“デジタル桜” NFTやブレインテック 新ビジネスが開花?

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お花見シーズン真っただ中。デジタル技術でつくられた“桜”を楽しめるスポットが東京都内に続々とオープンしています。そこには「NFT」や「ブレインテック」といった、新しいビジネスを生み出す注目の技術が満載です。

世界で10枚の桜アートが10分で完売 NFTで本物証明

東京・千代田区の商業ビルの一角にあるアートスペース。映像を使ったイベントなどを手がける会社「NAKED」が、現実とアートの融合を目指してさまざまな仕掛けをつくっています。

例えば入り口で手を消毒するコーナーでは、手のひらに花が咲くように見えます。

スペースの中央には桜のアートが展示されています。桜の花のプロジェクションマッピングと、桜をイメージしたオブジェを組み合わせた空間です。

この会社は3月、桜をイメージしたデジタルアートの販売を始めました。唯一無二の本物であることを証明するデジタル技術「NFT」が使われています。

1つの作品をあえて10枚に分割し、世界に10枚しかないコレクションとして1枚5万円で販売したところ、10分で完売したそうです。

代表 村松亮太郎さん

「リアルな世界もオンラインの世界もシームレス(一体的)になってくる。この感覚がもっと進んでいくだろう。すべてが共存していく時代になると思っている」

脳波に合わせて咲く“自分だけの桜”

大手通信会社「KDDI」が最先端の技術を展示している東京・中央区のイベントスペースでは、本物の桜のようなリアリティーを生み出そうと、高速・大容量の通信技術5Gや最新のセンサーなどを使っています。

この会社がスタートアップ企業と連携して開発したのが、脳波に合わせてデジタルの花が変化する技術です。

花を見ている人の耳につけた機器で脳波を計測。

リラックスしたときに出るというアルファ波のほか、ベータ波、ガンマ波など4種類の脳波とその強さに応じて、600種類以上の花に変化するということです。

大手通信会社ブランドマネジメント部 西原由哲さん

「新たな体験価値をつくる手段として、脳波というものが1つある。その入り口として今回の桜はとても有効かと思っている」

ブレインテックで認知症治療や集中力アップも?

脳波の計測機器を開発したスタートアップ企業「VIE STYLE」は、耳につけるだけという手軽さを生かし、将来的には脳波のデータを集めて認知症などの診断や治療につなげられないか、またスポーツや勉強の時に集中力を高めることに役立てられないか、実験を続けています。

スタートアップ企業 茨木拓也さん

「脳の情報を使うと、こんな事業や新しいサービスが生まれるといった世界にしていくことに貢献できたらと思う」

脳波を活用した技術は「ブレインテック」と呼ばれる分野の1つです。2年後の2024年には5兆円規模の市場になるという予測もあり、商業化を目指す動きが世界で広がっています。
【2022年4月5日放送】