色弱の人に見えやすい入場整理券を作成(奈良県香芝市など)

各地の選挙管理委員会の中には、多様な色の見え方に対応したデザインの入場整理券を作成したり、投票までの手順をわかりやすく伝えるカードを作ったりするなど、投票しやすい環境作りに力を入れているところがあります。

(ネットワーク報道部 記者 土方薫)

色が見分けやすい入場整理券

このうち奈良県香芝市では、以前は白黒だった入場整理券を、誰にとっても見やすいように、カラーにしています。

配色も工夫しました。

多くの人が見分けやすい配色も、見分けにくいと感じる人たちがいますが、そうした「色弱」の人たちにも色を見分けやすいデザインを採用しました。

特に重要な情報を強調するために投票日などの文字に色を付けていて、黒と見分けが付きやすいとされる黄色みの強い赤色を使っています。

また地図上の文字の周りを白で囲い、背景のグレーと文字の色が見分けやすいようにしています。

整理券の制作業者では、色弱の人の見え方をシミュレーションし、色が見分けやすいか確認しながら制作を進めたということです。

多様な色覚に対応した配色を広げる活動を進めるNPO法人「カラーユニバーサルデザイン機構」の副理事長の伊賀公一さんは、「こうした取り組みが広がり、色弱の人にも見分けやすい色を使うことが当たり前なってほしい」と話しています。

投票の手順をカードで伝える

一方、岡山県矢掛町の選挙管理委員会は、聴覚に障害がある人に選挙の手順をスムーズに説明できるようにしようと、投票所に来てから1票を投じるまでの手順を説明するカードを作りました。

(矢掛町では今回の統一地方選挙に関係する県議会議員選挙は無投票で当選が決まりました)

作成したカードは1セットが8枚で、紙芝居のようにめくりながら使います。

カードには「職員をお呼びしますので少々お待ちください。本人確認を行いますので入場券をお預かりします」とか、「投票用紙には候補者の名前を書いてください」などと書かれていて、担当者がカードを示しながら、有権者が投票するまでの手順をサポートします。

誰が担当になってもわかりやすい対応ができるよう、去年の参議院選挙の前に初めてこのカードを作成し、今回の選挙でも準備したということです。

カードを考案した担当者の話
「口頭で伝える内容をわかりやすい言葉と、大きい見やすい文字で書くことを意識しました。誰が担当になってもスムーズに対応できると思います」

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