もっと進化して、もっと盛り上げたい

堀米雄斗

スケートボード

2021年の東京オリンピックで初めて開催されたスケートボード。
金メダルを獲得し、この競技の知名度を高めるきっかけとなった堀米雄斗は、翌2022年、日本で初めて開催されたアクションスポーツ世界最高峰の大会「Xゲームズ」でさらに進化を遂げた姿を見せた。
1万7000人の観客を前に、2つの新しいトリックを組み込んだ滑りで世界のトッププロたちを圧倒。優勝を果たした。

「オリンピックのあと初めてのコンテストですごく緊張していたが、多くのファンの人たちが来てくれて、スケートボードが少しずつ認められてきている感じがする。その応援に応える滑りができて本当にうれしい」

オリンピックの頂点に立ったあとも、堀米はアメリカの自宅にある専用のスペースで新しいトリックを試すなど、ひたすら技術を磨き上げてきた。
いまは自然体でスケートボードに向き合うことができるようになったという。

「オリンピック前は楽しいというよりは、練習も本当にきつい感じで。楽しく滑るってよりはプレッシャーを感じながらずっとスケボーしていた。楽しみながら練習して、新しい技に挑戦できることは本当に幸せ」

東京オリンピック以来の実戦として臨んだXゲームズは、堀米にとって小さいころからの“夢のコンテスト”だ。
決勝では、180度回転してレールに飛び乗り、車輪をつなぐ金属部分を滑らせるトリック、「ノーリーバックサイド180スイッチスミスグラインド」を初めて決めるなど、圧倒的な滑りでファンを熱狂させた。

堀米には日本のスケートボードシーンを本場、アメリカ並みに引き上げたいという野望がある。

「東京オリンピックが開催されて少しずつ認められてきたが、まだ環境はそれほどよくない。本当にこれからなのが日本のスケートボード。待つだけじゃなくて自分で動いていって、日本のいろんなところにスケートボードパークを作れたらうれしい」

それを実現するには自身のさらなる活躍が必要だと自覚している。

「パリの目標はやっぱり金メダル。オリンピックで2連覇できるのは自分しかいない。新しい技をどんどん出せるようにもっと進化して日本のスケートボードをもっと盛り上げたい」

2024年、パリの大舞台で新しいトリックを決める堀米の姿は日本のスケートボードシーンの進化の証しとなるだろう。

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