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ラグビーワールドカップの現場から! ~Our Teamへ 取材班の報告~

史上初のベストエイト!荒々しくも計算され尽くしたプレーの連続に日本中が熱狂し、数多くの”にわか”ファンが生まれたラグビーのワールドカップ日本大会から4年。再びあの興奮が帰ってきます。新たな舞台はフランス、前回大会を上回るベストフォー以上を目標に掲げる日本代表の戦いに現地取材班が迫る取材日誌がスタートです。(日付はすべて現地時間)

目次

    10/9 藤井ディレクターが大会を総括

    報告:小林達記記者

    8日の試合でアルゼンチンに敗れ、1次リーグの戦いを終えた日本。死闘から一夜明けた9日、日本代表の藤井雄一郎ナショナルチームディレクターがオンラインで取材に応じました。

    これが現地からの最後の報告になります。日本代表の長い戦いをともに歩ませていただきました選手・スタッフの皆様、視聴者・ファンの皆さま、本当にありがとうございました。

    藤井雄一郎NTディレクター
    ―― アルゼンチン戦の敗因ついて
    いくつかタックルミスがあり、 もったいないトライがあった。選手はみんな頑張っていたが、勝負どころで点を取ったあとにすぐ取られてしまった。

    ―― 2大会連速のベストエイト入りを逃した
    最後の最後、逆転できるかどうかの場面でできなかった。選手たちは持っているものをすべて出して戦ってくれた。責任はすべて私にある。そこは真摯に受け止めたい。

    ―― 今後、日本が強化しなければいけないポイントは
    選手たちに国際経験を積ませる環境を作っていくことが大事になってくる。敗因となった勝負どころでのプレーの差は、経験を積まないと埋まっていかない。チーム内の競争も含めて層を厚くしていかなければならない。

    また、退任するジェイミー・ジョセフヘッドコーチと試合後部屋で交わしたやりとりについても明かしました。
    ジョセフヘッドコーチからは一緒にチームを率いてきたこれまでを振り返り「ありがとう」と感謝のことばを伝えられたということです。

    藤井ディレクター
    (ジェイミーは)人前ではなかなか泣かない男だが、そのときだけは涙を流していたと思う。

    日本代表のワールドカップはいったん終わりますが、再びエベレストの頂点を目指す戦いが新チームでスタートします。

    番外・アルゼンチン戦のメンバー

    報告:小林達記記者

    日本代表は、第4戦のサモア戦に向けた23人のメンバーを発表しました。先発にはキャプテンの姫野和樹選手やサモア戦で活躍したレメキ ロマノ ラヴァ選手などが入りました。

    まずは15人の先発メンバーからです。
    フォワードの8人はイングランド戦、サモア戦と同じメンバーで、キャプテンの姫野和樹選手やベテランのリーチ マイケル選手が順当に先発に名を連ねました。

    続いてバックスの7人です。
    スクラムハーフには、サモア戦で直前にスタメンに入った齋藤直人選手がこの試合も入りました。 サモア戦から入れ代わったのはウイングで、ジョネ・ナイカブラ選手に代わって今大会初出場初先発となるシオサイア・フィフィタ選手が入りました。
    司令塔のスタンドオフには、今大会キックが絶好調の松田力也選手、フルバックにはサモア戦で活躍したレメキ ロマノ ラヴァ選手が入りました。

    控えメンバーには、けがの選手に代わって招聘されたベテランの山中亮平選手が今大会初めて入りました。

    ヘッドコーチ・選手の声

    ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ
    選手たちのメンタルやフィジカルのコンディションはすばらしい状態にある。相手にとっても自分たちにとっても大切な試合になる。これまで練習してきたタックルやスクラム、モールといった部分で成果を出していきたい。80分間にわたって自分たちのラグビーをすることが大切だ。

    ーー 今大会初めて起用するフィフィタ選手について
    ここ最近、すばらしいプレーを見せてくれていた。彼はグラウンドに出て貢献できるとてもいい選手で、アルゼンチン戦には必要だ。


    姫野和樹主将
    アルゼンチン戦はフィジカルな試合になると思うが、ここ数試合、そういう試合をしてきた自信がある。相手の情熱的でフィジカルなラグビーに対して自分たちが受けずに倒していくことでゲームの流れをつかめると思っている。注目の一戦になると思うが、自分の役割を100%遂行することしか考えていない。1次リーグを突破するには全員が自分の役割と仕事を理解して力を発揮することだ。そうすれば自分たちのほしい結果がついてくる
    ーー 日本のファンに向けて
    アルゼンチン戦は大一番で死闘になると思う。その中で声援がパワーになる。われわれ日本代表だけではなく、日本中でワンチームとなって戦うことが死闘を制するキーポイントになる。ぜひ大きな声援をよろしくお願いします。


    シオサイア・フィフィタ選手(初出場初先発)
    メンバー発表で名前が呼ばれたときはうれしかった。やっとチャンスが来たのでワクワクしている。フィジカルで勢いを生み出し相手の弱いところにアタックしていきたい。キックを蹴り合う展開になると思うので、その中でウイングとしての役割を果たしたい。相手にビッグタックルをしたい。


    稲垣啓太選手
    チームの状態はよくなってきている。選手個人の能力が上がってきていると思うし、それに比例してチームの能力も上がってきている。80分間かけてスクラムやラインアウトでプレッシャーをかけられるよう準備してきた。大事なのはマイボールを確実にバックスに供給することだ。やってはいけないことは反則を重ねること。ロースコアの試合になると思っているが、一つの反則が相手のペナルティーゴールでの3点につながるし、陣地を一気に回復されて勢いを与えてしまう。

    ーー 試合に臨む日本代表を『侍』に例え
    侍が刀を抜いたら相手を殺すか自分が死ぬかの2択だ。今のチームの状況はそれに似ている。いまが刀を振るときだと思っている。


    中村亮土選手
    (アルゼンチンは)ディフェンスがしっかりしている。選手1人ひとりのタックルがいいし、ジャッカルができるメンバーもたくさんいる。規律をしっかり保っていて簡単には突破できないチームだと思う。(試合では)キックの使い方が重要になってくる。ディフェンス面はこれまでよりもレベルアップして臨まないと接戦で勝つことはできない。

    ーー 攻撃面では
    速いプレーでアタックし続けることだ。フェーズを重ねていくと、相手はペナルティーをしやすい傾向にある。しっかりスペースにボールを運びトライにつなげてきたい。

    ーー 大一番を前にした心境について
    特別な気持ちだ。日本ラグビーにとっても今回の一戦は大事だと思っている。もちろん結果を求めていくが、1つ1つのプレーが未来の日本代表にとって大事なものになる。魂を込めて全力を尽くしたい。

    10/6 フランス戦をファンゾーンで

    報告:森脇貴大記者

    パリ市中心部のコンコルド広場に設置されたファンゾーン”ラグビービレッジ”です。巨大なスクリーンが設置され、最大3万9000人が試合を観戦することができます。

    6日はフランス対イタリアのパブリックビューイングが行われ地元フランスを応援しようと大勢のファンが訪れ熱気に包まれました。

    会場にはビールや食べ物を販売するブースや、公式グッズを販売する店があるほか、中央に設置されたステージではイベントも開催され、試合開始の2時間前から多くの人が集まっていました。

    8日の日本対アルゼンチンの試合に行くという日本のファンもいましたよ

    パリに住んでいるフランス人の男性は「初めて来ましたがとてもいい雰囲気で、今後もフランスとの試合の時は毎回来たいと思います」と話していました。

    試合開始前、リヨンの試合会場でフランスの国歌斉唱が始まると、ラグビービレッジでも多くのファンが一緒に国歌を歌い、試合前から会場は熱気に包まれました。

    そして試合が始まるとフランスがトライを決めるたびに、ガッツポーズをしたりフランスの国旗を振ったりして大きな歓声を上げていました。

    そしてフランスが勝利が決まった瞬間、ビールのコップを放り投げるなどして喜びを爆発させていました。

    応援に来ていたフランス人の男性は「イタリアはいいチームだったが勝ててよかった。今回はフランスでの開催なのでフランスは勝たなければいけません。激しい戦いが続くと思いますが決勝まで言って欲しいです」と。

    地元で悲願の優勝を「行け!フランス!」

    10/5 アルゼンチン戦へ トゥールーズで最後の会見

    報告:小林達記記者

    大一番のアルゼンチン戦を控えた日本代表。5日にベースキャンプ地のトゥールーズから次の試合会場となるナントに移動しました。
    移動前にトゥールーズで最後の会見が行われ、チーム最年少で21歳のロック、ワーナー・ディアンズ選手や同じくロックのジャック・コーネルセン選手、それに藤井雄一郎ナショナルチームディレクターが取材に応じました。

    ワーナー・ディアンズ選手
    アルゼンチンは情熱があり、フィジカルが強いチームだ。タフな試合になると思うが、ディフェンスでターンオーバーしたい。スクラムでは相手からプレッシャーを受けた際、重心を下げないようにする。自分たちのラグビーを信じてやるだけだ。ここでベスト8に進出できれば、日本ラグビーは大きく成長できると思っている。

    ジャック・コーネルセン選手
    アルゼンチンはボールを持って前進してくるプレーが強いので、フォワードでしっかり相手の勢いを止めたい。たくさん練習してきたディフェンスでターンオーバーし、そこからジャパンのラグビーを展開していきたい。アルゼンチンはセットプレーでプレッシャーをかけてくると思う。そこで彼らのゲームをさせないようにしたい。スクラムからアタックしてくることが彼らの強みだと思うので、そこで勝っていくことがキーポイントになると思う。

    藤井雄一郎ナショナルチームディレクター
    次のアルゼンチン戦は負ければそこで終わり。いまから酸素濃度が低いデスゾーンに入る。生きるか死ぬかの戦いで、みんな覚悟を決めている。チームの仕上がりは一番いいところにきている。それぞれの選手のよさがすべて出れば、決してかなわない相手ではない。

    ―― アルゼンチン戦のポイント
    キックとセットプレー、そこの勝負になってくるのではないか。アタックのプレー全般はそこまで脅威ではないが、個人のスピードやキックの精度に加え、プレースキックがうまい。日本はここまでペナルティーを少なくできているので、この状態を保っていけばいい試合ができると思う。

    日本が入った1次リーグのプールDは、3連勝のイングランドがすでに1位通過を決めていて、日本は次のアルゼンチン戦に勝てば、2大会連続の決勝トーナメント進出が決まります。

    10/5 ラグビーコロッケで代表にエール

    報告:小林達記記者

    報告:森脇貴大記者 寺岡祥平カメラマン

    日本とアルゼンチンの試合が行われるフランス西部のナントで日本料理を提供している飲食店では、ラグビーボールの形をした「ラグビーコロッケ」を特別メニューとして提供し、日本代表にエールを送っています。

    ナントにある日本料理を提供している飲食店では、8日の日本対アルゼンチンの試合に向け日本代表にエールを送ろうと、5日から3日間、1日5個限定で特別メニュー「ラグビーコロッケ」を提供しています。

    「ラグビーコロッケ」は、芝生に見立てたキャベツの上に、ラグビーボールの形をした重さおよそ200グラムの大きなコロッケがのっていて、横にはにんじんで作ったゴールポストが添えられています。

    コロッケの中には、じゃかいもとたまねぎ、牛肉と豚肉の合いびき肉のほか、ゆで卵がまるまる1個入っていて、開店してすぐに注文が入っていました。

    「ラグビーコロッケ」を食べた20代のフランス人男性は「大きくて、しっかり調理されていておいしい。ナントの町でワールドカップが開催されるのはうれしいし、日本のサポーターの着ている赤と白のユニフォームで町が彩り、賑わっているのはすごくいいことだ」と話していました。

    ラグビーコロッケを作った料理長の久保田暁さんは、自身も中学から大学までラグビーをプレーしていて、日本代表の司令塔、松田力也選手の恩師から指導を受けたことがあるということです。

    久保田さんは「コロッケの中には卵も入っていて、コロッケと卵、ダブルでラグビーボールの形をしているということで、日本得意のダブルタックルで頑張ってほしい」と話していました。

    10/4 スクラムハーフ・流大選手の状態は?

    報告:筒井亮太郎アナウンサー

    右ふくらはぎの負傷でサモア戦を急遽欠場した、スクラムハーフの流大選手。果たして、アルゼンチン戦に間に合うのでしょうか?

    上の写真は、おととい10月2日に公開された練習時の流選手。右ふくらはぎにテーピングを巻いて、公開された15分間に、走る様子やボールを扱う様子は見られませんでした。

    本日公開された練習時の流選手が上の写真です。
    奥のゴール横で赤いシャツを着ているのが流選手。全体練習から離れて、別メニューを行っています。

    右ふくらはぎにテーピングを巻いている様子は2日前と変わりません。
    ゴールポストを使って、右ふくらはぎを伸ばしたり、右足に体重を乗せたり、動きを確認していました。

    そして、この日はボールを扱う様子も!

    グラウンドに置かれたボールを拾い、チームスタッフへパス。本来の素早い動きではなく、ゆっくりと動きを確認するように、パスを出していました。

    そして、キックも!

    怪我をした右足でキック。

    さらに...

    怪我をした右足を軸にして、左足のキックも。力いっぱい蹴っている様子ではなく、こちらも動きを確認しながら蹴っているように見えました。
    あくまで報道公開時の流選手ではありますが、2日前の様子とは違いがありました。

    練習終了後、日本代表のリキコーチの会見が行われ、流選手の状態について聞かれました。
    リキコーチは「セレクションの中に入ってくることを願っている」と言葉少なに話しました。

    決勝トーナメント進出がかかるアルゼンチン戦まで、あと4日です。

    番外編・ファンも"ONE TEAM!"

    報告:法性亮太アナウンサー・北村拓也カメラマン

    サモア戦の前日、試合会場のトゥールーズの街を日本代表のユニフォームを着て歩く人たちがいました。名付けて「ONE TEAM大作戦」。歩いた道を線でつなぐと、地図上に「ONE TEAM」の文字ができるようにルートを設定して歩いているのです。

    こういうルートで歩きます

    活動の中心はトゥールーズに住む松本大輔さん。自身も10年以上ラグビーに打ち込んできました。自分が住む街で行われるラグビーワールドカップ、何らかの形で日本にエールを送りたいと考えていました。

    自宅にはリーチマイケル選手のサイン入りユニフォーム

    「1人で応援するのは声としては少し弱いので、みんなで盛り上げていくという雰囲気を作りたい。この取り組みで日本代表を盛り上げて勝ってもらいたい」(松本大輔さん)

    当日、松本さんの呼びかけに応じておよそ50人のファンが集まりました。事前に考えたルートを外れないように地図を確認しながら5㎞ほどの道のりを歩きました。

    「日本が勝てますように!」(フランス人女性)

    途中で出会った人たちから、日本代表への応援メッセージをもらいます。集まったメッセージはSNSに投稿し、より多くの人に届けたいとしています。
    歩いていると現地の人からエールを送られたりと、国籍や年齢を超えた交流が生まれていました。

    およそ2時間かけて歩いたルートを線でつなぐと「ONE TEAM」ができ上がりました。

    スタジアムで観戦する松本さん

    試合当日はスタジアムで観戦した松本さん。今回の取り組みを通して、改めてラグビーというスポーツが持つ力を感じたといいます。

    「本当に勝ててよかった。きのう頑張ってONE TEAMの文字を書いたのでそのエールがうまく届いたのではないかと信じている。ラグビーは人と人とのつながりや絆を深められるよいスポーツだと思う」(松本大輔さん)

    10/2 アルゼンチン戦へ向け ディテールにこだわる

    報告:筒井亮太郎アナウンサー

    大一番・アルゼンチン戦に向かって公開された、この日の練習ではディテールにこだわった動きが見られました。 まずは、タックルされた選手の倒れ方。

    日本のアタックの持ち味は、ハイテンポな速い攻撃。
    タックルされて倒れた選手はすぐにボールを離して、スクラムハーフが素早くボールを展開していきます。
    そのため、倒された選手の倒れる向き、ボールの置き方などを、より相手チームに取られにくいように、味方のチームは展開しやすいように意識しているように感じました。

    さらに、倒された選手が離したボールが、相手に奪われず、テンポよく球出しするためには、”2人目”のサポートも必要。2人目の動きの確認も行っていました。

    2人目が遅れてしまうと、倒れた選手がボールを離しづらい状況ができてしまい、ノットリリースザボール(タックル成立後、ボールを離さなかった)の反則、もしくは相手がボールに絡む“ジャッカル”というプレーに繋がってしまいます。

    一方で、ディフェンス面。
    タックルの高さにこだわりを感じました。

    近年のラグビーでは、選手の安全性を考えて、高いタックル(肩より上)に対して厳しく反則を取られるようになりました。イエローカード、レッドカードも珍しくありません。そのため、タックルの高さをコントロールすることが求められます。

    今日の練習では、ボールの下に向かって突き上げるように入り、相手がボールをこぼす、ターンオーバーを狙っているように感じました。

    練習後、クレイグ・ミラー選手とヴァル アサエリ愛選手の会見が行われ、今日のタックル練習の意図について話しました。

    ミラー選手
    アルゼンチンは、フォワード陣がボールを持って前に出てくる。相手のモメンタム(勢い)を止める練習をしていた。相手に簡単なゲームをやらせずに、前に出さずにプレッシャーをかけて、ボールを取り戻すことが大事になってくる。

    ヴァル選手
    一番のフォーカスポイントはディフェンスです。相手はすごく大きくて、真っ直ぐ走ってくるので、相手を止めるための練習を今週はしています。

    フィジカルが強いアルゼンチン戦に対して、アタックもディフェンスも、相手とのコンタクトが起きる「接点」が大きな見どころになりそうです。

    9/30 大一番”アルゼンチン戦”に向けた練習公開

    報告:小林達記記者

    サモア戦に勝利した日本代表。1次リーグを2勝1敗として、10月8日行われるアルゼンチンとの大一番に臨みます。日本が勝てば2大会連続の決勝トーナメント進出となります。

    30日は、サモア戦後初めての練習が公開され、選手たちは疲れをとるためストレッチ中心のメニューをこなしました。

    練習では、あっち向いてホイをする場面も。和やかな雰囲気で、選手たちの笑顔を見ることができました。

    練習後は、ワールドカップでキック好調の松田力也選手、サモア戦で初キャップを獲得した福田健太選手が取材に応じました。

    松田選手は、ワールドカップの直前、キックの不調に悩んでいましたが、チリ戦の前の日の練習でトレーナーからのアドバイスをきっかけにフォームを変えました。 具体的には右肩が下がる傾向があったため、蹴る際に両ひじを曲げることで下がらないようにしたということです。

    松田力也選手
    キックはいい状態で蹴ることができている。フォームを変えることに不安はなかった。ポイントがクリアになっているのが大きく、いい積み重ねができている。プレッシャーがかかる中でも自分のキックを蹴るだけだ。 (レメキ選手からひじを曲げた構えが恐竜に似ていると言われていることを明かし、)いい名前があればつけてほしい。

    福田健太選手
    初キャップの試合はいざ入ってみると、リーグワンとは違う感覚があった。大きい舞台を経験できたことは今後の財産になる。プレータイムが長かったわけではないので攻撃の回数は少なかったが、ディフェンスのコンタクトプレーの回数は多かった。その中で相手の一人ひとりのコンタクトの強さはリーグワン以上に激しいものがあった。ディフェンス面を強化しなくてはいけないと感じた。

    9/28 現地に住む子どもたちも応援

    報告:北村拓也カメラマン

    日本がサモアに勝って決勝トーナメント進出へ前進した1次リーグの第3戦。

    国旗を持って会場に駆けつけた子どもたち

    試合開始の2時間ほど前、スタジアムに到着する日本代表選手に声援を送ろうと集まったファンの中に、大きな日本の国旗をもった子どもたちがいました。トゥールーズで日本語や日本の文化を学ぶ日本語補習授業校に通う児童たちでした。

    この学校の児童たちは9月上旬、チリ戦を控えた日本代表の公開練習に招待され、練習後には選手と話をしたりサインをもらったりする交流会もあったそうです。

    6歳の姜隆寧くんは、父親の仕事の都合でことし4月に東京からトゥールーズに引っ越してきました。
    ラグビーが盛んなトゥールーズ。幼稚園で何度かラグビーを体験したこともあり、自分が住む街で行われる日本代表の試合を楽しみにしていたといいます。特に交流会で一緒に写真を撮った姫野選手を応援していて「トライをとってほしい」と話していました。

    大勢のファンが声援を送る中、スタジアムに入っていく選手を緊張した表情で見送ります。

    試合は、隆寧くんが応援していた姫野選手のトライなどで日本が勝利。隆寧くんは「姫野選手はかっこよかった。次のアルゼンチン戦も応援したい」と話していました。

    9/27 サモア戦を勝利に導く男は・・・

    報告 小野卓哉アナウンサー

    私はフランスに入って3週間ほどが経過しました。これまで海外勢同士の試合を3試合実況し、9月25日から日本代表の取材に入りました。
    南アフリカ、アイルランド、スコットランド、オーストラリアなど、海外の強豪チームの取材をしてきましたが、今回驚いたのが、日本代表への取材陣の多さ!これまで取材した国々に比べて圧倒的に多く、3倍、4倍くらいはいるかなという印象です。それほど、日本代表への関心が高いことを感じました。

    サモア戦に向けて3日間日本代表の取材を行いました。

    会見で聞かれた言葉で印象に残ったのが、「アワーディテール」という言葉です。今週、長谷川慎コーチから最初に聞かれたもので、今回サモア戦にむけて掲げているということでした。相手に対する対策、対応より、自分たちのことをしっかりやろうという意味合いとのこと。自分たちのプレーをしっかりディティールにこだわってやっていく決意を、選手の口からも聞くことができました。練習でも、精度の高い流れるような、スピーディーなパス回しなどが見られました。サモア戦に向けた期待が高まります。

    さて、私がこの試合で推したい選手が、サモア戦で今大会初めて先発メンバーに入ったフルバックのレメキ ロマノ ラヴァ選手です!

    今週の会見で登場しましたが、ユーモアあふれる話しぶりで、集まった報道陣の爆笑を何度かおこしました。短い時間のやりとりでしたが、それだけでも相当な明るいキャラクターというのが印象づきました。今回のワールドカップで、様々なチームの取材をしてきましたが、会見場でこれほど笑いが起きることはありませんでした。会見でのやりとりです。

    レメキ ロマノ ラヴァ選手
    ―― サモア戦に向けて、ポイントは
    俺が入ったの、一番いいポイントです(笑)。(サモアは)セットピースとかは強いけど、足りない所も見つかった。(自分の)運動量、今のプレースタイル、フルバックで大事なので。ずっと走れる。サモアに勝てるように、ずっと動ける。

    ―― レメキ選手の一番の役割は
    冷静に。僕はイケイケタイプなので、いつでもランをしたい。いいエリア(敵陣深くなどチャンスのエリア)に入ったらアタックしてもいいけど、それ以外は我慢して。

    笑いをとりながらも、しっかりゲームに向けた話をしていました。いつもはボールを持って積極的にアタックを仕掛けたいレメキ選手も、相手の重く大きなフォワードを意識して、自陣などでアタックを仕掛けて消耗するのを避け、なるべくチャンスのエリアでのみ仕掛けるようにしたい、そんな思いも伺えました。

    プレーの面では、イングランド戦などでこれまで、俊敏な動きやしっかりしたキックでチームに貢献してきました。初めて先発でのプレーとなるサモア戦、勝利に導く活躍を期待したいと思います!

    番外・サモア戦のメンバー発表

    報告:小林達記記者

    日本代表は、第3戦のサモア戦に向けた23人のメンバーを発表しました。先発にはキャプテンの姫野和樹選手やイングランド戦で活躍したレメキ ロマノ ラヴァ選手などが入りました。

    まずは15人の先発メンバーからです。
    フォワードの8人はイングランド戦と同じメンバーで、キャプテンの姫野和樹選手ベテランのリーチ マイケル選手が順当に先発に名を連ねました。

    続いてバックスの7人です。
    イングランド戦から2人が入れ代わり、センターにはディラン・ライリー選手が、フルバックにはレメキ ロマノ ラヴァ選手が入りました。
    攻撃の起点となるスクラムハーフには、副キャプテンの流大選手、司令塔のスタンドオフには松田力也選手が3試合連続で入りました。

    控えメンバーにはスタンドオフの李承信選手が今大会初めて入りました。

    けが人に代わって新たに招集された山中亮平選手は、今回はメンバーに入りませんでした。

    ヘッドコーチ・選手の声

    ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ
    (サモアは)経験値が高いチームで、日本代表が勝利した4年前のワールドカップの時よりもレベルは上がっていると思う。

    ーー テストマッチで敗れているが
    負けたもののそこでいろいろ経験することができた。勝つプランを練っているので、どのようなトラブルがあってもそれを乗り越えていきたい。しっかり準備していく。


    姫野和樹主将
    (サモア戦は)重要なゲームになる。1次リーグが厳しい戦いになることはわかっていたが、チームとしての自信を感じている。個人的にもイングランド戦を終えて緊張がほぐれた部分もあるかもしれない。

    ーー 日本は中10日で試合に(サモアは中5日)
    日本にはリフレッシュする時間があり、アドバンテージがある。イングランド戦は残念な気持ちだったが、立ち直るには十分な時間があった。サモアはフィジカルや経験値を生かしてくると思うが自分たちには勝つプランがある。それをしっかり遂行していきたい。


    レメキ ロマノ ラヴァ選手
    (サモアは)フィジカルが強く、試合を見るとスクラムやラインアウトのセットプレーが強い。セットプレー以外の部分を分析している。今は言えないが、試合を見ればわかると思う。

    ーー サモアの初戦アルゼンチン戦を分析して…
    サモアはもっとキックを使えばアルゼンチンに勝てたと思う。自陣からハーフウェイライン付近ではずっとボールを持って運んでいた。フィジカルは強いがフォワードを使いすぎていた。日本としてはそのようなエリアでプレーはしない。アタックをしかけるのは敵陣22メートルラインの中に入ってからで、それ以外は自分たちのフォワードのエネルギーをセーブして、サモアの大きなフォワードを走らせたい。


    ピーター・ラブスカフニ選手
    イングランドとの試合では相手に圧力をかけ続けられなかったが、チームとして教訓が得られた。学んだことをサモア戦に生かしていく。前回対戦した7月のテストマッチから日本もサモアもだいぶ変わっている。1次リーグの重要なタイミングで対戦することになるが、一致団結して戦っていきたい。思い通りにいかないこともあると思うが、柔軟に対応していきたい。

    アマト・ファカタヴァ選手
    ーー セットプレーについて
    選手どうしコミュニケーションをとってしっかり準備できている。スクラムはより綿密にやっていきたい。コーチのプランを愚直に遂行するのみだ。サモアに勝つために頑張りたい。


    下川甲嗣選手
    日本は、国内の5連戦からワールドカップの試合も含めてタフなゲームをしていて、その部分は経験として積み上がっている。

    ーー サモア戦に向けて
    どちらに転ぶかわからないきっ抗した時間帯に自分たちのやりたいラグビーができるように細かい部分にこだわって練習してきた。(7月のテストマッチで)一度負けた相手には絶対に負けられない。

    サモアは世界12位の強豪

    サモアの世界ランキングは12位、ワールドカップには9大会連続9回目の出場で最高成績は1991年と1995年のベストエイトです。
    代表はサモアの獣を意味する「マヌ・サモア」の愛称で呼ばれ、試合前には戦いの舞「シバタウ」を披露することでも知られています。

    ▼サモア代表…
    サモアは2022年にラグビーの国際統括団体「ワールドラグビー」が採用した選手がプレーする代表チームを1回だけ変更できるというルールを適用し、元ニュージーランド代表のスタンドオフ、リマ・ソポアンガ選手やプロップのチャーリー・ファウムイナ選手、オーストラリア代表として前回の日本大会に出場していたクリスチャン・リアリーファノ選手を代表に選出しました。
    スピードと激しいパワープレーが持ち味の攻撃的なチームで、セイララ・マプスアヘッドコーチは、大会前のNHKの取材に対し「ゲームのフィジカルな側面を楽しむ。衝突も楽しむ。それがわれわれの本当の強さだと思う。ゲームプランのことをあまり気にしたり、考えすぎることはない」と話してました。

    ▼日本との対戦は…
    日本はことし7月に今シーズン初のテストマッチでサモアと対戦しました。
    試合途中、リーチ マイケル選手が危険なタックルで退場し、1人少ない状況での戦いを強いられ、この試合は22対24で敗れました。
    しかし、ワールドカップでは2大会連続で対戦し、2015年は26対5、2019年は38対19で、いずれも日本が勝っています。

    日本が入ったプールDは混戦となっていて、サモア戦の勝敗が1次リーグ突破を大きく左右するだけに、日本にとっては負けられない試合になります。

    9/26 日本代表を支える人たち!

    報告:渡邉光里ディレクター 中川安奈アナウンサー

    1次リーグ2戦を終え、1勝1敗の日本代表。決勝トーナメントに進むために、ここから落とせない試合が続きます。厳しい戦いを続ける日本代表を支える人たちを取材しました。

    ▼現地でもあの姿でかっ歩!

    2019年日本大会でのボディペイント

    各チームのジャージをボディペイントして応援する名物ファン、バクさんこと森山漠さん。前回大会、ラグビーファンの間で注目を集めたあの姿は、今大会も健在でした。

    大会開幕の前日に現地・フランス入りしたバクさん。開幕戦、そして日本2試合をスタジアムで観戦。“世界最薄ジャージ”を身にまとい、日本代表にエールを送っていました。

    「(周りの反応は)むちゃくちゃよろこんでいた。フランスでは初めてやったのでよろこんでくれて良かった」(森山さん)

    2試合目のイングランド戦。背中には「打倒王国」の文字。最初に考えていたのは別の文字だったそうで…

    「チリ戦は今のチームのアワーチーム。イングランド戦は最初、イングランドをやっつけろという意味でビートイングランドって英語で書こうとしたんですけど、けんかになったら嫌なんで、漢字で打倒王国って書いて、これだったらばれないだろうなと」(森山さん)

    1次リーグ残り2試合は、日本から熱い応援を送ります。

    「「イングランドにあそこまで対抗できたから、(サモア・アルゼンチンには)勝てると思っている。皆さん精いっぱいやれること全部やってくれて、思い残すこと無い戦いをしてくれたらそれでいい。結果的にそれで勝ち抜けて優勝できたら一番」(森山さん)

    ▼食事でサポート

    そして、『食』で選手たちをサポートしているのが、シェフの西芳照さん。サッカー日本代表の専属シェフでおなじみですが、今回初めてラグビー代表に同行しています。

    シェフの西芳照さん

    メニューの中で、一番人気は「ハンバーグ」。肉料理はあっという間に無くなってしまうということで、その量は、サッカー選手の3倍近くにもなるそうです。

    西さんの料理に舌鼓をうつ選手たち。食べたあとのひと言目に出てくるのは、「おいしい」ではなく、「やばい」ということばだそうです。

    スタッフに話を聞くと、「食堂にいる選手の数が増えた」とのことで、食事を通じて生まれる会話でエネルギーが培われるなど、栄養以外でもチームにいい循環をもたらしているようでした。

    西さんは、チームが行っているレクリエーションにも一緒に参加しているとのことで、「一体感が増している。勝ち上がりたいという気持ちはみんな一緒だと思うので、少しでも力になりたい」と話していました。

    さらに今大会、西さんとともにチームの食を支える人がもう1人います。フランス・トゥールーズで、9年前から日本食料理店を営む幡本敦俊さんです。

    2017年と去年、日本代表がフランス遠征した際、日本食を提供したことがきっかけで、今大会もチームをサポートすることになりました。

    とにかく、量が多いラグビー選手の食事。西さんとともに、今後も日本代表を支えていきます。

    幡本敦俊さん

    「(練習から帰ってきたら)速攻で食べたがるので、帰ってきた瞬間に出すようにしなきゃいけないので、それに間に合うように戦争です。選手たちがいつものテンションを保てるような雰囲気を、食事とかそういう面でサポートしていける、それだけでも精いっぱいやっていきたいです」(幡本さん)。

    選手の似顔絵でワールドカップを盛り上げ!

    報告:箱﨑将史カメラマン、小林達記記者、中川安奈アナウンサー

    ワールドカップで日本代表のベースキャンプ地となっているトゥールーズでは、選手たちの似顔絵が街のギャラリーに展示されています。新たに招集された山中亮平選手の作品が加わるなど応援ムードが高まっています。

    こちらの似顔絵を描いたのは、トゥールーズ出身の画家、ステファン・カステラさんです。以前もこちらの取材記で紹介しましたが、トゥールーズの中心部の一角からさらに中心部への引っ越しを完了し、現在は飲食店の2階で展示を行っています。

    この日は、けが人に代わって新たに招集された山中選手の似顔絵が加わりました。

    似顔絵は左半分が日の丸をモチーフに、右半分は通常の色調で描かれていて、山中選手の金色の髪やひげなど特徴を捉えた作品になっていました。

    カステラさんは、日頃から日本ラグビー協会の公式SNSで代表メンバーを確認しているということで、イングランド戦後に山中選手がけが人に代わって招集されたのを受けて制作に入り、サモア戦に間に合わせたということです。

    ギャラリーには、イギリスのブライトンから訪れたファンの姿もありました。

    こちらの金森有理沙さんは、2015年の「日本」対「南アフリカ」の試合を現地で観戦し、そこからラグビーが好きになったということです。2019年の前回大会はボランティアスタッフとして活動し、今回は観光客として日本を応援しにきたということです。

    「似顔絵はいろいろな選手の特徴を捉えていてわかりやすかったです。とてもユニークで素敵だなと思いました。このあとサモア戦も観戦にいく予定です。次は大一番になると思います。選手の皆さんはたくさん練習してきていると思うので、精いっぱい応援したいです」(金森さん)

    カステラさんも日本代表にエールを送ってくれました。

    ステファン・カステラさん
    7月のテストマッチでは敗れていますが、次の試合は日本に勝ってほしいです。スピーディーなラグビーを展開すれば勝てると思います。トゥールーズのスタジアムに日本のジャージを着ていきます。そして日本代表が勝つのを見届けます。

    最後にカステラさんといっしょに撮った写真です!

    9/25 重要な一戦 サモア戦に向けて公開練習

    報告:小林達記記者

    ワールドカップの1次リーグで1勝1敗としている日本代表。25日は、イングランド戦以降初めての公開練習が行われました。
    1次リーグ突破へ重要なサモア戦に向けて、選手たちは充実した表情を見せていました。

    この日は、フォワードとバックスにわかれて練習。フォワードは、イングランド戦で課題となったラインアウトの動きを入念に確認していました。

    バックスはキックの練習を行い、けが人に代わって招集された山中亮平選手が元気な姿を見せていました。

    練習後は、スクラム担当の長谷川慎コーチ、堀江翔太選手、具智元選手が取材に応じました。

    長谷川慎 アシスタントコーチ
    (イングランド戦は)練習通りのいいスクラムができた。試合に向けてイングランド役となってスクラムを組んでくれた控えメンバーの気持ちが選手たちに伝わったと思う。『Our Team』になってきている。イングランド戦でのスクラムがサモア戦に当てはまるかはわからない。セットアップのしかたも違う。サモアは7月に対戦した時から修正してきている。イングランド戦以降、リフレッシュできたのでいい練習ができている。1戦目のようなイメージでいくことができる。ターゲットにしているのは『Our detail』や『Our mentality』だ。

    堀江翔太選手
    ――サモアのスクラムについて
    大きくて重く、強い印象がある。イングランド戦と同じ形でスクラムを組んでいたら負けてしまうので、それ以上のスクラムを組んでいきたい。選手によっても組み方や癖が違うので、メンバーが決まったらチーム内で話し合いながら対策していきたい。1試合1試合を大切に、まずは次の試合にすべてをかけたい。

    ――コンディションについて
    大きなけがもなく、いい状態だと思う。自分で天井を作らずもっとよくしていきたい。常にいいコンディションでいいプレーができるように頑張っていきたい。

    具智元選手
    (イングランド戦のスクラムについて)試合の早い時間帯にファーストスクラムをいい感じで組むことができて自信になった。ただ、イングランド戦でうまくいってもサモア戦でうまく組めるとは限らない。サモア戦に集中していきたい。長谷川慎アシスタントコーチからはイングランド戦と同様に『強気でいけ』と言われている。自分たちのスクラムを組めたらうまくいくと思う。

    番外・日本 決勝トーナメント進出の条件

    報告:小林達記記者

    ラグビーワールドカップで決勝トーナメントに進めるのは各プールの上位2チームです。日本は1次リーグのプールDでここまで1勝1敗。決勝トーナメントに進むために何が求められるか、今後の行方を占います。

    ここまでの成績まとめ

    プールDの今月24日時点の成績は次のようになっています。試合数はイングランド、チリは3試合、サモア、日本、アルゼンチンは2試合です。

    ※2位、3位は得失点差による。
    2 サモア 得失点+24
    3 日本  得失点+8

    シミュレーション①日本がサモアに勝つ

    日本は、日本時間29日の第3戦でサモアと対戦します。
    日本がサモアに勝利した場合、今月末時点の順位予想は次のようになります。
    ただし、アルゼンチンが、初出場のチリに4トライ以上奪って勝つと仮定します。
    ※日本にボーナスポイントなしの想定

    【日本がサモアに勝利の場合】
    1    イングランド  3勝0敗 勝ち点14
    2 or 3 アルゼンチン  2勝1敗 勝ち点9
    2 or 3 日本      2勝1敗 勝ち点9
    4    サモア     1勝2敗 勝ち点5
    5    チリ      0勝4敗 勝ち点0

    この場合、日本は10月8日のアルゼンチン戦の結果しだいで、決勝トーナメント進出が決まります。 日本は、サモア、アルゼンチンに2連勝すれば無条件で決勝トーナメント進出となります。

    シミュレーション②日本が敗れる

    日本がサモアに敗れ、アルゼンチンがチリに4トライ以上奪って勝つと、このようになります。
    ※日本にボーナスポイントなしの想定

    【日本がサモアに敗れた場合】
    1    イングランド  3勝0敗 勝ち点14
    2 or 3 アルゼンチン  2勝1敗 勝ち点9
    2 or 3 サモア     2勝1敗 勝ち点9
    4    日本      1勝2敗 勝ち点5
    5    チリ      0勝4敗 勝ち点0

    日本がサモアに敗れた場合、決勝トーナメント進出の条件は厳しくなります。
    4戦目のアルゼンチン戦に勝つことは必須で、その前に行われるイングランド対サモアの結果次第で決勝トーナメント進出かどうかが決まります。
    この場合、ボーナスポイントの獲得状況で順位が変わるため、今後の試合でいかにボーナスポイントを獲得していくかがカギを握りそうです。

    ボーナスポイントとは
    1次リーグの順位は勝ち点で決まります。勝ち点には勝敗で与えられるもののほかに、トライの数や点差によって与えられるボーナスポイントがあります。
    勝てば勝ち点「4」、引き分けは勝ち点「2」、負けた場合は「0」ですが、7点差以内の負けであればボーナスポイントとして勝ち点「1」が与えられます。
    また、トライを4つ以上あげたチームにも勝敗にかかわらず勝ち点「1」のボーナスポイントが追加されます。
    日本は1次リーグ初戦のチリ戦で6つのトライを奪って勝利したため、通常の勝ち点4にボーナスポイントを加えた勝ち点「5」を獲得しました。

    9/24 手作りチョコレートで盛り上げる!

    報告:寺岡祥平 カメラマン

    ラグビーワールドカップフランス大会の試合会場のひとつ「サンテティエンヌ」では、大会を盛り上げようと地元の菓子メーカーがラグビーボールの形をしたチョコレートを作る催しを開いています。

    合わせて4試合が開催されるフランス内陸部の「サンテティエンヌ」は、古くからお菓子作りが盛んな街です。

    創業およそ140年の老舗チョコレートメーカーが、お菓子作りを通して大会を盛り上げようと、週に2回、ラグビーボールの形をしたチョコレートを作る体験会を開いています。

    この日は地元の人を中心に10人が参加し、2種類の風味が違うチョコレートをボール型の容器に入れて、均一に混ぜ合わせる工程を体験しました。

    およそ20分間冷蔵庫で冷やして固めたあと、割れないように慎重に容器から取り出すと縫い目まできれいに再現された手のひらサイズの小さなラグビーボールができあがりました。

    両親と参加した7歳の女の子は「お父さんとお母さんと一緒に食べたいです」と話していました。

    また、夫婦で参加したサンテティエンヌに住む日本人の女性は「ラグビーワールドカップをきっかけに街にたくさんの人が来てくれてうれしいです」と話していました。

    9/24 フランス人画家が山中選手の似顔絵を準備!

    報告:小林達記記者

    ワールドカップの1次リーグに臨んでいる日本代表。イングランド戦を終えて、現在はベースキャンプ地のトゥールーズに戻って調整を続けています。
    写真は、前日23日の練習の様子です。選手たちは、日本時間の29日に行われるサモア戦に向けて状態を上げていきます。

    グラウンド外ではこんな動きもありました。
    以前、こちらの取材記でお伝えしたフランス人画家のステファン・カステラさん。トゥールーズの中でギャラリーを引っ越しました。

    けが人に代わって新たに招集された山中亮平選手の似顔絵を準備中だそうです。
    25日は久しぶりの公開練習が予定されています。重要なサモア戦に向けて、引き続き日本の情報をお伝えしていきます。

    9/20 あの男が帰ってきた

    報告:筒井亮太郎アナウンサー

    イングランド戦に敗れた日本代表。しばらくフランス南東部のニースに残り、今日がニース最後の練習です。
    練習後、3戦目サモア戦の舞台・トゥールーズに移動します。

    ニース最後の練習で報道陣に公開されたのは、室内トレーニング。室内でバイクをこぐトレーニングなどを行っていました。

    その中にひと際目をひく、“金色の髪”をした選手が・・

    その正体は、山中亮平選手です。

    イングランド戦で負傷したマシレワ選手に代わって追加招集され、チームに合流しました。
    前回の日本大会でフルバックの選手として活躍していた山中選手。夏のテストマッチでも出場していましたが、先月の代表発表では代表メンバーから落選し、ワールドカップへの道が閉ざされていました。

    山中亮平選手
    落選した時は、1週間くらい落ち込んで何も考えられませんでした。髪の色は、落選して、心機一転の気持ちで明るくしました。メンバーから外れて、たくさんの人からメッセージをもらって、こんなにも応援してもらえていたのだということに気付かされました。ワールドカップに来たからには何かしらで貢献したい。どのポジションかはわからないが自分の役割を果たしていきたい。

    左足からのロングキックなどが持ち味の山中選手。必ずや今後の日本代表の戦いで大きな武器になってくるはずです。

    9/18 イングランド戦を終えてDFコーチが総括

    報告:小林達記記者

    17日の第2戦で強豪イングランドに敗れた日本。

    一夜明けた18日は、ディフェンス面を担当するジョン・ミッチェルコーチがオンラインで取材に応じました。

    ジョン・ミッチェルコーチ (ディフェンス担当)
    ーー試合を振り返って
    試合結果は残念だが自分たちのパフォーマンスについてはいいところもあった。イングランドは陣地獲得以外の要素で運にも恵まれていた。自分たちにもチャンスはあったが、コントロールできなかった。小さな差だがこのレベルの試合ではそこが重要になる。

    ーー粘り強い守備を見せた
    ゴールラインを背にしたディフェンスではすばらしいファイトを見せてくれた。いままでのディフェンスの中でもベストだったと思う。選手たちはすべてを出し切ってくれた。下を向く必要はない。よかった点に目を向けて次の試合に進んでいきたい。

    ーー第3戦のサモア戦に向けて
    ボールを持って力強く前進してくるし、スクラム、モールでもプレッシャーをかけてくると思う。しっかり対処しなければならない。

    9/16 いざ決戦へ イングランド戦へ前日練習

    報告:小林達記記者

    日本代表は16日、1次リーグの第2戦イングランド戦に向けて前日練習を行いました。練習の会場は、サッカーの南野拓実選手が所属するフランス1部リーグ、モナコの練習拠点です。

    報道陣に公開されたのは練習の冒頭15分程度でしたが、選手たちは引き締まった表情でアップやダッシュを行っていました。

    その後の会見では、フッカーの坂手淳史選手、ワールドカップ初先発予定のセンター長田智希選手が取材に応じました。

    坂手淳史選手
    ――イングランド戦のポイントについて
    相手がスクラムやモールを狙ってくるのは明らかなので、そこに対して自分たちがどう戦うかだ。スクラム、モールを止めれば相手はキックをしてくると思うので、そこからジャパンのラグビーを見せられると思う。

    ――イングランドと戦う意義
    日本がこれまで勝ったことがないのはわかっているし、自分自身も2回対戦して前回は大差でやられてすごく悔しい思いをしている。今回はいい準備ができている。このゲームに勝てば日本のラグビーの今後につながると思う。

    ――会見に同席した長田選手について
    思い切りやってほしい。長田の能力は全員が認めていると思う。イングランド相手に戦うパフォーマンスやフィジカルが整っているので、それを存分に出してくれれば彼らしいプレーができると思う。


    長田智希選手
    ――先発出場するにあたっての心境
    メンバー発表のときに先発を知った。正直、最初はびっくりした。発表のときも緊張感はあったが、徐々に緊張感が高まっていま一番緊張している。

    ――イングランドの印象
    イングランドはフィジカルやキックで日本にプレッシャーをかけてくると思うので、チームとしてまずはフィジカルの部分で引かないことが大事になる。相手のキックに対するプランもある。それを遂行すればいい戦いができるのではないかと思う。

    ――意気込み
    自分の役割を果たしてチームのプランがうまくいくようにしたい。自分の強みであるボールキャリーやディフェンスのところで体を張り続けたい。

    9/15 大一番のイングランド戦へメンバー発表

    報告:小林達記記者

    日本は、日本時間の18日、1次リーグ突破に向けて重要なイングランド戦に臨みます。イングランドは前回大会の準優勝チームで、日本は過去10回対戦して一度も勝ったことがない相手です。

    15日は、そのイングランド戦に向けたメンバーが発表されました。日本は初戦から先発メンバーを4人入れ替えます。
    フォワードでは、ふくらはぎのけがで初戦を欠場したキャプテンの姫野和樹選手が復帰するほか、ベテランの堀江翔太選手、出場停止明けのピーター・ラブスカフニ選手が先発に名を連ねました。

    バックスでは、思い切りのよさとスピードが持ち味の23歳・長田智希選手が先発で出場します。

    チリ戦で先発した、坂手淳史選手、下川甲嗣選手、ディラン・ライリー選手はリザーブで試合を迎えます。

    メンバー発表後、選手たちは試合会場のスタジアムで軽く体を動かしました。

    フォワード陣は軽く組んで芝生の感触を確かめていました。

    また、スタンドオフの松田力也選手などは、キックの練習を行っていました。

    その後記者会見が行われ、ヘッドコーチやキャプテンなどが取材に応じました。

    ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ
    ――イングランド戦に向けて
    この試合に向けてしっかり練習を重ねてきた。すばらしいチームと戦えることをうれしく思う。チリ戦とは違う戦いになる。

    ――ハイボールへの対応について
    たくさん蹴ってくると思うが、バックスの選手たちはボールをキャッチする練習をして成長している。

    ――相手の強力なフォワード陣に対して
    スクラムやラインアウトのセットプレーでプレッシャーをかけてくる。ただわれわれもベストなフォワードだ。

    姫野和樹選手
    ――コンディションについて
    前の試合はリスクを回避して欠場した。状態としては1試合スキップした分フレッシュだ。コンディションとしてはすごくいい状態。

    ――イングランド戦に向けて
    今回の試合は、自分がキャプテンとしてしっかりパフォーマンスを出すことが非常に重要になると思う。自分のパフォーマンスでリーダーシップを発揮したい。自分たちができる準備は100%してきたのであとは本当にやるだけ。この試合に向けて『ブレイブ』ということばでチームを引っ張ってきた。本当に勇気を持って恐れずに自分たちのプレーをし続けるというマインドがすごく重要になってくる。

    松島幸太朗選手
    ――ハイボールへの対応について
    ハイボールを奪い合うときのプレッシャーはどのチームもきついので、毎試合準備している。ほかのチームより蹴ってくる回数が多いと思うので集中していきたい。まわりに味方の選手がいると信じてボールを捕りにいくだけだ。

    ――相手のディフェンス面について
    結構守備のラインを上げてくる印象がある。自分たちは深く距離をとって空いているスペースにボールを回していきたい。上がってくる相手に対してパニックにならずに落ち着いてプレーしたい。

    ――イングランド戦に向けて
    1次リーグを通過するにあたって負けていい試合はひとつもない。一戦一戦目の前の相手に集中していきたい。

    リーチ マイケル選手
    ――イングランド戦を前にした心境について
    ワクワクしたり、緊張したり、怖くなったりしてその繰り返しだ。ピッチに立ったらタックルやボールキャリーでチームに貢献していきたい。

    ――意気込みは
    2015年のワールドカップで南アフリカに勝って歴史が変わった。イングランド相手にも立ち向かっていき、勝って歴史を変えたい。

    ――相手の強力フォワードについて
    スクラムやモールへの対策、プランはある。試合を見ればわかりやすく何をしているかわかると思う。モールディフェンスは今週たくさん練習してきた。

    ――攻撃面に関して
    去年のテストマッチではまったく前進できずに終わってしまった。細かいパスを多く出して少しでも前に出られれば自分たちのアタックができる。前に出られなかったときのプランもある。

    9/14 選手たちはトゥールーズから移動

    報告:小林達記記者

    1次リーグの初戦でチリに快勝した日本は、次のイングランド戦に向けてベースキャンプ地のトゥールーズからモナコに移動しました。第2戦の試合会場はニースですが、選手たちは近くのモナコを拠点に活動します。

    この日は移動日ということで練習の公開はなく、バックスでカギを握る2人の選手が取材に応じました。

    ジョネ・ナイカブラ選手
    イングランド戦はフィジカルの戦いになると思う。規律を保ち、自分たちのエラーを少なくしてゲームプランを遂行することが大切になる。チリ戦でトライを決めることができてうれしかった。今後もチームのためにトライを取っていきたい。

    セミシ・マシレワ選手
    自分たちのミスを少なくして、フィジカルで負けないようにしたい。守備ではタックルも決めていかないといけない。優位なエリアでプレーして、規律を守っていくことが大切だ。ハイボールの処理はこの試合で大きな部分を占めると思う。相手のフルバックは身長が高いが、対抗する練習はしてきた。空中でボールをしっかり取りたい。

    9/13 快勝のチリ戦後 初めての公開練習

    報告:小林達記記者

    1次リーグの初戦、チリ戦で快勝した日本。その後、ベースキャンプ地のトゥールーズに残って調整を続けています。13日は、チリ戦後初の公開練習が行われました。

    フォワードとバックスにわかれての練習。ふくらはぎのけがの影響でチリ戦を欠場した姫野和樹選手が元気な姿を見せていました。

    また、危険なタックルをしたとして出場停止処分となっていたピーター・ラブスカフニ選手は、イングランド戦から処分明けとなります。こちらも精力的に動いていました。

    一方、ベテランのリーチ マイケル選手、チリ戦でタックルを受けて右ひざを負傷した具智元選手は、ラインアウトの練習には参加せず近くで見守っていました。

    一方、バックス陣は「ビブスなし組」と「ビブスあり組」にわかれてパス練習。少しだけ、動画を掲載します。

    次の試合で先発出場するとみられる「ビブスなし組」には、松島幸太朗選手や松田力也選手、長田智希選手などが入っていました。

    練習後には、スクラムを担当する長谷川慎アシスタントコーチ、チーム最年長の堀江翔太選手、プロップの具智元選手が取材に応じました。

    長谷川慎コーチ
    去年の秋に対戦した際はスクラムでチームに迷惑をかけて負ける原因になった。ここに向けて1年間かけてやってきた。きょうもスクラム練習を行ったがいい感じに仕上がっている。しっかりイングランドのスクラムに対応していきたい。何をするかは答えられないが、日本代表のスクラムを組むこと、相手選手やレフェリーによって微調整することだ。相手がどこにプレッシャーをかけてくるかはわかっている。そこに対して待つのではなく、こちらから潰しにいく。『やられる前にやる』という部分が大切になる。試合の最初のスクラムから力を発揮できるようにしたい。

    堀江翔太選手
    相手はシンプルに来る。体格差もあるのでスクラムの部分をついてくると思う。自分たちがどれだけプレッシャーをかけられるか。こちらから仕掛けていかないといけない。8人でいいスクラムを組んでいきたい。『イングランドが相手だから』というわけではなく、常に一貫性を持って戦う。一戦一戦大事にしたい。

    具智元選手
    去年悔しい思いをしているし、ワールドカップの出場チームの中でもイングランドにやり返したいと思って練習してきた。やり返す自信はある。自分の役割を果たして8人でスクラムを組んでいきたい。しっかり組めばチームのプラスになる。(負傷した右ひざは)1日1日良くなっている。自分としては試合に出る気持ちでいる。

    番外編 スタジアムに響いたあの歌は…

    みなさん、チリ戦の会場で長渕剛さんのヒット曲「とんぼ」や「乾杯」が流れていたの知っていましたか?
    きょうの会見のなかでは、この話題にも及びました。日本ラグビー協会によると、日本代表チームが大会の運営側に長渕剛さんの曲を試合会場で流すことをリクエストしたということです。

    堀江選手によると、中村亮土選手や流大選手が選んだのではないかということでした。「みんなが知っているから選んだと思う」と話した堀江選手でしたが、会見に同席した具選手に話題を振ったところで報道陣から笑いが起きました。

    堀江「具くんは知っているの?」
    具 「はい?」

    堀江「あの歌知ってるの?」
    具 「いや、わからないです」

    報道陣 (爆笑)

    気になるイングランドの情報も

    報告:森脇貴大記者

    フランス北部にあるル・トゥケを合宿地としているイングランド代表は、前日に続いて練習を公開し実戦を想定した動きで試合に備えていました。

    初戦のアルゼンチン戦でチームの全得点を挙げたスタンドオフのジョージ・フォード選手や、テストマッチで出場停止処分を受け、日本戦から復帰が可能になるナンバーエイトのビリー・ブニポラ選手らが実戦的な動きを確認していました。

    試合後の会見では日本を警戒している様子がうかがえました。

    オリー・チェサム選手
    日本はアルゼンチンとは違い、ダイナミックなチームで、きょうは日本対策の練習を行った。試合が楽しみだ。

    ケビン・シンフィールド守備コーチ
    日本はボールを動かすのにたけているチームでもあり、日本と言えば、誰もがリーチ マイケル選手の話をするけども、流大選手や松島幸太朗選手、姫野和樹選手など才能ある選手が多くいる。アルゼンチンとは違う脅威なので、それに向かって対処していきたい。

    9/11 イングランド戦に向けキーマンが語る

    報告:小林達記記者

    チリ戦の快勝から一夜明けた11日、オンラインでトニー・ブラウンアシスタントコーチが取材に応じました。世界的な戦術家として知られるブラウンコーチがチリ戦を振り返るとともに、次のイングランド戦に向けてのポイントなどを話しました。

    チリ戦から一夜明けて取材に応じたトニー・ブラウンアシスタントコーチの主な一問一答です。

    トニー・ブラウンアシスタントコーチ
    ――チリ戦を総括して
    ワールドカップの初戦としてすばらしいスタートが切れたと思っています。選手たちは緊張していてプレッシャーも感じていましたが、最終的に6トライ取れてチームとして良かったですし、チリを12点に抑えたことも良かったと思います。

    ――イングランドはキックを多用してくることが予想されるが、対策は?
    イングランドは100パーセント、キックでプレッシャーをかけてくると思います。フィジカルで倒そうと狙ってくると思います。この部分においては自分たちもしっかり対策をしなければいけないと思っています。自分たちとしては、強いフィジカルでプレッシャーかけてくる相手に対して、どうやって日本のラグビーをする方法を見つけていくかというところだと思っています。

    ――ふくらはぎを痛めて欠場したキャプテンの姫野選手の状態は?
    そこまで悪くはなく、可能性としてチリ戦もプレーできるところもありました。大きい試合であればプレーできるような状態だったと思っています。今は状態も安定しているので、しっかりあす(12日)練習することができれば、イングランド戦には出場できると思っています。

    ――そこまで深刻ではないととらえてよいか?
    そうですね。リスクは負いたくなかった。今後のことも考えて対応しました。

    ――リーチ選手は「次は姫野選手に爆発してほしい」と言っていたが、ブラウンコーチが姫野選手に期待することは?
    いつもの姫野選手らしくプレーしてくれると思います。ワークレートが高く、ボールキャリーもたくさんしてくれると思います。そこでインパクトを出してもらいたいと思っています。

    ――きのうのアタックはジャパンらしかった。どの辺が改善してきているか?
    6トライ取れたことはすごくうれしいし、いいラグビーができたと思っています。ただ、今後勝ち進んでいくためには遂行力が足りていないと思っています。自分たちのミスの確率を下げていかなければいけません。チャンスがあればしっかり遂行力を発揮して得点につなげていくことが重要だと思っています。自分たちのラグビーは、世界のどのチームよりも素早いラグビーです。確かにミスが多い部分もありますが、今後勝っていくためには自分たちのスピードをさらに速くしていかなければいけません。しっかりとボールを動かし、ミスのリスクをとりながらもジャパンラグビーを展開していく。そして、勝つためには今後ミスを少なくしていかなければいけないと思っています。

    ――激しいタックルを受けた具智元選手の状態は?
    現状ではわかりません。痛い部分はあると思いますが、あす、さらに状況がわかってくると思います。今現在では痛みがあるだけ。深刻ではないと思っています。これから腫れがひいてきて、あす状況を判断することになると思います。

    ――バックスリーになかなかボールを運ぶことができていなかったり、彼らがスペースにボールを持って行くことができなかったのではないか?
    チリはプレッシャーをかけてくるのがすごくうまかったと思っています。彼らのプレッシャーを感じて、なかなか大外にボールを運ぶことができていませんでした。自分たちが目指すところは15人で一緒にアタックしていくところ。そこはこれからも常に目指していかなければいけない部分です。速いラグビーをしていくこと、大外にボールを運んでいくことが重要だと思っています。ただ相手もしっかり対応してくると思うので、相手ディフェンスが勝つこともあると思います。自分たちが目指していることは、常に速いラグビーをして、松島幸太朗選手やマシレワ選手、ナイカブラ選手にボールを渡して彼らがアタックできるようにしていくことです。

    ――まだ思い描く完成度に届いていないと思うが、時間を積み重ねていくしかない?
    選手たちは日々どうやって成長できるかを考えてハードワークしています。ジャパンラグビーと常に言っていますが、まず選手たちがジャパンラグビーとはどういうものであるかを理解すること。どういうプレーをしなくてはいけないか、プレッシャーの中でどう遂行していくのか、そこを考えていかなければいけない。それしか自分たちが勝つ方法はないと思っています。そこに向けて日々一生懸命練習を続けています。

    ――次の対戦相手、イングランドのラグビーをどう感じているか?
    いつもイングランドは同じスタイル。ここ100年ぐらい同じスタイルだと思っています。倒すにはすごくタフなチームだということもわかっています。自分たちの強みは、相手がどう来るかわかっているということ。フィジカルの強さとキックを使ってプレッシャーをかけてくる。それに対して、準備はしっかりできると思っています。その中で自分たちのスタイルを少しでも出すことができれば、イングランドを倒すチャンスはあると思っています。

    ――スタンドオフ、松田力也選手のチリ戦の評価について
    松田選手は李承信選手と練習から先発出場を争っていて、いいプレーをしてくれたと思っています。大事なポイントだったスコアもたくさん取ってくれました。試合をコントロールしてくれて、先発メンバーとしていい仕事をしたと思っています。この1週間彼と話してきたことは、自分の能力を信じてもらいたいということです。しっかりとプレーできたことで、彼の中で自信がついて今後もいいプレーができるようになってくると思います。

    ――チリ戦ではペナルティーゴールを狙わずトライを取りにいったが、イングランド戦はどうなるか?
    チリ戦に向けた準備では、奥に蹴ってチャンスを作りトライを取るというプランでやってきました。ただ、イングランドはフィジカルが強いので、そういったところでチャンスをものにするのは難しいかもしれません。ペナルティーゴールで確実に3点を取って行く必要もあると思います。ただ、グラウンド上ではリーダーの判断に任せるのが基本です。リーダー陣が試合の中で勢いがあると判断したらトライを狙っていくのもいいと思います。

    ――姫野選手不在の中で戦った選手たちをどう評価するか。
    6人ぐらいのリーダーがいるのですが、常にリーダーミーティングをやっています。そのリーダーとの間で勝つために何が必要か、常に情報共有しています。姫野選手がいなくなったことは残念でしたが、そこですぐに流選手がリーダーとして引っ張ってくれました。彼はもともとリーダータイプでしっかりチームをリードしていたし、流選手が交代してからはリーチ マイケル選手がしっかり引っ張ってくれた。姫野選手の不在はチームにとっては大きなロスだったが、ほかのリーダーがしっかりやってくれたと思っています。

    9/10 姫野和樹選手が欠場

    報告:小林達記記者

    日本代表のキャプテン、姫野和樹選手がワールドカップ1次リーグ初戦のチリ戦を欠場することになりました。

    姫野選手は前日、左の太ももからふくらはぎにかけてテーピングをして全体練習には参加せず、トニー・ブラウンアシスタントコーチは「ふくらはぎに少し問題を抱えている。試合に間に合うことを願っているがわからない」と話していました。

    姫野選手のポジション、ナンバーエイトには当初ロックだったジャック・コーネルセン選手が入り、ロックにはメンバー外だったサウマキ アマナキ選手が入ります。
    改めて日本の初戦の登録メンバーをご紹介します。以下の23人です。

    日本はキャプテンが欠場するなかで大事な初戦を迎えます。

    9/9 試合会場で前日練習

    報告:小林達記記者

    フランスのトゥールーズで調整を続ける日本代表。9日は、試合会場のスタジアムで前日の調整を行いました。ダッシュやミニゲームのあと、実戦練習で動きの確認をしていました。

    試合会場のスタジアム・ド・トゥールーズは、去年11月にフランスとテストマッチを行った場所です。そのときは雨の影響もあり、スクラムの際に芝がめくれる場面もありましたが、前日の芝生はがっちりしてそうでした。スパイクで芝をきっちりかんで押す日本のスクラムを後押ししてくれるはずです。

    一方、試合直前に心配な情報です。

    前日、会見に臨む姫野主将

    この日はキャプテンの姫野和樹選手が全体練習に入らず、グラウンドの脇で見守っていました。トニー・ブラウンコーチによると、ふくらはぎに問題を抱えていて、試合に間に合うかは当日になってみないとわからないということです。
    試合2日前の練習も欠席した姫野選手ですが、このときは「コンディション調整をした。チリ戦は大丈夫だ」と話していました。チームの大黒柱の状態が心配されています。

    9/8 チリ戦に向けて緊張感のある練習

    報告:小林達記記者、渡邉光里ディレクター

    フランスのトゥールーズで調整を続ける日本代表。チリ戦を2日後に控えたなか、実戦形式の練習が公開されました。

    スタンドから見ていて目立ったのがリーチ選手でした。いつも以上に気持ちの入った様子が、表情から感じ取ることができました。

    練習では素早いパス回しが機能し、仕上がりは順調そうでした。チリ戦に向けて期待が高まります。

    練習後は、ヘッドコーチにキャプテン、そして4人のメンバーが取材に応じました。

    ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ
    チリは日本との試合に決勝のような気持ちで臨んでくると思う。今週は自分たちがどうプレーするかに焦点を当ててきた。先を考えずにまずはやるべきプレーをしっかりやっていいスタートを切りたい。

    姫野和樹選手
    状態はよく、選手たちの自信を感じる。相手は決勝のつもりで来るので、気持ちで負けないようにしたい。チリが強みとする接点のところで逃げずに止めることができれば自分たちのペースになる。いままで積み上げてきたものを信じて、仲間を信じて自信を持ってやるだけだ。日本代表のプレーを見て感動や勇気を感じてほしい。まずは結果を出したい。

    松田力也選手
    前回大会以降、10番のユニフォームを背負って戦うということを目標にやってきたのでうれしいし、ワクワクしている。プレースキックは上半身と下半身のバランスを整えながら修正してきた。どんなにプレッシャーがかかった中でも自分のキックを出すだけ。しっかり準備して本番を迎えたい。それができれば100パーセント入ると思っている。

    レメキ ロマノ ラヴァ選手
    23人のメンバーに入れたので試合を楽しみにしている。日本が1次リーグで終わると思っている人が多いと思うが、チームはしっかり準備できている。ベストフォーに入れると思っている。たくさん試合に出てトライしたい。

    下川甲嗣選手
    試合が楽しみだ。勝つことが一番で、そのために自分の役割を全うしたい。ディフェンス面で素早くラインを上げること、そしてタックルのクオリティーを高くしていきたい。18歳まで福岡で育ったので、これまでお世話になった指導者に感謝を伝えたい。いっしょに戦った仲間からもメッセージをたくさんもらった。地元のすべての人に感謝の気持ちを持ってプレーしたい。

    アマト・ファカタヴァ選手
    この場所にいることは自分にとってとても意味があることだ。けがをしてメンバーに入ることが厳しいと思うこともあったが、家族の支えを受けてしっかりリハビリをしてきた。2日後の試合に向けてワクワクしている。けがしていた足は全く問題ない。いい試合をしていきたい。

    9/8 速報!初戦の登録メンバー発表

    報告:小林達記記者

    10日に行われる日本の初戦、チリ戦の登録メンバーが発表されました。1~15番までが先発出場です。

    1.稲垣啓太 2.坂手淳史 3.具智元
    4.ジャック・コーネルセン 5.アマト・ファカタヴァ
    6.リーチ マイケル 7.下川甲嗣 8.姫野和樹◎

    9.流大 10.松田力也 11.ジョネ・ナイカブラ
    12.中村亮土 13.ディラン・ライリー
    14.松島幸太朗 15.セミシ・マシレワ

    16.堀江翔太 17.クレイグ・ミラー
    18.ヴァル アサエリ愛 19.ワーナー・ディアンズ
    20.福井翔大 21.齋藤 直人
    22.長田智希 23.レメキ ロマノ ラヴァ

    トゥールーズ出身の画家が描く日本代表選手

    報告:箱﨑将史カメラマン 小林達記記者

    ラグビーワールドカップ フランス大会で日本代表のベースキャンプ地となっているトゥールーズでは、日本代表を応援しようと地元の画家が描いた選手一人一人の似顔絵が街のギャラリーに展示されています。

    似顔絵を描いた画家のステファン・カステラさんは、ラグビーが盛んなトゥールーズの出身で、自身もフォワードとしてプレーしていました。

    カステラさんはもともと親日家で、速い展開でボールを動かす日本代表のプレーを見て日本のラグビーが好きになり、日本代表の試合はすべてチェックしているそうです。

    カステラさんの描いた似顔絵は、選手一人一人の特徴をよく捉えていて、顔の左と右で色づかいが分かれています。

    左半分は日の丸をモチーフに白と赤を基調にした色づかいで、右半分は通常の色調で描かれています。

    日本ラグビー協会の公式SNSで代表メンバーを確認して、1日に2人ほどのペースで33人分を描きあげたということです。

    アマト・ファカタヴァ 選手

    8月下旬のメンバー変更で急きょメンバー入りしたアマト・ファカタヴァ選手と下川甲嗣選手については、展示会が8月30日から始まる予定だったため徹夜をして2人の似顔絵を描き終えたそうです。

    下川甲嗣 選手

    ステファン・カステラさん
    「この似顔絵は、日本代表への敬意とトゥールーズに来てくれたことへの歓迎を表現したものです」
    「日本の速い展開のラグビーは、地元のクラブチームのスタッド・トゥールーザンのスタイルに似ていて好きです」
    「ワールドカップの決勝がフランス対日本になったら最高ですね」

    下川甲嗣 選手

    カステラさんが描いた日本代表選手の似顔絵は、トゥールーズ中心部のギャラリーで9月16日まで展示されています。

    日本代表は9月10日の1次リーグ初戦、チリ戦をまもなく迎えます。NHKはチリ戦の模様を総合テレビやBS4K、ラジオ第1で中継するほか、NHKプラスでも配信します。

    9/7 トゥールーズで一般公開の練習

    報告:筒井亮太郎アナウンサー、小林達記記者

    フランスのトゥールーズで調整を続ける日本代表。7日はバックスの選手たちがキックの練習を中心に行いました。こちらは、大きいマットを相手のディフェンスに見立ててキックパスの練習です。

    一般公開されたこの日は、スタンドに地元のラグビーファンなどおよそ1500人がつめかけました。日本コールが沸き起こるなど盛り上がり、選手たちもモチベーション高く練習に臨んでいるようでした。ワールドカップに向けてファンの期待も高まっています。

    練習後には、長谷川慎スクラムコーチ、クレイグ・ミラー選手、ヴァル アサエリ愛選手が取材に応じました。

    長谷川慎コーチ
    去年と今年の組み方が大きく変わっている。今年のスクラムはミスが少ない印象だ。体のサイズはそんなに大きくないが、バック5がいい姿勢で押している印象がある。ここしばらくいい練習ができている。8人で押すのが日本のスクラム。しっかり足をかけて組んでいきたい。

    クレイグ・ミラー選手
    最高の舞台に立てることは光栄だ。現実ではないような気もしているが目指してきた舞台なのでとてもワクワクしている。1次リーグの初戦で対戦するチリは情熱的で体が大きく、フィジカルが強いチームだと思っている。自分たちはスクラムのテクニックに焦点を当てて、ボールをしっかり確保していきたい。

    ヴァル アサエリ愛選手
    自分にとって2回目のワールドカップに挑めることはとても光栄だ。ここまでハードトレーニングを積み重ねてきたのでコンディションはいい。前回大会、初戦のロシア戦はあまりいいスタートではなかった。今回は練習からコミュニケーションをしっかりとっていい準備ができている。自分たちを信じていいスタートを切りたい。

    9/6 トゥールーズより"ビブスの色に注目です"

    報告:筒井亮太郎アナウンサー

    私は札幌放送局で勤務していますが、トゥールーズの気温は札幌に近いと感じます。日中は、30度近くまで上がり、まだ暑いですが、朝晩は涼しく、薄着をしていると冷える日もあります。また、湿気が少ないのも札幌に似ています。

    さて、本日、日本代表がトゥールーズに来て、初めてのグラウンドの練習が公開されました!

    トレーニング施設の入口には、こんなものが新たに誕生していました。
    鳥居の形をしたモニュメント。
    中央には、「桜」や、このスタジアムを持つ強豪クラブ「スタッド・トゥールーザン」のエンブレムも。横の柱には、「歓迎」と記されていました。

    施設に入ると、スタジアム内は、こんな様子。
    これだけの立派なスタジアムを、フランスの国内リーグの1チームが持っているのですから、ラグビーが盛んな都市であることがうかがえます。

    公開された練習内容は、ダブルタックル。1人に対して、2人でタックルに行く、日本代表の武器の1つです。

    この日行われたコーネルセン選手の会見では、チリの印象について「チリはフィジカルが強い。勢いを作られると止められなくなる。コリジョン(衝突)のところでしっかり止めることにフォーカスしている」と話していました。

    この日は、赤のジャージと、緑のジャージに別れて練習が行われていました。
    赤いジャージを着ていたのは、キャプテンの姫野選手やリーチ選手、松島選手、怪我明けのファカタヴァ選手、スタンドオフの松田選手、センターの中村選手など。また、赤いジャージの上からビブスを着ていたのは、怪我明けのディアンズ選手、スタンドオフなど幅広いポジションができるレメキ選手もビブスを着てプレーしていました。

    果たして初戦は、どのようなメンバーで臨むのか、注目です!

    9/5 トゥールーズより豊原がお伝えします

    報告:豊原謙二郎アナウンサー

    豊原アナウンサーが4日に現地に入り、再び取材班が現場からに加わりました。以下、報告です。

    取材班が現場から、いよいよ本大会編に突入です!
    日本代表のベースキャンプ地はフランスの南西部トゥールーズ。そのトレーニング施設にやってきました。

    迎えてくれたのは立派なスタジアム…。そう、ここはフランス屈指の強豪クラブ、スタッド・トゥールーザンの施設なのです。
    壁面には輝かしいクラブの成績が誇らしげに掲げられています。

    そして…こんなモニュメントが。

    フランス国旗の隣に日の丸がかたどられています。そして、それをよく見ると…。

    日本代表のメンバーの名前が記されています。

    隣接されたクラブのショップにもお邪魔しましたが、日の丸が掲げられ、日本代表ジャージも販売されており、まさに「ジャパン推し」といった光景です。歓迎ぶりが窺えます。そんな心強いサポートを選手たちもきっと感じているはずです。

    その選手たち、この日公開されたのはジムセッション。怪我が心配されたワーナー選手、ファカタバ選手などもしっかりと身体を動かしていました。

    練習後は流、齋藤の両スクラムハーフが会見に臨みました。
    なかなか結果が出なかったテストマッチを受けて「全員でいかに同じ絵を描けるか。それができれば世界のどんな国も崩せる力があると信じている」と力強く語りました。

    過去2大会も取材してきた中で、メンバー選考が終わると、開幕までの間にチームは一気に研ぎ澄まされていった過程を思い出します。初戦まであと4日。どこまで高められるか楽しみです。

    99/3 トゥールーズでの歓迎セレモニーに参加

    報告:小林達記記者 渡邉光里ディレクター

    日本代表はベースキャンプ地のトゥールーズで歓迎のセレモニーに参加しました。中心部のキャピトル広場には、選手たちを歓迎しようと多くの人が訪れました。

    バスが到着すると、地元のジャン=ピエール・ヴェルナン小学校の子どもたちが君が代を歌って出迎えました。選手たちは整列して聴き入り、子どもたちが歌い終わると大きな拍手を送っていました。

    指揮をしたテレーズ・ルデュー先生によりますと、子どもたちは1年前から2週間に1度、1時間程度の練習を重ねてきたということです。

    本番での出来については「まわりの雰囲気にのまれてすごく緊張していたが、よく頑張った」と話していました。

    選手たちはこのあと地元の関係者などおよそ400人が集まったセレモニーに参加しました。

    キャプテンの姫野和樹選手が選手を代表して壇上であいさつし、練習してきたというフランス語で自己紹介しました。

    途中で覚えてきたフランス語を忘れるハプニングがありましたが、スマートフォンのメモを見返して日本代表への応援をお願いすると、会場から大きな拍手が沸き起こっていました。

    選手たちには、大会の記念のキャップが贈呈されました。セレモニーが終わると全員で記念写真に臨みました。

    その後、リーチ マイケル選手とピーター・ラブスカフ二選手が囲み取材に応じました。

    リーチ マイケル選手
    すごく歓迎されていると感じた。やっとワールドカップが始まったという感じがしている。

    ―― キャプテン姫野和樹選手のフランス語でのあいさつについて
    すてきだった。何を言っているかわからなかったが、現地でことばを覚えることは大事だと思う。事前に仕込んでいる雰囲気は出ていた。最初にフランス語であいさつできたのでインパクトを残せたと思う。

    ―― 今月10日に行われる1次リーグの初戦、チリ戦に向けては
    自分たちがどうやって勝つかという点に焦点を当てていきたい。プレッシャーも理解してきつい場面で勝ちにいけるかがポイントになる。しっかり1週間準備していきたい。

    ピーター・ラブスカフニ選手
    フランス来てから歓迎ムード感じていた。きょうのセレモニーもとてもよかった。チームの一員になれたことをうれしく思う。

    ―― 危険なタックルによる処分で少なくともチリ戦までは出場できないが
    たしかに試合には出場できないが、個人として考えるのではなくチームとして考えて、その中でいいパフォーマンスを出していきたい。いままでハードワークしてきて、自分たちの修正しなくてはいけない点、弱点もわかっている。そこを改善しながらやっていきたい。

    ―― 復帰後、ぶっつけ本番になるがどういう気持ちで臨むか
    この数か月で7分間しか出場できていないが、自分がフランカーとしてワールドカップの舞台に立つことは小さい頃からの夢だったし、その瞬間のためにやっていると言っても過言ではない。エキサイティングな気持ちを持ってワールドカップに向かっていきたい。

    日本代表は3日からフランスでの練習をスタートさせていて、今月10日の1次リーグ初戦、チリ戦に向けて調整を進めます。

    9/2 日本代表 トゥールーズに到着

    報告:渡邉光里ディレクター、小林達記記者

    空港では日の丸を持った人たちが出迎えました。

    ジェイミー・ジョセフヘッドコーチとともに先頭で姿を見せたキャプテンの姫野和樹選手は、とてもリラックスした様子です。

    流大選手もリーチ マイケル選手も、かけつけた人たちに軽く頭を下げてバスに乗り込んでいきました。ここから徐々にスイッチが入っていきます。いよいよ日本の戦いが始まります。

    監督やキャプテンが会見で意気込み

    キャンプ地入りした日本代表のジョセフヘッドコーチや姫野キャプテンなど選手が会見に臨みました。

    ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ
    トゥールーズは日本代表が慣れ親しんだ場所だ。イタリアでの合宿でしっかり準備できたので選手たちはワクワクしている。

    ーー 大会前の試合は大きく負け越したが
    これまでのことは脇に置いて前を向いてワールドカップに向かっていきたい。ここからはメンタル面が大切になってくるので、しっかり整えていきたい。

    姫野和樹キャプテン
    ここまで準備をしてきたので、あとはやるだけだと思っている。前回大会の時は不安が大きかったが、今は楽しみの方が強い。キャプテンとして自分たちを信じて信念を持って戦いたい。

    ーー バスケットボール男子はパリ五輪出場を決めた
    同じ日本代表として刺激をもらえる。今度はラグビー日本代表が日本中に感動や勇気を感じてもらえるように頑張りたい。

    堀江翔太選手
    いよいよワールドカップが来たなという感じで、身が引き締まる思いだ。『マイワールドカップ』そんな感じ。

    ーー 今月10日のチリ戦に向けて
    1試合目は緊張してなかなかうまくいかないことも多くなると思う。メンタル的にもプレッシャーがかかるので気をつけていかなければいけない。自分たちのラグビーが表現できるように準備していきたい。

    李承信選手
    いよいよ始まるんだというドキドキやワクワクがある。人生での中で何度も来るチャンスではないと思っているので、ラグビー始めてからいままで積み重ねてきたものを信じていきたい。夢の舞台でラグビーできることを全力で楽しんでいきたい。

    ーー キックの修正について
    積み上げてきたものを信じるしかない。自分の場合は半分以上、メンタルのところで修正できていないので、ワールドカップの舞台で自分を信じてプレーするのみだなと思っている。

    福井翔大選手
    空港から出たときにバスが日本代表用にラッピングされていて、ワールドカップは特別なんだなと思った。ワールドカップではインスタグラムのフォロワーを1万人突破したい(会見時約4800)。2トライ、4ジャッカルが実現に向けて必要。緊張は絶対すると思うが、緊張する時間はもったいないと思うので楽しくやっていきたい。

    長田智希選手
    フランスに来てやっとワールドカップが始まるんだなという気持ちになった。初戦に向けていい準備をしたいという思いが一番強い。

    ーー 初戦のチリ戦について
    力をつけてきているチームだと思うし、いいフィジカルを持っている。敵のこともあるが、ここまで自分たちがテストマッチで重ねてきた課題を修正してジャパンラグビーを出していきたい。それがこの先にもつながるので大事な試合になると思っている。

    トゥールーズは”ラグビーの首都”

    フランス南部のトゥールーズは、「ラグビーの首都」とも言われるラグビーのさかんな都市です。

    街角のお店には、こんな看板も。日本代表を歓迎するムードが広がっています。

    日本はここトゥールーズで、今月10日の1次リーグ初戦のチリ戦と3戦目のサモア戦に臨みます。

    8/31 イタリアでの最後の練習

    報告:小林達記記者

    9月8日に開幕するワールドカップフランス大会まであと1週間です。イタリアで合宿を続けてきた日本代表。現地での練習は、この日が最後となりました。

    公開された1時間の練習では、きのうに続いて実戦形式が中心。攻守の切り替えでどうプレーを選択していくか、フォーメーションが整わない中での動きを確認していました。

    けがからの復帰を目指すロックのワーナー・ディアンズ選手と、ロックとフランカーを兼ねるアマト・ファカタヴァ選手も実戦形式の練習に加わって順調な回復ぶりをアピールしました。

    全体練習のあとは、個人練習も行われました。
    前回のイタリア戦で課題となったプレースキックを修正しようと、スタンドオフの松田力也選手や李承信選手などはキックの練習を入念に行っていました。

    李承信選手
    松田力也選手

    その後、2人は地元のラグビーファンにサイン。BRAVE BLOSSOMSはイタリアでも人気のようです。

    ファンにサインする松田選手

    練習後、坂手淳史選手、ワーナー・ディアンズ選手、ベン・ガンター選手が取材に応じました。

    坂手淳史選手
    「チームの雰囲気すごくいい。ワールドカップに向けてひとつになっているし、ゲームに向けた準備ができている。楽しみな気持ちでいっぱいだ。イタリアでの合宿ではゲームの中でどういうことが起こるか予想しながら練習してきた。この時間帯、この点差でどんなプレーを選択するか確認している。また、キックなどゲームの勝敗に関わる個人のプレーのミスをなくすため、練習の中からプレッシャーを与えるようにしてきた。やるべきことは明確になっているので、そこをワールドカップで出せればいい」

    ワーナー・ディアンズ選手
    「足首の状態はいい感じだ。きょうが初めての全体練習でめちゃくちゃきつかったが、これからいい感じでやっていけそうだ。ずっと夢だった舞台が来週始まるので楽しみだ。ワクワクしている。けがの面で少し不安はあるが、出られるチャンスがあればけがしてもいいという思いで頑張りたい。試合に出られるようアピールしていきたい」

    ベン・ガンター選手
    「学びの多いイタリア合宿になった。この経験を生かしてワールドカップに向かっていきたい。ワーナー選手もそうだが、自分たちは初めてのワールドカップなので小さい子どもみたいにワクワクしている。どんな相手に対してもチャレンジしていきたい」

    イタリアでの練習を終えた選手は充実した表情を見せていました。選手たちは9月1日は休養し、翌2日に本番に向けてベースキャンプ地となるフランスのトゥールーズに移動します。

    イタリアからの報告は最後ということで、選手たちも癒やされたトレビゾの町並みを紹介します。次はフランスからお届けする予定です。

    8/30 イタリアに残って強度の高い練習

    報告:小林達記記者

    今月26日(日本時間の27日)、イタリアとのテストマッチを終えた日本代表の選手たちですがトレビゾに残って練習を続けています。
    攻守ともに連係面を強化しようと、ギリギリまで強度の高い練習を行っています。

    このうち28日のメンバー登録で新たに入った下川甲嗣選手は持ち前のハードワークぶりを発揮していました。また、同じく28日にメンバー入りしたアマト・ファカタヴァ選手も一部のメニューに参加して元気な姿を見せていました。練習後には、2人が取材に応じました。

    下川甲嗣選手
    「イタリア戦の2日後の朝にジェイミー・ジョセフヘッドコーチからメンバー入りを伝えられた。ワールドカップのメンバー33人の一員として選んでもらい、本当に光栄に思う。国内での合宿のときからけが人も出ていたので、何があるかわからないと思ってしっかり準備してきた。どんな立場でもチームのために貢献しようと思っていた。緊張感が高まっているが、その中でもぶれることなく自分の持っているもののクオリティーを高めていきたい。そしてゲームのメンバーに入ったときにしっかりできるような準備をしていきたい」

    アマト・ファカタヴァ選手
    「ワールドカップのメンバーに選ばれて、家族や所属チームのメンバーからたくさんのメッセージをもらった。もっともっとハードに頑張ろうと思った。日本代表で練習できることをうれしく思っている。リハビリをしっかりやって自信がついてきている。状態をもっとよくしていきたい。来週にはフルコンタクトの練習を行う予定だ」

    一方、足首のけがから復帰を目指すロックのワーナーディアンズ選手も、この日はランニングメニューに参加していました。

    1時間ほどの公開練習の最後には、フィットネス強化のメニュー。

    齋藤直人選手は、メニュー終了後、吐くほど自分を追い込んでいました。ワールドカップの開幕まで10日を切る中、選手たちは懸命に練習を続けています。

    8/26 最後のテストマッチでイタリアと対戦

    報告:小林達記記者

    日本代表はワールドカップ前最後のテストマッチでイタリアと対戦しました(世界ランキング日本は14位、イタリアは13位)。

    試合前

    会場入りする選手たちの表情は、これまで以上に引き締まっているという印象です。写真は会場入りする姫野和樹キャプテンです。

    前半

    日本はスピードのあるイタリアのバックスに苦しめられ先制のトライを許しました。

    ナイカブラ選手のトライ

    反撃はラインアウトから。素早くつないでウイングの ジョネ・ナイカブラ選手がトライを決めます。

    その後、再びトライを許しましたが、スタンドオフの李承信選手が2本のペナルティーゴールを決めて11対17で折り返しました。

    後半

    松島幸太朗選手

    フルバックの松島幸太朗選手がトライを決めて16対20と4点差に迫りますが、16分にイタリアのバックスに再びトライを許しリードを広げられました。

    ライリー選手がトライ

    日本は31分に相手ゴールライン付近で攻撃を重ねてセンターのディラン・ライリー選手がトライを決めて追い上げますが、37分と40分に連続トライを奪われて突き放され21対42で敗れました。最後のテストマッチは課題の残る結果となりました。

    試合後 監督・選手の談話

    ジェイミー・ジョセフヘッドコーチ
    「安定したプレーができない時間が続いた。後半、選手たちは頑張って取り戻そうとしたが、自滅することが多かった。プレッシャーをかけ続けることができなかった」
    ―― ワールドカップの開幕に向けて
    「選手が自信をつけることが大事になる。世界の強豪にどんなプレーが通用するか考えることも重要だが、プレーの精度を高めることが課題となっている」

    キャプテンの姫野和樹選手
    「正直、良い準備ができていたので、この結果になって残念だ。ポジティブな面もあるし、勝てるところまでいっていた。このレベルになると大事な局面でのひとつひとつのミスが命取りになる。そのところはいいレッスンになった。自分たちの仕事を1人1人が100%遂行すれば、勢いをつけられるしスコアも取れる。キャプテンとして本番ではチームを自分のパフォーマンスで引っ張ることを意識したい」

    リーチ マイケル選手(3試合ぶりの先発出場)
    「この試合が終わって自信を持ってワールドカップに行きたかったので悔しい気持ちがたくさんある。接点のところはそこまで力の差を感じていない。反省するところは反省して、自信を持つところは自信を持って残りの期間で仕上げていくしかない。きょうの結果を受け止めて最後の準備をしっかりやって本番で結果を出さないといけない」

    チーム最年長の37歳 堀江翔太選手
    「トライを取るという部分で、チームとしてどうしたいかというのは見えた部分もある。敵陣に入ってボールをキープできればトライをとれる場面があった。その精度をもっと上げたい」

    ―― チームの状態について
    「良い方向に進んでいると思う。個人のミスも少なくなってきたし、チームとしてどのようにアタックして、ディフェンスすればいいか見えてきた部分もある」

    8/25 イタリアとのテストマッチに向けて調整

    報告:小林達記記者

    「現場からシリーズ」再開です。

    スポーツニュース取材班は現地時間の24日、羽田→フランス→イタリアと乗り継ぎ、イタリアのトレビゾに入りました。写真はシャルル・ド・ゴール空港の乗り継ぎの様子です。

    そして、現地時間の25日、日本代表はトレビゾの競技場でイタリアとのテストマッチに向けて調整を行いました。
    競技場の外、写真右に写っているのは日本のメディア関係者の人たちです。ワールドカップに向けて注目が高まっていることを感じました。

    9時から始まった練習で、選手たちはミニゲームを行ったあと、先発メンバーとそれ以外に別れて連係プレーの確認を行っていました。

    危険なタックルによる出場停止処分を経て3試合ぶりの先発復帰となるフランカーのリーチ マイケル選手や、キャプテンの姫野和樹選手、それにフルバックで先発出場する松島幸太朗選手が軽快な動きを見せていました。

    練習後、リーチ選手が取材に応じ、イタリア戦へ意気込みを語りました。

    リーチ マイケル選手
    「2試合外から見ていたので試合に出られることにわくわくしている。走り込んでスキルアップをはかってきたので、コンディションは悪くない。下に入る低いタックルを決めていきたい。ワールドカップ前最後のテストマッチなので完成に近い日本代表を見せたい。まずは日本のペースで試合を運べるように先手をとりたい。そして最初から最後まで日本らしい戦いをしていきたい」

    一方、イタリア代表のキャプテン、ミケーレ・ラマーロ選手は日本代表を「手ごわい相手」と警戒していました。また個人名をあげて注目選手についても触れました。

    ミケーレ・ラマーロ選手
    「明確なプレースタイルを持っていて手強い相手だと思う。特徴を把握して対戦したい。リーチ選手は、出場停止処分が明けてチームにどのようなインパクトを与えるか見極めたい。キャプテンの姫野選手はフィジカルが強く、ボールのハンドリングもうまい中心的な選手だ。松島選手は、フランスでプレーしていた時期もあり、とてもスピードがある。日本代表のバックスに強い選手がいるので、そこをどう抑えるかがカギになってくる」

    日本代表