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ラグビー日本代表 ジョセフHコーチ【一問一答】W杯まで3か月

ラグビーワールドカップフランス大会の開幕まで3か月を切りました。日本代表のジェイミー・ジョセフヘッドコーチがNHKのインタビューに応じ「今月12日から始まる国内合宿でタックルを強化していきたい」と話しました。

ジェイミー・ジョセフヘッドコーチがNHKのインタビューに対して語った主な内容です。

ラグビーワールドカップは20チームが出場して9月8日にフランスで開幕し、前回、自国開催で初めてベスト8進出を果たした日本は、それを上回るベスト4を目指しています。

Q.開幕まで3か月。今の心境は?

A.本当にワクワクしています。私だけではなく、ほかのスタッフもワクワクしています。私たちはリーグワンの決勝が行われた後に国内合宿に臨むメンバーを発表しました。このため、選手と話す機会はまだありません。

今はワールドカップのために集まって、代表の活動を開始できることをみんな心待ちにしています。

Q.4年前との違いは?

A.違いはたくさんあります。すべてを詳しく説明するのは難しいですが、ひとつ大きな違いをあげるとすれば、新型コロナのパンデミックを経験したことだと思います。1年間ラグビーができませんでした。選手の世代交代もありました。

何人かの選手が引退し、何人かの選手は数年間、日本代表から遠のいて、今回チームに戻ってきました。新しい日本代表に若い選手が入り、堀江翔太選手のような経験を積んだ選手がチームに復帰しました。

そして、もうひとつの大きな違いは前回大会はホームで行われたのに対し、今大会はアウェーでの開催となることです。

去年7月

Q.本番までの3か月の計画は?

A.6月は大会の長い期間をプレーできるよう、体づくりを行います。選手たちはリーグワンを戦ってきたので、一度、体をリセットして再構築することが求められます。フィットネスや体の強さにこだわって練習を積んでいきます。そして、日本代表がどのようにプレーするか、そのために何に取り組む必要があるかをしっかり理解してもらいます。

7月の強化試合やテストマッチは、私たちの計画と戦略を実行するための試金石となります。

8月にはイタリアとの重要なテストマッチがあるので、そこでワールドカップ前に自分たちのやりたいことを試し、その後、選手の体をパーフェクトな状態に持っていきたいと思っています。

日本代表候補合宿(去年9月)

Q.合宿では何に焦点を絞って強化するか?

A.ひとつはタックルだと思います。特にバックスは、対戦相手のチームほど体が大きくありません。日本の選手は低いタックルで有名ですが、現代のラグビーでは、相手にオフロードパス(タックルを受けた選手が倒れながら行うパス)をつながれ、勢いを与えてしまいます。

このため、適切な高さでタックルをすることが重要になります。合宿中はディフェンス、特にタックルワークに焦点をあてて強化していこうと思っています。

なぜなら私たちのボール保持率は40%から45%ほどで、残りの55%ほどは相手ボールで、守備を固めなければならないと想定されるからです。

一方、勝つためにはディフェンスだけではなく、アタックの強化も必要です。アタックは、ジャパンのDNAとも言えるもので、スキル、スピード、フィットネスの3つの要素が求められます。

Q.チョップタックル(相手のひざ付近に入る低いタックル)ではなく、チョークタックル(上半身を抱え込み、ボールに絡むタックル)のスキルを上げていく?

A.タックルにはいろいろありますが、ひとつのタックルの形にフォーカスするのではなく、いろいろなシチュエーションに対応できるように訓練していきたいと思っています。

特にイングランドやアルゼンチンは体の大きさを生かして前に出て、キックなどでプレッシャーをかけてくるはずです。そうしたチームに対し、自分たちが臨機応変に対応できるタックルを身につけなければならないと思っています。

Q.いいタックルをするためには何が必要か?

A.どんなチームでもそうですが
▽素早く守りの形を整えること
▽できるだけ多くの選手が立ってプレーすること
▽前に出てプレッシャーをかけ、相手のスキルを封じることが重要になります。

そして、これらを一時的にやるのではなく、80分間やり続けられるかが問われることになります。

Q.1次リーグのヤマ場となる強豪、イングランドとの試合で重要になるポイントは?

A.スクラムやラインアウトなどのセットプレーを安定させることが大事になるでしょう。去年のテストマッチ、ニュージーランド戦はセットプレーがうまくいったと思います。しかし、その後イングランドと対戦した時はセットプレーが最後まで安定せず、敗れました。

セットプレーに関しては“魔法”はありません。まさにフィジカルの競争であり、技術的な競争でもあります。

私たちは、前回のワールドカップのアイルランド戦やスコットランド戦、そして去年のニュージーランド戦でチームに能力があることを示すことができました。

堀江翔太 選手

さらに堀江翔太選手の代表復帰もプラスの要素です。「フロントロー」と呼ばれるフォワード最前列で経験豊富な堀江選手がチームに与える自信は非常に大きいものになるでしょう。試合の大事な時間帯で力を発揮できるよう、セットプレーの強化を図っていきたいと思っています。

《日本代表 今後のスケジュール》

【国内合宿】

▽6/12(月)~6/30(金)(千葉 浦安)
▽7/3(月)~8/3(木)(宮崎)

【強化試合・テストマッチ】

▽7/ 8(土)JAPAN XV × AllBlacks XV(東京・秩父宮)
▽7/15(土)日本 × AllBlacks XV(熊本・えがお健康スタジアム)
▽7/22(土)日本 × サモア(札幌ドーム)
▽7/29(土)日本 × トンガ(東大阪市花園ラグビー場)
▽8/ 5(土)日本 × フィジー(東京・秩父宮)
▽8/26(土)日本 × イタリア(イタリア)

【ワールドカップフランス大会・1次リーグ(日本時間)】

▽9/10(日)日本 × チリ(トゥールーズ)
▽9/18(月)日本 × イングランド(ニース)
▽9/29(金)日本 × サモア(トゥールーズ)
▽10/8(日)日本 × アルゼンチン(ナント)

日本代表