NEW2019年02月13日

“バイトテロ” どう止める

外食チェーンやコンビニなどで、従業員の不適切な行為を写した動画が、ネット上に掲載される問題があとを絶ちません。瞬く間にネット上に拡散し、企業のブランドイメージも大きく傷つけることから、“バイトテロ”とまで呼ばれるようになっています。こうした事態を受けて、企業側も再発防止に強い姿勢で乗り出しました。

“バイトテロ”って決して穏当なことばじゃないですが、次々と出てきてますよね。食品の扱いが不適切だと見ていても愉快じゃないし、消費者としても心配になります。

2月に入って、コンビニ大手の「セブン‐イレブン」や「ファミリーマート」で従業員による不適切な行為を写した投稿があった。外食では、回転寿司の「くら寿司」やファミリーレストランの「バーミヤン」、それにカラオケ店の「ビッグエコー」で、従業員による不適切な行為の動画が明らかになり、企業側が謝罪する事態になった。食材や商品の衛生管理は見過ごせない問題だし、ブランドイメージも傷ついて売り上げにも大きな影響を与える。
だから企業側は事態を重く見て、投稿した従業員を解雇したり、法的な措置も含めた厳正な処分を検討したりしている。

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それにしても、なぜいま“バイトテロ”がこんなに相次いでいるんですかね?

不適切な投稿自体は、ツイッターやユーチューブなどの広がりとともに、10年ほど前からたびたび起きている。
これまでインスタグラムやティックトックなど動画の投稿が楽しめるSNSの種類は増えてきたし、おもしろい動画を投稿するユーチューバーの人気も高い。
さらに24時間で投稿が見られなくなるサービスも登場するなどして、誰もがより気軽に動画の投稿が楽しめるようになったことが、今のような事態の背景にありそうね。
一方、企業側も対策を打ってはきたけど、アルバイト従業員は学生が主体ということもあって、新年度スタートの4月などを節目に大幅に入れ代わってしまうことも珍しくないので、徹底されにくい面もある。

法的な措置って、警察への被害届の提出や損害賠償とかですかね。アルバイト従業員にそうした厳しい処分を検討するのは、これまでにあまり聞かなかったように思うけど?

これまでは、企業側も早期の事態収束を優先して、そこまで厳しい処分を行ってこなかった。だけど、バイトテロが相次ぐ流れをもう止めたいという考えが強まってきたということね。
くら寿司では、その理由を、さまざまな外食チェーンで類似の事案が多発する事態に一石を投じ、抑止力と再発防止につなげるためだと説明している。

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軽い気持ちでのSNSの投稿だったとしても、すぐに拡散してしまうから、取り返しがつかないですもんね。

そうね。だから、企業側もさらに踏み込んだ再発防止策に乗り出している。
セブン‐イレブンは、ことし4月に従業員向けのマニュアルを改訂し、店舗での私的な動画の撮影やSNSへの投稿を禁止する。
くら寿司も、全国のすべての店舗でSNSの使い方や食材の衛生管理について勉強会を行うほか、スマホ持ち込み禁止を徹底するようマニュアルを見直すことにしている。
ハンバーガーチェーンの日本マクドナルドも、去年12月に新たなガイドラインをつくり、従業員が会社の機密情報やブランドを傷つける内容をSNSに投稿することを禁止した。

ネット上では、アルバイトの時給に対して、業務量が多すぎたり、責任を持たせずぎたりしているのではないか? そうしたことが企業側への不満につながっているのではないか?という指摘もありますね。

確かに、外食やコンビニの現場はアルバイトなどの非正規従業員が多い。正社員に比べて人件費がかからず、低価格路線を支えているとも言える。
厳罰化や再発防止策の強化も必要かもしれないけど、アルバイト従業員の働く環境や給与の面で課題がないかどうか、企業側がしっかりと向き合うことも大事になりそうね。