東京都知事選でも郵便投票や職員研修

障害があったり病気を患っていたりして、投票をすることが難しい人たちの投票率をいかに上げるか、東京都知事選挙でも課題になっています。

郵便投票で参加

町田市に住む木村路恵さん(69)は8年前、体を動かす機能が徐々に失われる神経の難病、「多系統萎縮症」と診断され、手足を動かすことが難しく、今は会話もできなくなっています

木村さんが利用するのは郵送での投票です。自宅に投票用紙が届き、代理人である夫の哲也さんが候補者の名前を書いて、市の選挙管理委員会に郵送します。

木村さんは哲也さんに、まばたきで投票する候補者を伝えていました

哲也さん:
「彼女の思いは、口では言えないかもしれないけど、こういう形で投票に自分の意思で参加できてるっていうのは、めちゃくちゃうれしいですね」

こうした郵便などによる不在者投票で代理の人が書いて投票されたのは、前回、4年前の都知事選挙では258票でした

職員がコミュニケーションを学ぶ

知的障害があって投票が難しい人たちを支援する取り組みも。東京の狛江市では、投票所で対応にあたる市の職員向けの研修を行っています。

この日は2人の職員が市内の福祉作業所を訪れて、一緒に作業をしながらコミュニケーションの方法を学びました。

はじめは、会話の糸口が見つかりませんが、作業所のスタッフが間に入ります。

わかりやすいことばで短い時間で話すことや、ことばを発するまでに時間がかかる人もいるため、答えを焦らずに待つことなどを、職員たちは学んでいました

狛江市では去年の統一地方選挙にあわせて、全国で初めて、市内の障害者の投票率を調査しました。その結果、知的障害のある人の投票率が、身体や精神に障害がある人に比べて10ポイントほど低かったことがわかっています。

研修に参加した狛江市の松井崇さん:
「会話のキャッチボールをずっと続けるのは非常に難しいです。声かけをしたときに、返事がなかったとしても、そこでちょっと待つということが必要かと思います」

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