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浪江町 屋内退避の目安超える

東電福島第一原子力発電所から北西に30キロ余りの浪江町の地点で、3日までの11日間、連続して屋外にいた場合に浴びる放射線の量が、屋内退避の目安とされる10ミリシーベルトを超えました。
この地点では、それ以前からも高い放射線量が続いていますが、国の原子力安全委員会は「地域は限定的であり、現時点では屋内退避の地域を変更する状況にはない」としています。
しかし、専門家は「国が決めた目安の値を超えているのに、住民への十分な説明がないのは問題で、国は住民への説明責任を果すべきだ」と指摘しています。
文部科学省は、避難や屋内退避の指示が出ていない30キロ圏外の地域でも、局地的に比較的高い放射線が検出されていることから、合わせて13か所に放射線量を連続して測定し積算できる計測器を設置し、放射線量の変化を監視しています。
その結果、原発から北西30キロ余りに位置する浪江町の1か所で、3日までの11日間、仮に連続して屋外にいた場合の積算で、10.3ミリシーベルトの放射線量が検出されました。
この値は、自然に浴びる放射線や医療用を除いて、一般の人が浴びて差し支えないとされる限度の値の10倍ですが、直ちに健康に影響が出るレベルではありません。
しかし、国は一般の住民の被ばく量を少しでも減らすため、屋内退避の適用を検討する目安とされる値として10ミリシーベルトを示していて、その値は超えています。
この地点では、それ以前からも高い放射線量が続いていましたが、国の原子力安全委員会は「目安の放射線量を超えている地域は限定的であり、現時点では屋内退避の地域を変更する状況にはない」としています。
これについて、放射線の人体への影響に詳しい広島大学原爆放射線医科学研究所の星正治教授は「国が決めた目安の値を超えているのに、住民への十分な説明がないのは問題だ。値はあくまで目安なので、状況に応じて対応を検討することは必要だが、不安を感じている住民への説明責任を果すべきだ」と話しています。

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