旅行相談が有料化?JTBの試みのねらいは
JTBの都内の一部店舗では、旅行計画を作るための相談が、場合によっては有料になりました。突然の“旅行相談の有料化”にネット上では、驚きの声が相次いでいます。その背景には何があるのでしょうか。
旅行相談が有料化ってどういうことですか?
東京 渋谷区にあるJTBの店舗に行ってみたんだけど、それぞれの相談ブースに「旅行相談に伴う相談料金を頂戴いたします」という注意書きが貼ってあった。
それによると、国内旅行の相談は30分2160円。海外については最初の30分が5400円で、それ以降は30分3240円を請求するという。ただし、相談から10日以内に旅行を申し込んだ場合には、支払った相談料金は旅行代金の一部になるから、実質無料になるということなの。
有料化を実施しているのは、渋谷区の2つの店舗だけで、しかも“試験的な導入”なんだって。来店客が比較的多い渋谷の店舗で、客の反応をみて他の店舗への展開を検討したいとしている。
どうして有料化したんですか?
有料化したというよりは、実はもともと相談料金は「支払わなければいけない料金」になっているということなの。
国が定めた「標準旅行業約款」では、「旅行の計画を作成するために必要な助言をした場合などには、旅行者は相談料金を支払わなければならない」と書いてある。この約款は、旅行会社と旅行者の間で交わす契約の取り決めモデルとなっていて、JTBの対応も、これに基づいているんだけど、ほかの多くの旅行会社でも契約の取り決めでは相談料金を取ることになっている。
でも実際は、慣例的に無料になっていたんだって。JTBに聞くと、「相談を受ける前には、事前に料金が発生することを説明しないといけない。一方で、来店客に対していきなり料金の説明をすると、気分を害してしまい相談にならないこともある。このため料金をもらわないことが多くなった」という。
だから、本来の取り決めと食い違っている部分を見直したいと考えたそう。
本来の取り決めと違うのは以前から続いてきたわけで、なぜ今なのかと思ってしまいますが。
そうよね。店舗を訪れた私の知り合いは、「長い時間かけて相談に応じても、予約はネットで行う客もいる。そうした客のために、別のお客様を待たせるのは迷惑になるので料金を取ることになった」といった説明を受けたという。
最近、店舗を持つ旅行会社は、インターネットの予約サイトに押されていて、こうした時代の流れも背景にあるとみられるの。それに、店舗によっては相談の待ち時間が1時間を超えることもあるというから、ちゃんと契約してくれるお客さんを大事にしたいという考えもありそうね。
ネット上では肯定的な意見の一方で、否定的な意見も出ている。
他の旅行会社は、どのような対応になっているんですか?
日本旅行は「相談といっても世間話に近いものから旅行前提のものなど内容はさまざまで、ケースバイケースで料金を取ることもある」としている。
近畿日本ツーリストは「現状では相談料金を請求することはほとんどないが、今後は相談の内容によっては料金を取るかもしれない」としている。
JTBが始めた有料化の試み。今後、広がっていくのか注目してみていきたいわね。
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