の入賞を果たしたほか、去年は、女子5000メートルで従来の日本記録を23秒以上更新するなど日本の女子中長距離を引っ張るトップ選手です。

全国女子駅伝は中学2年生から経験し、今回が9回目の出場ですが、実は高校生になって以降は、区間賞がないなど目立った結果を残せておらず「どこか苦手意識があった。楽しめるはずの場所なのに楽しめていない自分がいた」と感じていました。

今大会、初めて走ることになった4キロの2区は田中選手にとって、子どものころから走ることを目標としてきた区間です。同じ兵庫県小野市出身で北京オリンピックに出場した小林祐梨子さんが2009年に29人を抜く走りを見せたからです。この時に小林さんがマークした12分7秒の区間記録を意識していたという田中選手。トップから59秒差の20位でたすきを受け取ると、スタート直後から前を走る選手たちを次々と抜いていきました。そして、2.5キロすぎに先頭に立つと、世界との勝負を見据えて磨いてきたスパートでラストの1キロでさらにペースを上げて後続を引き離しました。

小林さんの記録にわずか4秒及ばなかったものの、12分11秒の好タイムで中学3年生以来、9年ぶりの区間賞を獲得し、チームをトップに押し上げました。田中選手は「祐梨子さんの偉大さを改めて感じた」と苦笑いを浮かべながらも、中学生以来の区間賞には「不思議な感じで、感慨深い。今回ダメだったら本当にダメという気持ちだったので、吹っ切れるきっかけにはなるかなと思う」と充実した表情を見せました。

1500メートルと5000メートルの2種目で入賞することを目標とすることしのパリオリンピックに向けて、はずみをつけることし最初のレースとなりました。

ドルーリー朱瑛里 区間5位の走り「刺激になった」

去年のこの大会、中学生が走る3区で17人を抜いて区間新記録をマークした岡山のドルーリー朱瑛里(しぇり)選手は高校1年生となり、ことしは実業団や大学生の選手とも争う4キロの2区を走りました。

(左)ドルーリー朱瑛里 選手

27位でたすきを受け取ったドルーリー選手は、高校生になってから練習を重ねてきたという持ち味のスピードを生かして前の選手を次々と抜き、順位を8つあげる好走を見せました。タイムは12分47秒で、この区間で高校生のトップ、全体でも5番目の好記録でした。

ドルーリー選手は、レース後に報道陣の取材に応じ「もっといい順位でたすきを渡したかったので、悔しいです。中盤でタイムが落ちてしまい、どんな状況でも自分の力を最大限に発揮できるかどうかが大事になると感じました」と悔しそうに振り返りました。

実業団や大学生の選手と走ったことについては「トップ選手が走る姿はすごくかっこよくて憧れます。初めて一緒に走らせてもらい、モチベーションや刺激になり、自分の成長につながると思いました。私も少しでも近づけるように頑張りたいです」と振り返っていました。

今後に向けては「インターハイに向けて練習を積んでいって優勝を目指したいです。また実業団の選手と一緒に走ることができるレベルになれるように頑張りたいです」と、さらなる成長を誓いました。

【最終順位(全記録)】

▽1位 宮城 2:16:30
▽2位 京都 2:16:50
▽3位 広島 2:17:23

▽4位 千葉 2:17:25
▽5位 神奈川 2:17:34
▽6位 大阪 2:17:34
▽7位 兵庫 2:17:55
▽8位 福岡 2:18:45

▽9位 群馬 2:18:53
▽10位 鹿児島 2:19:02
▽11位 長野 2:19:22
▽12位 東京 2:19:42
▽13位 熊本 2:19:47
▽14位 岡山 2:20:03
▽15位 埼玉 2:20:09
▽16位 徳島 2:20:13
▽17位 静岡 2:20:29
▽18位 福島 2:20:46
▽19位 愛知 2:20:55
▽20位 長崎 2:21:24

▽21位 高知 2:21:42
▽22位 愛媛 2:21:50
▽23位 茨城 2:22:10
▽24位 岩手 2:22:14
▽25位 滋賀 2:22:16
▽26位 宮崎 2:22:28
▽27位 大分 2:22:51
▽28位 栃木 2:22:52
▽29位 新潟 2:23:54
▽30位 和歌山 2:24:04

▽31位 青森 2:24:08
▽32位 秋田 2:24:14
▽33位 山口 2:24:41
▽34位 山形 2:24:42
▽35位 福井 2:24:44
▽36位 岐阜 2:25:12
▽37位 鳥取 2:25:32
▽38位 三重 2:25:54
▽39位 佐賀 2:26:01
▽40位 北海道 2:26:03

▽41位 奈良 2:26:27
▽42位 島根 2:26:40
▽43位 石川 2:27:55
▽44位 山梨 2:28:58
▽45位 富山 2:29:36
▽46位 沖縄 2:30:16
▽47位 香川 2:30:38

◇区間賞◇

【1区】五島 莉乃(石川) 18分49秒
【2区】田中 希実(兵庫) 12分11秒
【3区】遠藤 蒼依(静岡) 9分16秒
【4区】鈴木 葵(福島) 12分51秒
【5区】山崎 りさ(千葉) 12分45秒 ★区間新★
【6区】谷本 観月(岡山) 13分06秒
【7区】太田 咲雪(京都) 12分31秒
【8区】男乕 結衣(宮城) 9分41秒
【9区】川村 楓(京都) 31分41秒

《レース経過》

12:30

【スタート】1区(6km)

全国女子駅伝は午後0時30分にレースがスタートしました。マラソンと同じ42.195キロを47都道府県の各チームが中学生から社会人までの9人のランナーでたすきをつなぎます。

1区は6キロで争われ、実業団女子の駅伝日本一を争う全日本実業団対抗女子駅伝で2つの区間で区間新記録をマークするなど、実績のある石川の五島莉乃選手や、先月の全国高校駅伝で1区で区間賞を獲得した大分の奥本菜瑠海選手の走りに注目です。

【1区 中間点】石川 五島莉乃がトップ独走

レースは1区の中間点となる3キロを過ぎて、石川の五島莉乃選手がトップでレースを引っ張り、18秒差で鳥取と大分が続く展開となっています。

【1区→2区(4km)】石川がトップ 五島莉乃が区間賞

レースは1区を終えて石川がトップに立っています。今月1日の能登半島地震の被災地、石川の五島莉乃選手が1区で、18分49秒で区間賞を獲得しました。
35秒差の2位に千葉、3位に熊本、4位に大阪が続いています。

【動画】◇区間賞 五島莉乃(石川)「思いを石川に届けたい」

1区で、区間新記録まであと10秒に迫る走りで区間賞を獲得した、石川の五島莉乃選手は目に涙を浮かべながら「レース中、沿道でたくさんの人から『石川、頑張れ』という声が聞こえた。走っていながら胸がいっぱいだった。皆さん、たくさんの応援ありがとうございました。石川県の皆さまに少しでも、私たちの走りが届いているとうれしい。みんなで最後まで笑顔でたすきをつないで、この思いが石川県にも届くように、ゴールを迎えたい」と、話していました。

【1区 通過順位(上位10チーム)】

▽1位 石川 18:49
▽2位 千葉 19:24
▽3位 熊本 19:25
▽4位 大阪 19:26
▽5位 愛媛 19:27
▽6位 静岡 19:28
▽7位 群馬 19:29
▽8位 宮崎 19:31
▽9位 宮城 19:32
▽10位 長崎 19:34
▽20位 兵庫 19:48 2区は田中希実
▽27位 岡山 20:07 2区はドルーリー朱瑛里

【2区】3キロ前で兵庫 田中希実が一気にトップへ

2区は4キロの2区は、20位でたすきを受けた兵庫の田中希実選手がスピードに乗った走りで次々に順位を上げ、3キロ手前でトップに立ちました。

去年の全国女子駅伝で中学生の区間となる3区で区間新記録をマークした岡山のドルーリー朱瑛里(しぇり)選手は高校1年生となり、大学生や社会人の選手たちと2区を走っています。

【2区→3区(3km)】兵庫がトップで3区へ 田中希実19人抜き

レースは2区で兵庫がトップに立ちました。20位でたすきをもらった日本の女子中距離のエース・田中希実選手が19人抜きを果たしました、14秒差の2位に千葉、3位に熊本が続いています。

2区の区間賞は兵庫の田中選手で、区間記録に4秒及ばなかったものの12分11秒の好タイムでした。

岡山のドルーリー朱瑛里選手は12分47秒の区間5位の走りで8人を抜き、順位を19位に上げました。

◇2区 区間賞 田中希実(兵庫)「五輪へ 大きな弾みに」

2区で19人を抜いてトップに立ち区間記録まであと4秒に迫る走りで区間賞を獲得した兵庫の田中希実選手は「1区の選手がすごく頑張ってくれたので、その力を受けて絶対に自分のところでトップに立ちたいという気持ちで走った」と振り返りました。また、出場が期待されることしのパリオリンピックに向けては「中学以来、この大会で区間賞をとれたことがなかったので、そうした部分ですごく大きな弾みになった」と話していました。

【2区 通過順位(上位10チーム)】

▽1位 兵庫 31:59
▽2位 千葉 32:13
▽3位 熊本 32:15
▽4位 宮崎 32:22
▽5位 宮城 32:24
▽6位 埼玉 32:27
▽7位 神奈川 32:28
▽8位 広島 32:28
▽9位 長崎 32:31
▽10位 愛媛 32:32

【3区→4区(4km)】兵庫がトップを守る

レースは3区を終えて兵庫がトップを守っています。8秒差の2位には静岡、3位は神奈川が続いています。

【3区 通過順位(上位10チーム)】

▽1位 兵庫 41:42
▽2位 静岡 41:50
▽3位 神奈川 42:04
▽4位 千葉 42:08
▽5位 群馬 42:15
▽6位 広島 42:16
▽7位 宮城 42:18
▽8位 愛媛 42:22
▽9位 徳島 42:22
▽10位 長野 42:23

【4区→5区(4.1075km)】兵庫がトップ 静岡2位

レースは4区を終えて兵庫が変わらずトップを守っています。7秒差の2位に静岡、3位に神奈川、4位に千葉、5位に宮城が続いています。

【4区 通過順位(上位10チーム)】

▽1位 兵庫 55:02
▽2位 静岡 55:09
▽3位 神奈川 55:12
▽4位 千葉 55:12
▽5位 宮城 55:22
▽6位 滋賀 55:36
▽7位 大阪 55:37
▽8位 徳島 55:39
▽9位 広島 55:40
▽10位 熊本 55:47

【5区→6区(4.0875 km)】兵庫がトップ 千葉が2位浮上

レースは5区で千葉がトップに迫りましたが最後のスパートで兵庫が突き放してトップを守りました。3秒差の2位に千葉、トップと43秒差の3位に広島、4位に宮城、5位に神奈川が続いています。

◇5区で区間新記録 山崎りさ(千葉)・池野絵莉(兵庫)

5区で、千葉の山崎りさ選手が、これまでの記録を8秒更新する、12分45秒の区間新記録をマークしました。また、兵庫の池野絵莉選手も、これまでの記録より1秒早い、12分52秒をマークしました。

区間新記録 山崎りさ(千葉)「何が何でもチームに貢献を」

5区で区間新記録を出して区間賞を獲得した千葉の山崎りさ選手は「能登半島地震で多くの被害が出ている中、大会を開いてもらえたことに対する感謝の気持ちと、自分の区間で先頭に立って、何が何でもチームに貢献するという思いで走った」と話していました。

池野絵莉(兵庫)「ラストでしっかりと粘れた」

5区でこれまでの区間記録を1秒上回るタイムを出した兵庫の須磨学園の1年生、池野絵莉選手は「先頭で来ると思っておらず緊張していたのですが、1位でたすきをもらったからには1位でつなぎたいという気持ちで走りました。ラストでしっかりと粘ることができたのでよかったです」と話していました。

【5区 通過順位(上位10チーム)】

▽1位 兵庫 1:07:54
▽2位 千葉 1:07:57
▽3位 広島 1:08:37
▽4位 宮城 1:08:38
▽5位 神奈川 1:08:38
▽6位 大阪 1:08:42
▽7位 京都 1:08:59
▽8位 熊本 1:09:06
▽9位 埼玉 1:09:09
▽10位 徳島 1:09:14

【6区→7区(4km)】兵庫が依然トップ 千葉・宮城などが追う

レースは6区でトップの兵庫が2位の千葉との差を19秒に広げました。トップと40秒差の3位に宮城、4位に神奈川、5位に大阪が続いています。

【6区 通過順位(上位10チーム)】

▽1位 兵庫 1:21:10
▽2位 千葉 1:21:29
▽3位 宮城 1:21:50
▽4位 神奈川 1:21:51
▽5位 大阪 1:22:02
▽6位 広島 1:22:07
▽7位 京都 1:22:20
▽8位 静岡 1:22:38
▽9位 埼玉 1:22:39
▽10位 徳島 1:22:55

【7区→8区(3km)】兵庫が首位守る 千葉との差を広げる

レースは7区でトップの兵庫が2位の千葉との差を24秒に広げました。トップと47秒差の3位に宮城、4位に神奈川、5位に大阪、6位に京都が続いています。残りは2区間です。

【7区 通過順位(上位10チーム)】

▽1位 兵庫 1:33:55
▽2位 千葉 1:34:19
▽3位 宮城 1:34:42
▽4位 神奈川 1:34:45
▽5位 大阪 1:34:51
▽6位 京都 1:34:51
▽7位 広島 1:34:55
▽8位 埼玉 1:35:47
▽9位 静岡 1:35:54
▽10位 福岡 1:36:03

【8区→9区(10km)】兵庫トップ 宮城が2位浮上でアンカー勝負へ

レースは8区を終え、兵庫がトップを守っていますが、7区でトップと47秒差の3位でたすきをつないだ宮城が2位に上がり、トップとの差を9秒に縮めました。トップと35秒差の3位に神奈川、4位に千葉、5位に大阪が続いています。このあとはアンカー区間の9区で、最も長い10キロで争われます。

【8区 通過順位(上位10チーム)】

▽1位 兵庫 1:44:14
▽2位 宮城 1:44:23
▽3位 神奈川 1:44:49
▽4位 千葉 1:44:49
▽5位 大阪 1:44:49
▽6位 広島 1:45:00
▽7位 京都 1:45:09
▽8位 静岡 1:46:11
▽9位 岡山 1:46:24
▽10位 埼玉 1:46:26

◇上位チーム アンカーは◇

▽兵庫:太田 琴菜 (日本郵政グループ)
▽宮城:小海 遥 (第一生命グループ)
▽神奈川:出水田 眞紀 (第一生命グループ)
▽千葉:上杉 真穂 (千葉陸協)
▽大阪:中野 円花 (岩谷産業)
▽広島:谷本 七星 (名城大)
▽京都:川村 楓 (岩谷産業)

▽東京:新谷 仁美 (積水化学)
▽秋田:鈴木 優花 (第一生命グループ)

【9区 中間点】兵庫と宮城が並ぶ 京都も迫る

レースはアンカーの9区に入り、3キロ手前で2位の宮城がトップの兵庫に並んで中間点となる5キロを通過しました。トップと6秒差の3位に京都、4位に千葉、5位に神奈川が続いています。

【9区 中間点 通過順位(上位5チーム)】

▽1位 兵庫 2:00:58
▽2位 宮城 2:00:59
▽3位 京都 2:01:04
▽4位 千葉 2:01:05
▽5位 神奈川 2:01:09

【9区 9km地点】残り1km 宮城がトップ 京都が続く

レースは9区途中で追い上げた宮城のアンカー小海 遥選手が後続を引き離して、残り1キロとなりました。

宮城 29年ぶり2回目の優勝

レースは最終9区で逆転でトップに立った宮城がこのまま逃げ切り、29年ぶり2回目の優勝を果たしました。2位は京都、3位は広島でした。

石川チームも予定どおり出場 募金箱も

能登半島地震の被災地、石川のチームは被災した地域から出場する選手もいましたが、1人のエントリー変更もなく14日の大会を迎えました。

1区を走る五島莉乃選手は全日本実業団対抗女子駅伝で2つの区間で区間新記録をマークするなど、実績のあるランナーで、レース前、リラックスした表情で体を動かしていました。

また、競技場周辺では被災地への募金活動も行われています。オリンピックの女子マラソンで2大会連続のメダルを獲得した有森裕子さんらが「大会応援とともに能登半島救済募金にもご協力お願いいたします」などと支援を呼びかけていました。

《レースの見どころ》

42回目を迎える都道府県対抗の全国女子駅伝は、京都市の「たけびしスタジアム京都」をスタートとフィニッシュとするマラソンと同じ距離のコースで争われ、中学生から社会人までの9人のランナーがたすきをつなぎます。

最多18回の優勝を誇る地元、京都のほか、実力のある選手をそろえた兵庫や宮城、それに東京を中心とした激しい優勝争いが見込まれます。

能登半島地震の被災地、石川のチームは、補欠を含めて13人のエントリー選手を変更せず予定どおり大会に参加します。

また、ことし夏のパリオリンピックのマラソン代表に内定している鈴木優花 選手が秋田のアンカーとして、去年、女子5000メートルで日本新記録をマークし、世界選手権では8位に入賞した兵庫の田中希実 選手が、この大会9回目の出場で初めて2区を走ります。

さらに、去年の全国女子駅伝で中学生の区間となる3区で区間新記録をマークした岡山のドルーリー朱瑛里(しぇり)選手は高校1年生となり、田中選手と同じ、2区を走ります。

兵庫 田中希実「初心に返って走りたい」

兵庫の田中希実選手は、この大会9回目の出場で初めて2区を走ることから「自分のリズムで周りに惑わされずに走ることが大事だなと思うが、後先考えずに突っ込んでいくのも大事なので、すごく悩みどころだ。初めて出場した時と同じくらい今は緊張しているので初心に返って、ことしこそしっかり走りたいと思う」と意気込みを話していました。

大会組織委“迷惑な撮影・写真や動画の悪用しないよう呼びかけ”

一方、この大会の組織委員会は、アスリートの盗撮被害などが深刻な問題となっているとして、選手に対する迷惑な撮影や写真や動画の悪用をしないよう呼びかけています。

《コースの特徴》

マラソンと同じ42.195キロの9つの区間で争われるレース。各区間の特徴と見どころです。

◆1区(6km)

1区はスタートの「たけびしスタジアム京都」から西大路通りを北に向かって走る6キロのコースで終盤の上りが勝負のポイントです。

注目は石川から出場する五島莉乃選手です。実業団女子の駅伝日本一を争う全日本実業団対抗女子駅伝では2つの区間で区間新記録をマークするなど、実績のあるランナーです。

また、全校高校駅伝で各校のエース級が集まる1区で区間賞を獲得した大分の奥本菜瑠海選手にも注目です。

◆区間最高記録:18分39秒◆
廣中 璃梨佳 【長崎】38回 (2020年)

◆2区(4km)

2区はカーブが続く4キロのコースで、2009年の大会では北京オリンピックに出場した兵庫の小林祐梨子さんが大会史に残る29人抜きの快走を見せ、区間新記録をマークしました。

15年ぶりの区間記録更新へ期待がかかるのが同じ兵庫の田中希実選手です。日本の女子中距離のエースで、去年開かれた陸上の世界選手権では5000メートル予選で日本新記録をマークし、8位入賞を果たしました。

岡山のドルーリー朱瑛里(しぇり)選手は去年の全国女子駅伝で中学生の区間となる3区で17人抜きの驚異的な走りを見せ区間新記録をマークしました。高校1年生となって全国高校総体1500メートルで日本人トップの3位となるなど着実に成長を続けていて、目標に掲げる田中選手をはじめ、実業団や大学生などの力のある選手を相手にどのような走りを見せてくれるのか注目です。

◆区間最高記録:12分07秒◆
小林 祐梨子 【兵庫】27回 (2009年)

◆3区(3km)

3区は京都御所沿いの3キロのコースで中学生が出場します。

ドルーリー選手と同じ岡山の黒田六花選手は全国中学駅伝の優勝メンバーで、全国中学校体育大会の1500メートルでも優勝した将来が有望な選手の1人です。

また、東京の一兜咲子選手は去年、この区間で2年生ながら7人抜きの力走で区間3位の成績を残しています。

◆区間最高記録:9分02秒◆
ドルーリー 朱瑛里 【岡山】 41回 (2023年)

◆4区(4km)

4区は銀閣寺のそばを走る4キロのコースで、後半の上りが勝負を左右します。

去年、この区間で区間賞を獲得した京都の立命館宇治高校の山本釉未選手や、兵庫の石松愛朱加選手など、力のある選手がそろっています。

◆区間最高記録:12分29秒◆
不破 聖衣来 【群馬】 40回 (2022年)

◆5区(4.1075km)

5区は折り返し地点の京都国際会館までを走る4キロ余りの区間です。

全国高校駅伝で2位に輝いた仙台育英高校の長岡みさき選手など実力のある高校生たちがそろいました。

◆区間最高記録:12分53秒◆
五十嵐 妙子 【宮城】13回 (1995年)/三原 梓【京都】38回 (2020年)

◆6区(4.0875km)

6区は折り返し地点を過ぎて最初となる4キロ余りのコースで、白川通を南に下ります。歴代の優勝チームはいずれもこの区間を終えた時点で5位以内につけていて勝負のポイントになる区間です。高校生ランナーたちの激しい争いが期待されます。

◆区間最高記録:12分37秒◆
筒井 咲帆 【群馬】 34回 (2016年)

◆7区(4km)

7区は鴨川を渡るまでの4キロの区間です。鴨川を渡ると8区の中学生たちが待ちます。

◆区間最高記録:12分21秒◆
小島 一恵【京都】25回 (2007年)/村松 結【京都】38回 (2020年)

◆8区(3km)

8区は3キロのコースで中学生が出場する2つ目の区間です。

宮城の男乕結衣選手は去年の3000メートルのタイムが中学生で最も速く、将来が有望な選手の1人です。

◆区間最高記録:9分30秒◆
川西 みち【福岡】 40回 (2022年)

◆9区(10km)

アンカーの9区は最も長い10キロで、中盤以降に下りが続くコースを走って、フィニッシュの「たけびしスタジアム京都」を目指します。

秋田の鈴木優花選手は、ことし夏のパリオリンピックのマラソン代表に内定していて、新年最初のレースで弾みをつけられるか注目です。

このほか、女子マラソンで日本歴代2位の記録を持つ東京の新谷仁美 選手など国際大会でも実績のあるランナーがそろいます。

◆区間最高記録:30分52秒◆
福士 加代子 【青森】22回 (2004年)