【アイルランド(1位)×ニュージーランド(4位)】
パリ近郊のサンドニにあるスタッド・ド・フランスでは、世界ランキング1位のアイルランドと世界4位のニュージーランドの優勝候補どうしが対戦します。
◆アイルランド◆
《プールB》
○アイルランド 82-8 ルーマニア
○アイルランド 59‐16 トンガ
○アイルランド 13‐8 南アフリカ
○アイルランド 36‐14 スコットランド
アイルランドは1次リーグのプールBを4連勝で勝ち上がってきました。
前回優勝の南アフリカとの接戦を制し、ほかの3試合は危なげない戦いぶりでした。
アイルランドの持ち味は、なんと言っても鉄壁のディフェンスです。
緻密な戦略と組織的なプレーに優れ、隙がありません。
1次リーグで奪われたトライの数は、わずかに5つで、フランスとならび最少です。
フィジカルをいかしたラグビーを展開する南アフリカに対してもしっかりと攻撃をしのいで8点で抑えるなど安定しています。
攻撃面で目が離せないのが、司令塔のジョナサン・セクストン選手(38)です。
2018年の世界最優秀選手を受賞しているチームのキャプテンは、今大会がワールドカップ4回目の出場。パス、キック、タックルと高い総合力で、今大会も、ここまで51得点をあげ、得点ランキング3位につけています。
◇ニュージーランド◇
《プールA》
●ニュージーランド 13‐27 フランス
○ニュージーランド 71-3 ナミビア
○ニュージーランド 96-17 イタリア
○ニュージーランド 73-0 ウルグアイ
ニュージーランドは、今大会の開幕戦で地元・フランスに敗れ、史上初めて1次リーグで敗れる屈辱を味わいました。
しかし、その後は存分に強さを発揮して3連勝し、決勝トーナメントに勝ち上がってきました。
身体能力抜群の選手たちが豊富な運動量と圧倒的な体の強さで展開するスピードあふれるラグビーは健在です。
大会直前のテストマッチで日本に勝利した世界11位のイタリアに対しても14個のトライを奪って96点の圧勝劇を見せるなど攻撃力の高さが際立っています。
注目は、スクラムハーフのアーロン・スミス選手です。
パスやキックにも定評があるほか、相手のディフェンスを置き去りにするスピードも兼ね備え、変幻自在の攻撃を繰り広げます。
鉄壁のディフェンスを誇るアイルランドが試合をコントロールするのか、身体能力をいかした攻撃でニュージーランドが本領を発揮するのか、目が離せません。
【ウェールズ(7位)×アルゼンチン(8位)】
15日のもう1試合は、スタッド・ド・マルセイユで、世界7位のウェールズと世界8位のアルゼンチンが対戦します。
◆ウェールズ◆
《プールC》
○ウェールズ 32-26 フィジー
○ウェールズ 28-8 ポルトガル
○ウェールズ 40‐6 オーストラリア
○ウェールズ 43-19 ジョージア
ウェールズは、一番の激戦区と言われたプールCを4連勝の1位で通過しました。
ウェールズは、伝統的に堅いディフェンスが持ち味です。
特に今大会、強さを誇るのがスクラムです。成功率は驚異の98%で、出場チームでトップです。
過去2回優勝しているオーストラリア戦でもマイボールのスクラムから相手の反則を誘い、ペナルティーゴールを決める場面もありました。
スクラムの中心選手は、プロップのトマス・フランシス選手です。
身長1メートル85センチ、体重135キロの肉体に加えて、ワールドカップ3大会連続出場の経験をいかして、ウェールズのフォワードを統率しています。
◇アルゼンチン◇
《プールD》
●アルゼンチン 10-27 イングランド
○アルゼンチン 19-10 サモア
○アルゼンチン 59ー5 チリ
○アルゼンチン 39-27 日本
アルゼンチンは、1次リーグで黒星スタートとなりましたが、最終戦で日本との死闘を制して、決勝トーナメント進出を果たしました。
今大会、目立っているのが、両ウイングの活躍です。
エミリーアーノ・ボッフェーリ選手は、プレースキッカーとして多くの得点を挙げているほか、日本戦とサモア戦で1つずつトライを決めて、ここまでチームトップの35得点を挙げています。
また、逆サイドのウイング、マテオ・カレラス選手は、抜群のフットワークから日本戦で3つのトライを挙げました。
一方、スクラムの成功率が、準々決勝に進出したチームの中で最下位となっていますが、マイケル・チェイカヘッドコーチは、1次リーグ最終戦の日本戦の後に「改善してきている」と話しました。
決勝トーナメントを勝ち進むうえで、本来、強じんなフィジカルが持ち味のフォワード陣の奮起も欠かせません。
ウェールズの堅い守備を、アルゼンチンがサイドを攻めて崩すことができるのかが勝負の行方を占うポイントの1つとなりそうです。
後編では、日本時間の16日に行われる残りの2試合の見どころをまとめます。