NEW2019年09月12日

サクサク消費税(5) 出前はどうなる?

消費税の気になる点を解説する「サクサク消費税Q&A」。今回は、ピザの宅配やそばの出前の消費税についてです。

軽減税率の導入で、外食になる店内飲食は10%の税率、持ち帰りは8%の税率になることは理解しました。宅配や出前は、外食と同じように見えるので、10%の税率になりそうな気がしますが。

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そう思うのもわかりますが、実は8%の税率になるんです。なぜかと言いますと、ピザの宅配やそばの出前は、顧客が指定した場所に単に飲食料品を届けているだけだと見なされるためです。単に届けているだけなので、外食にはあたらないと判断される、というわけです。

届ける商品を作っているのは飲食店なのに、外食とはみなされないんですか。では、自宅で料理を作ってもらう「出張料理」の場合はどうなるんでしょう。

答えから言いますと、これは軽減税率の対象にはなりません。なので10%の税率となります。

「顧客が指定した場所で加熱や調理、それに給仕などのサービスを伴って飲食料品を提供すること」は、軽減税率の対象とはならないことが国の指針で示されています。簡単に言うと、運んできてもらうだけなら8%。そのうえでさらに調理などをしてもらうと、これは軽減税率の対象ではないとされるんです。

食事を運んで配膳もしてもらう「ケータリング」も軽減税率の対象外とされています。

出前が8%で、出張料理やケータリングが10%となると線引きが難しいですね。

軽減税率というのは、あくまで生活に必要なものの税率を据え置くという考えが大前提にあるんです。

出張料理やケータリングが生活に欠かせないものだとはちょっと言えないですよね。むしろぜいたくなサービスだと判断されたため、軽減税率の対象から外すことになったんだと理解できます。

そういうことですか。例えば、会社の会議室などに喫茶店からコーヒーを運んでもらうこともあると思うんですが、今までの考え方から言うと、この場合は8%の税率になるんですかね?

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そうです。これは単に会議室にコーヒーを運んでいるだけなので、軽減税率の対象になりますね。食事を運んでもらうだけなのか、そこでさらに調理や加熱を行うのかどうか、というのが判断のポイントになります。

次回は、「一体資産」と呼ばれる、おもちゃ付きのお菓子などにはどのような税率が適用されるのか、解説したいと思います。