せんべろ?半べろ?
景気回復が6年近くになり、「デフレではない」状況だと言う日本経済。一方、消費の現場を見ると、安さを売りにした居酒屋が人気を集め、価格に対する人々の敏感さは変わりがないようです。
仲間内では安い居酒屋を多用するんで、よく行きますよ。1000円あれば酔えるから、「せんべろ」なんて言ううたい文句も見たことあります。
最近は、その半分、500円で酔えるとして「半べろ」を掲げるお店まであるそうね。お酒1杯と小鉢3品で、500円だとか。
へぇ!「せんべろ」や「半べろ」のお店はなぜそんなに安くできるんでしょうか?
今回話を聞いた都内のお店は、しめさば290円、サワー190円。定番の串カツは1本99円だそう。
このお店の場合、徹底したコストカットが安さの秘密ね。従業員の制服はない。おしぼりもない。刺身に大葉もつけない。ぎりぎりで採算をとるために食材の量はグラム単位で調整する・・・
かつて10円値上げしただけでも客離れを招いたことがあるそうで、消費者の値段への敏感さは、リーマンショック後の景気が悪かった時代と変わらないと話していた。
小遣い不足に悩む身にはありがたいかぎりですけど、景気回復が続いているのに、どうしてでしょう?
結局、収入が伸びていないことがある。人手不足を背景に非正規社員の給与などは上がっているけど、象徴的なのは、働き盛りの40代前半の給与。月々の賃金がこの10年でおよそ5万円近くも下がっているの。
日銀ウォッチャーとして知られ、消費の現場にも詳しいエコノミストの加藤出さんは、「景気が厳しい就職氷河期に会社に入った今の40代は初めから給料が抑えられ、その後の賃金上昇も緩やかな、かわいそうな世代。社会保障制度をはじめとする将来への不安も根強く、財布のひもは緩まない」と話している。
給料、上がってほしいですけど。
今、企業は過去最高水準の利益をあげているけど、同時に、保有する現金や預金もおよそ260兆円と、過去最高になっている。企業経営者も経済の先行きが不安で、なるべく多く手元にお金を置いておこうとしているとも言えるわけ。
加藤さんは、「消費者も企業も、染みついたデフレマインドをぬぐい去れていない」と見ている。
企業がより積極的な経営姿勢に転じることが大事になりそうね。
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