株主総会ピーク またハゲタカ登場!?
企業の株主総会がピークを迎えています。株主提案が例年と比べて多く出されているのがことしの特徴ということですが、アクティビスト(=モノ言う株主)が活発に動いているとも。あのドラマ「ハゲタカ」を思い出しますが、いま何が起きているのでしょうか。経済担当の小坂隆治解説委員、教えて!
ことしの株主総会はどんな特徴があるの?
ことしの株主総会、株主の動きがかなり活発になっているのが特徴なんです。
今月、株主総会を開く主要企業で、株主提案を受けた企業は90社にのぼり、過去最多。
議案の数も344件と過去最多なんです。
この株主提案というのは、今の経営陣に対して経営方針の修正や取締役の交代を求めるなど、いわば反対の立場で行われるものですから、その多さは異例とも言えます。
特にアクティビスト(=モノ言う株主)の動きが活発なんです。
モノ言う株主といえば、NHKのドラマ「ハゲタカ」を思い出すよね。
会社を乗っ取ろうとした…。
そうですよね、アクティビストと言えば株価をつり上げて短期的な利益をねらうイメージが強いですが、実は今はそうでもないんです。
それは株主提案の中身を詳しくみると分かります。
こちらはその内訳ですが、去年と比べて大きく増えているのがこちら、ガバナンス(=企業統治)に関連した提案なんです。
例えば、▽取締役の過半数を社外取締役にする、▽取締役にも株主の目線を持たせるために株式の保有を求める、といったものです。
つまり、経営のあり方そのものの改善を求めているんです。
それは、どうして?
“日本型経営”ということばを聞いたことがあると思いますが、例えば▽創業家や社長に権限や影響力が集中し、社外取締役がお飾りのようになっていたり、▽経営の安定ばかりを求めて成長を追求しなかったり、▽本来は会社の“持ち主”であるばずの株主を軽視したり、といったものです。
この日本型経営には改善の余地が大きいとして、海外のアクティビストがこぞってターゲットにしているというわけです。
実際、ガバナンスを改善させることで企業価値が上がれば、株主にとってもメリットが大きいですから、アクティビストの株主提案に対し、ほかの株主も賛同する傾向がいまは高まっています。
改善の余地が大きいというのは、日本が遅れているということでもあるよね。
そうですよね。
アクティビストもかつてと比べて、日本の企業経営についてかなり研究をしていますし、ほかの株主の賛同を得るためのいわば“正攻法”の提案をしています。
もちろん株主提案の中身にもよりますが、ガバナンスの改善につなげようという提案がなぜ出されたのか、真摯(しんし)に向き合いながら企業の価値を高めてほしいと思います。
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