急成長のRIZAP なぜ赤字に?
印象的なテレビCMで一躍、知名度を上げた「RIZAP」。
中核のフィットネス事業に加え、相次ぐ企業買収で急成長を遂げてきましたが、今年度の決算が70億円の最終赤字に陥る見通しになりました。
いったい、何があったのでしょうか?。
あのRIZAPグループの赤字転落が、話題になってますね。業績がよさそうに見えたのに、意外な感じがします。
そうよね。「結果にコミットする」という謳い文句を掲げたフィットネス事業の手法を、ゴルフや英会話などのレッスンにも取り入れて、事業の幅を広げていた。
さらに、企業買収による事業の多角化に乗り出していて、この2年余りで傘下に収めたのは60社を超える。最近では、サッカーJ1の湘南ベルマーレにも出資していた。今年度の決算が赤字になれば、11年ぶり。
赤字の原因は、何なんですか?
相次ぐ企業買収が、裏目に出てしまった形ね。業績が厳しい企業を買収したうえで、立て直して利益を拡大することを狙っていた。だけど、最近傘下に収めた「ゲームソフトやCDなどの販売店を展開する子会社」や「フリーペーパーを発行する子会社」などのてこ入れがうまくいかず、そうした子会社の赤字が想定より広がってしまった結果だと説明している。
買収による急成長路線が、曲がり角を迎えたということ?
創業者でもある瀬戸健社長は「買収の見通しが甘かった」と率直に認めている。実はRIZAPでは、ことし6月に、いわゆるプロ経営者で大手菓子メーカー「カルビー」の会長などを務めた、松本晃氏を代表取締役として迎え入れて、今は構造改革を担当しているんだけど、ある程度は今の事態を想定していたのかもしれない。
就任時に「RIZAPはおもちゃ箱みたいな会社で、足を踏み外さないよう経験をいかしたい」と話していた松本氏。
今回は「おもちゃ箱の中には、いくつか壊れたおもちゃもあった」と述べていて、痛みを覚悟で事業の再生をするべきだと社長に進言したそうよ。
今後はどう立て直していくのかな?
フィットネスやゴルフ・英会話といった主力事業は黒字なので、これを柱にスポーツやヘルスケア、美容分野に集中する。新規の買収は凍結し、短期的な収益改善や相乗効果を見込めない事業などは撤退や売却も検討するとしている。創業から15年で迎えた正念場を、若い創業者とプロ経営者がどう乗り切っていくのか、これからも注目されそうね。
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