風疹の最新ニュース

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「風疹を止めよう」 緊急セミナーを開催 東京 2013年03月30日

風疹が大流行する中、自治体の担当者や医療関係者などが集まって対策を話し合う緊急のセミナーが都内で開かれ、患者の8割以上が20代から40代の大人であることから、
「職場でのワクチン接種や発症した際に就業を制限するルールが必要ではないか」などの意見が相次ぎました。
このセミナーは国立国際医療研究センターが開いたもので、自治体の担当者や医師などおよそ50人が参加しました。風疹の患者は今年に入って、すでに2000人を超え、去年1年間の患者数を今月中にも上回る勢いです。また、妊婦が風疹に感染したことで去年10月以降、7人の赤ちゃんに難聴などの障害が出ています。

セミナーでは、三井記念病院産婦人科部長の小島俊行医師が、風疹に感染した妊婦からの相談が相次いでいる現状を報告しました。この中で、小島医師は、「感染した妊婦の周りに風疹の患者がいないケースが多く、今はどこで感染するか分からない状況だ。感染の拡大を食い止めるためには職場でワクチン接種を進めてはどうか」と提案しました。
また、風疹の患者を数多く診療している国立国際医療研究センターの國松淳和医師は、大人の患者の特徴について、発熱とともに顔や体に赤い発疹が一気に出て、耳の後ろや後頭部のリンパ節が腫れ、目が充血することが多いと説明しました。

そして、「大人は、風疹の症状が出ても仕事を休まない人が多いため感染を広げてしまう可能性がある。就業を制限する何らかのルールが必要ではないか」と話しました。

参加した助産師は、「お腹の中の赤ちゃんを守るために予防策をとらないといけないのがわかった。私と同じ年代の20代の男性が多いということで、ぜひ周りの友人に予防接種を勧めたい」と話していました。

国立国際医療研究センター国際感染症センターの加藤康幸医師は「中には風疹で脳炎など重い症状が出る人もいる。流行を食い止めるためには妊婦の周りの人以外の人も予防接種をして社会全体で流行を抑えることが重要だ」と話しています。