風疹の最新ニュース

風疹の最新ニュース

海外渡航の男性は風疹ワクチン接種を 2017年02月01日

今週土曜日、2月4日は、ことしから「風疹の日」に制定されました。
風疹は、妊娠20週、5か月くらいまでに感染すると、生まれてくる赤ちゃんの耳や目、心臓などに障害が出るおそれがあります。このため産婦人科の医師などが、ことしから毎年2月4日を「風疹の日」、2月を啓発月間として、ワクチン接種による予防を呼びかけていくことにしたのです。

 

風疹は、女性の問題と思われがちですが、呼びかけのターゲットになっているのは実は男性です。海外に渡航する人向けに予防接種を行っているクリニックの院長、矢嶋茂裕医師は、渡航する男性に、風疹のワクチン接種を勧めています。アジアやアフリカなどに渡航した男性が風疹に感染し、帰国後に発症して広がるケースが少なくないからです。

 

しかし、風疹のワクチンの接種を希望する人は少なく、矢島医師は「風疹の認識はほとんどない。海外は日本以上に流行している地域があるので、ワクチンを積極的に打ってほしい」と話しています。

 

風疹の対策が思うように進んでいないことから、産婦人科の医師や感染症の専門家は「風疹ゼロ」プロジェクトを立ち上げました。毎年2月4日を「風疹の日」、2月を「風疹ゼロ」月間として、ワクチンの接種による予防を呼びかけていくことにしたのです。プロジェクトが特に力を入れているのは、30代から50代の男性です。

 

子どものころ、予防接種を受けていない人が多く、平成24年から25年にかけての流行で、感染を広げる中心になったからです。日本産婦人科医会の平原史樹常務理事は、「いつまた大流行になってもおかしくない、大人がその原因になる可能性が一番高く、大人は、風疹を予防しようという心がけをもってほしい」と呼びかけています。

 

プロジェクトの会見には、風疹による障害で娘を亡くした、岐阜市の可児佳代さんも出席しました。可児さんは、妊娠初期に風疹に感染し、娘の妙子さんが、耳や心臓などに重い障害を負って生まれました。妙子さんは、心臓の疾患が原因で、18歳で亡くなりました。妙子さんが亡くなってから、可児さんは風疹の予防の大切さを知ってほしいと、ホームページを作り、ワクチンの接種を呼びかけてきました。

 

しかし、風疹の流行はその後もなくならず、前回の流行では、45人の赤ちゃんが耳や目、心臓などに障害を負いました。可児さんは「私とつながっているお母さんの中には、ご主人からうつったお母さんもいますし、職場で感染した人もいます。風疹はワクチンで防げるので、女性だけでなく男性もワクチン接種をして、未来の命を守ってあげてほしい」と訴えています。

 

4年前の流行を受けて、ほとんどの自治体では、風疹の抗体検査やワクチン接種の費用を助成しています。お住まいの自治体にお問い合わせ下さい。