日本サッカーの歴史を変えるような結果を残したい

田中碧

サッカー

2022年11月に開幕するサッカーワールドカップで史上最高のベスト8以上を目指す日本代表。そのカギを握る存在になりそうなのがミッドフィルダーの田中碧だ。

2021年10月のアジア最終予選、オーストラリア戦では日本代表の中盤の一角を任され、攻守において存在感を示し日本の7大会連続となる本大会出場に大きく貢献した。日本代表としてはアピールした1年となったがシーズン全体を「50点くらい」と振り返る。

「今まで自分が知らなかった世界を知ることができたのでサッカー人生においてすごく貴重な1年だった」

2021-2022年シーズン、田中は初めての海外挑戦としてドイツ2部リーグのデュッセルドルフでプレーした。

「今まで日本でしかサッカーをしてこなかったので、違う国でプレーすることでその国のサッカーを知ることができたし、たくさんのことを吸収できた」

1対1の局面での勝負が重視されるドイツのリーグ。身長1m80cmの田中は小柄なほうだ。ドイツの選手は体をぶつけても動かない「鉛のようだ」と表現する。シーズン当初は体格やパワーで上回る相手にどう対抗するかが課題だと感じ、もがき苦しんでいた。
2021年11月には「何1つ通用している感覚がない。自分のプレーを少しずつ変えていかないといけない」と苦しい胸の内を明かしていた。

ドイツでプレーする中で変わっていったのが守り方。
相手の攻撃を遅らせる守備ではなく、積極的にボールを奪いに行くことをより強く意識するようになった。

「相手の目の前で止まるというよりもボールを奪いに行くことが(ドイツで)すごく求められるし、評価されることでもあるので1対1に勝つというシンプルなことにフォーカスするようになった」

その成果は数字にも表れた。リーグ戦での1対1の勝率は前半戦は43%ほどだったが、後半戦になるとおよそ58%まで上昇したという。

「(体の大きい相手との勝負は)今も苦労するところではあるけれど準備の部分が大事で、相手のやりたいことを察知して先に動けるかどうか。プレーの判断やスピードは必然的に上がってきていると思う」

ワールドカップカタール大会の1次リーグで日本はスペインとドイツという攻撃力の高いチームに挑む。
磨いてきた「奪いに行く」守備はポイントの1つになる。田中がボールを奪い切り、相手の態勢が整わないうちに素早く攻めることができれば相手ゴールに迫る回数も増やせるからだ。

苦境も経験しながら成長を続けてきた23歳は世界の強豪との戦いが待ち受ける本大会へ向け、決意を新たにしている。

「まずは自分自身、ワールドカップに出るチャンスがあると思うのでその切符を獲得すること。日本サッカーにとっても大きな分岐点になると思うので日本サッカーの歴史を変えるような結果を残したい」

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