サクサク消費税(6) 一体資産って何?
消費税の気になる点を解説する「サクサク消費税Q&A」。今回は「一体資産」の税率についてです。
軽減税率の線引きについてはだいぶわかってきましたが、例えば「おもちゃ付きのお菓子」のように、食べ物と食べ物ではないものが一体となって販売されるものの税率はどうなるんですか。
そういう一体となって販売されているものは、「一体資産」と呼ばれています。
「おもちゃ付きのお菓子」の場合、お菓子は軽減税率の対象となる一方、おもちゃは対象とはならないので、商品全体で見た場合にどちらの税率が適用されるのか、判断が難しいですよね。
国が示した条件は2つあって、1つは全体の税抜き価格が1万円以下であること。そして飲食料品の価格の割合が、全体の3分の2以上であることです。この条件を2つとも満たす場合には、商品全体が軽減税率の対象となります。
価格の割合の算出の仕方は、販売する時の値段や仕入れた時の値段の割合などを考えて、事業者側が合理的に計算したものであればよいとされています。
おまけの値段がほとんどを占める場合には、軽減税率は適用されないということでしょうか。
そうですね。例えば、高級な焼き物の皿と数個のアメがセットになって1つの商品として、税抜き価格1万5000円だった場合を考えてみてください。この商品全体をアメは食品だからという理由で軽減税率の対象にはできないということです。価格のほとんどは焼き物の値段で、もう「皿付きのアメ」ではなくて「アメ付きの皿」だと判断されるんです。
なるほど、イメージできますね。ただ、そもそも何が「一体資産」に該当するかということなんですが、ファストフード店の「おもちゃ付きのハンバーガーセット」はどうなるんでしょうか?
軽減税率が適用されるためには、持ち帰りが前提です。そのセットについてくる非売品のおもちゃが選べる場合には、選ぶ自由があるので「一体資産」とはみなされないとされています。このためハンバーガーと飲み物とおもちゃという別々の商品を、一括で販売したと理解され、税率が違う商品はそれぞれの金額を区分する必要があるというのが原則なんです。
では、おもちゃだけ10%の税率となってハンバーガーと飲み物は8%の税率で持ち帰るということ? 複雑じゃないですか?
そう思いますよね。ただ、▼おもちゃを付けても付けなくてもセットの価格が変わらない場合や、▼ハンバーガーと飲み物の単品の価格を足し合わせた時点で、セット全体の価格を超える場合(ハンバーガー300円+飲み物200円→セット価格450円)には、「おもちゃの価格は0円」だとしても構わないことになりました。この場合には、セット全体に8%の軽減税率が適用されることになります。
0円の商品には何%を課税しても0円だから、結果としてセット全体が8%になるということなんですね。
次回は、軽減税率の導入で小売店や飲食店の価格表示や価格設定がどう変わるのか、解説します。
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