NEW2019年01月10日

平成最後の新車ランキング 30年でどう変化

平成最後となる新車販売の年間ランキングが発表されました。去年(平成30年)1年間に国内で最も売れた車は、ホンダの軽自動車「NーBOX」で、2年連続でトップとなりました。

やっぱり、去年も軽自動車が強かったんですね。

そうね。去年1年間に売れた車の上位10車種のうち、7車種が軽自動車だった。

ニュース画像

背が高い「ハイトワゴン」と呼ばれるタイプなど、軽だけど、空間を広く利用できることに加えて、歩行者を検知する自動ブレーキなどの安全装置を充実させた車が人気を集めている。

軽自動車を除いた乗用車(登録車)では、日産の「ノート」が昭和43年に統計を取り始めて以来、初めてトップになったんですね。

ニュース画像

初めてとは意外だった。ノートの販売が伸びたのは、2年余り前に「e-POWER」というハイブリッド技術を搭載した車を投入したことが大きい。この車は、エンジンで発電して、すべてモーターで走る。電気自動車のように、力強い加速ができるほか、ブレーキをあまり使わずにアクセルペダルだけでスピードを調整できる、これまでにない乗り心地が人気なんだって。今は、ノートの約7割をこのタイプが占めている。

日産と言えば、おととし以降、車の検査をめぐって不正が相次いで発覚したし、カルロス・ゴーン前会長が逮捕された事件も衝撃でしたが…。

販売が落ちた時期もあるので、影響がないとは言えない。今回のランキングで、軽自動車を除く乗用車の上位30位までに入ったのは、日産の場合、この「ノート」のほかは「セレナ」と「エクストレイル」だけ。全体としては、売れている車が多いわけではないの。

「平成」の30年、売れる車も大きく変化しましたよね。

ニュース画像

平成が始まったころは、「カローラ」「マークⅡ」「クラウン」など、セダンタイプの車が圧倒的に多かった。

カローラが首位から転落したのは平成14年。ホンダの「フィット」がトップに。この年のランキングを見ると、このほかにも「マーチ」「イスト」「ヴィッツ」など、コンパクトカーが売れ筋に。

さらに平成21年になると、トヨタのハイブリッド車「プリウス」が初めてトップに立ったほか、ホンダの「インサイト」も5位に入り、ハイブリッド時代が本格的に到来した。
そしてその後も、燃費のよい車の人気が続いている。

ところで、平成の30年間で最も売れた車(登録車)は?

それはやっぱり「カローラ」。30年間の販売台数が500万台を超えて断トツのトップなの。

国内の新車販売台数は、この30年間で見ると、ピークの平成2年の777万台から去年は7割近くの527万台余にまで減少した。人口減少や高齢化などを背景に市場の縮小傾向が続いている。

新元号となる次の時代に車はどう進化し、どのような使われ方をしていくのか、この30年間よりももっと大きな変革が起きそうな気がする。