NEW2018年11月12日

ソフトバンク “親子上場”するって?

「ソフトバンクグループ」の子会社で、携帯電話事業をになう「ソフトバンク」が、12月19日に東京証券取引所に株式上場することになりました。市場から調達する資金は過去最大規模になる見込みです。

親会社の「ソフトバンクグループ(以下:SBグループ)」も上場していて、新たに子会社の「ソフトバンク(以下:SB社)」も上場させると。いったいどういう狙いなんですか?

上場で得られる多額の資金を、ほかの分野への投資に回すということね。

SBグループは、世界的に企業の買収や出資を重ねて事業を拡大させてきたけど、同時に、16兆円を超える多額の有利子負債を抱えてもいる(2018年9月末)。

AI=人工知能やロボットなどの分野への孫社長の投資意欲はまだまだ強く、その資金を、借金をなるべく増やさずに得ようという狙い。

ニュース画像

もちろん、上場後はSB社の毎年の利益の中からほかの株主への配当も支払われるから、SBグループが受け取る額は減ることになるけど、一気に多額の資金を得ることを優先させたのね。

「親子上場」に問題はないんですか?

「NTT」と「NTTドコモ」、「日本郵政」と「ゆうちょ銀行」など、ほかにも例はあるけど、課題として指摘されるのが「利益相反」の問題。

「利益相反」?

親会社が進める戦略が、子会社や他の株主のためにならない内容だったり、その逆だったりする可能性がある場合に、それぞれ独立して適切な経営判断ができるのか、ということ。

今回の上場申請にあたって、SBグループは、取締役の役割分担を進めるなどしてSB社の独立性を強化する姿勢を示した。このため東証は、問題がないと判断したのね。

ニュース画像

上場で調達できる資金は過去最大規模ですか。

発表された今の時点の想定価格をもとに計算すると、2兆6000億円余り。昭和62年のNTT上場の際(約2兆2000億円)を上回って過去最大規模になる見込みね。今回の大型上場がどこまで投資家の関心を呼ぶのか。そして、多額の資金を手にするSBグループがどんな手を次に打ってくるのか。注目されそうね。