“動く”投票所 バスを使って期日前投票(長野県中野市)

きつい坂道を上り下りして、投票に行かなければならない-

こうした状況を打破したのが“動く”投票所。

ノンステップバスを利用し、バリアフリーへの配慮にもつながっています。

(ネットワーク報道部記者 池田侑太郎)

坂を上がらないと‥

長野県中野市。周囲には山々が連なります。

山あいの地域では投票所までの距離が遠く、移動が難しい場合もあることから、2014年から地域の集会所に順次、投票所を設置していく「移動期日前投票所」を設けていました。

1時間ごとに場所を移して、最寄りの集会所で投票してもらおうとしたものです。

しかし、その集会所も坂の上にあったり、階段を上がって行かなければならなかったりして、投票に行く人の負担になることも多くありました。

一方で、選挙管理委員会の側も、集会所を移動するごとに投票の準備をしなければならず、負担が大きかったといいます。

バスが投票所に

そこで導入されたのが…

ノンステップバスによる“動く”投票所。

2022年7月、参議院選挙から稼働しています。

バスのなかには投票用紙に記入する台や投票箱が設けられ、ここで期日前投票をしてもらいます。

バスを止めるのは、それまで投票所となっていた集会所の近く。

これまでは坂をのぼらなければならなかったところも、バスならばより平らなところを選んで停車できるため、投票者が移動しやすくなります。

バリアフリーにも配慮

また、スロープ付きのノンステップバスなので段差がなく、車いすのまま入れます。

さらには、靴を脱がずに投票することができます。

集会所に加えて、商業施設の駐車場にもバスを止めることで、買い物のついでに投票をすることも。

このバスによる「移動期日前投票所」を利用した人は、2022年7月の参院選では141人、8月の長野県知事選では猛暑のなかでも114人にのぼったということです。

バスでの期日前投票は、4月に投票が行われる統一地方選挙でも行われることになっています。

中野市選挙管理委員会 担当者の話
「有権者の投票環境の改善や、投票率の向上を図るために導入した。実際に利用した人たちから『とても便利になった』という声が寄せられているので、今後も継続していきたい」

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