農業ロボットを中山間地に 農作物の運搬が負担となっている農家の助っ人

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みかんなど斜面で栽培される農作物の運搬は、農家にとって大きな負担となっています。斜面が多い日本ならではの課題を、ロボット技術で乗り越えようという取り組みが進んでいます。

※これまでの放送の中から反響の大きかった企画をお届けします。

故郷のみかん農家を助けたい 電動一輪車を開発

東京・葛飾区にある創業6年のベンチャー企業「キューボレックス」。社長の寺嶋瑞仁さん(29)は、出身地・和歌山県のみかん農家でアルバイトした体験をもとに、車輪がモーターで動く電動一輪車を開発しました。

車輪部分のパーツは、普通の一輪車にあとから取り付けることもできるように工夫しました。斜面でも100キロの荷物を運べるパワーがあるということです。

社長の寺嶋さんは和歌山高専に在学中にロボットづくりに熱中し、2010年の全国高等専門学校ロボットコンテストで準優勝した経験もあります。

寺嶋さんは学んだ技術で農業の課題を解決したいと、仲間と起業。人が乗れるタイプもつくり、みかんやジャガイモなどを作る農家の間で徐々に普及しています。

寺嶋瑞仁社長
「農業全般に言えることだが運搬が発生しない作業は基本ない。その地域に合った製品を作り上げ貢献したい」


大手が挑む4脚歩行ロボット開発

大手機械メーカーも農業分野にロボットを活用しようとしています。川崎重工業がいま開発しているのが、4脚歩行のロボット。重さ100キロの荷物を載せて斜面などを歩くことができるといいます。

最新のシステムでそれぞれの脚の関節の角度を制御し、歩行中にバランスを崩して倒れないようにしています。

こうすることで、タイヤでは通ることができないぬかるんだ山道を登ったり、階段を上ったりすることができるよう開発を進めています。

さらに、平地の場合はより速く移動できるよう、タイヤを付けました。

今後、実際の斜面でものを運搬する実験に進み、転倒を防ぐ制御技術を高めて実用化を目指します。

大手機械メーカー ロボットディビジョン長 髙木登さん
「全世界で(研究が)進んでいない分野。(将来的に)海外にも展開していきたいと考えている」

4脚歩行するロボットは建設現場や物流、災害現場での活用も視野に開発を進めているということです。斜面の多い日本ならではの課題を解決する研究が、世界をリードする技術になればと思います。

【2022年7月6日放送、初回放送5月10日】

※再放送にあたり、情報を一部更新しました。