ANA国際線の座席指定 なぜ有料化?
全日空は、国際線のエコノミークラスの一部で、事前に座席指定する場合は有料とすると発表しました。これまで無料だった飛行機の座席指定の有料化。ネット上では、「ついにきたか。これは結構な値上げだ」といった批判的な意見が相次ぐ一方で、「航空会社は収益があがり、乗客はお金を出せば好きな席をとりやすくなる」と賛成する声も上がっています。
僕も海外に出張に行くことがあるので気になるニュース。どういうことですか?
全日空は5月29日から、国際線のエコノミークラスの中で、予約の変更ができない格安の航空券の購入者について、一部の座席を指定する場合には有料にするということなの。
国内線はこれまでどおり無料。有料化されるのは日本の空港と海外を結ぶすべての路線。座席代として、1500円から5500円の料金を支払わなければいけなくなるんだって。一部の座席というのは、非常口近くの座席(赤色)や、機内の前方の通路側・窓側(黄色)の座席のこと。
僕はいつも窓側の席を取ります。これまでは座席指定は、先着順でしたよね。
そう、早い者勝ちだったの。会社の説明によると、機体の前方で、足が伸ばせる非常口近くや、自由に行き来できる通路側、それに景色が見える窓側などは“人気の高い座席”で、早い段階で埋まってしまうケースが多かった。
料金はと言うと、同じエコノミークラスでも、予約の変更や払い戻しが可能かどうかなどで7種類に分けられていて、数十万円も違うケースもある。
だけどこれまでは、格安な料金で早く予約した人が人気のある席を押さえてしまうから、出発の直前に、高い料金でチケットを買った人が人気のない席に座ることもあって、不満が出ていたの。
だから、そういう人のためにも、有料化によってよい席を少しでも残しておきたいということなんだって。搭乗回数の多い、いわば“上客”とも言える、マイレージの上級会員は、格安券でも引き続き無料で座席指定ができるそうよ。
座席指定の有料化、ほかの航空会社でも導入しているのですか?
国内の大手航空会社では今回の全日空がはじめてだけど、LCCでは、座席指定がすべて有料という会社もある。
それに実は、海外では珍しくないの。アメリカのユナイテッド航空や、イギリスのブリティッシュ・エアウェイズ、シンガポール航空など主要な航空会社が、すでに一部の座席指定を有料にしている。
全日空が有料化を決めた背景には、国際的にはスタンダードになりつつあるということがあるんだって。単なる値上げと思われないためにも、その分、乗客へのサービスが向上することを期待したいわね。
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