食品ロス削減 アジアのフードテック企業が新ビジネス展開

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経済成長に伴って食品ロスが増えているアジアの国々では、さまざまな企業が食品ロスを減らすために知恵を巡らせています。

捨てられるパンをビールに シンガポール

シンガポールでは、食品ロスを原料にして新しい商品を作る取り組みが進められています。例えばビール。使われているのは、工場で出荷されずに捨てられることになっていた「パン」です。

原料の麦芽の一部がパンに変わることで、香ばしさが増すといいます。開発したのは3年前に創業したフードテック企業で、バーやスーパーで広く売られています。

バーでこのビールを飲んでいた客の1人は「ビールが食品ロスのパンからできていると知ってとても驚いている」と話しました。

開発した企業では3年間で2500キロ以上の食品ロスを減らしたとしていて、今後さらにこうした商品を増やしていく計画です。

フードテック企業 トラビン・シンCEO

「私たちは楽しく食品ロス対策ができる商品を作った。目標は2030年までに世界の食品ロスの1%を減らすことだ」

売れ残った食品をアプリで注文 タイ

スマートフォンのアプリを使って食品ロスを大幅に減らそうという動きもあります。

タイ・バンコクにあるクロワッサンの専門店は、店内で焼き上げたものをその日のうちに提供するのがこだわりです。

しかし売れ残りが出てしまうと、閉店の際に捨てるしかありません。毎日2割程度が食品ロスになっていました。

そこで店はアプリの利用を始めました。売れ残りそうな商品をアプリに登録すると、それを見た利用客が注文します。価格は定価の半額程度のものもあるということです。

そしてアプリによって手配された配達員がバイクで商品を運びます。アプリの利用客の1人は「質がいいものを手ごろな値段で買えるのはとてもいいと思う。いろいろなものの値段が上がっているので」と話します。

このアプリには約200店が登録していて、2年間で約2万5000食の食品ロスを削減できたといいます。

クロワッサン店でもアプリを利用したことで捨てる量が半分以下に減りました。

クロワッサン店 ナタパスさん

「このアプリは売れ残りを減らすよう毎日手助けをしてくれる。これからも使っていきたい」

アジアは環境対応が遅れている印象もありますが、タイでは循環型ビジネスを経済成長のエンジンにするため国を挙げて強化しています。中国でも今、食べ残しを減らそうという取り組みが進められています。

(アジア総局 記者 影圭太)

【2022年8月4日放送】

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